表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。  作者: 揚惇命
2章 反董卓連合

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/821

死闘を語る

1月7日 誤字報告ありがとうございます。修正しました

 張宝が波才を連れて、劉義賢の元を訪れた。

 張宝「失礼します」

 義賢「よく来てくださいました仙女様」

 波才「なんだそれは?」

 義賢「これはこれは導師様も」

 張宝「気を遣ってくださっているのですよ。ですが大丈夫ですよ」

 義賢「そうでしたか。では改めて、張宝殿、波才殿お久しぶりです。盧植殿を見てくださり感謝致します」

 張宝「貴方からの頼まれごとを断るわけには参りませんからでも貴方はまるで病気の人がわかっているかのようですわね」

 波才「前回は確か田豫殿の御母堂様であったな」

 義賢「たまたまですよ。田豫殿の母のことは尋ねた時に。盧植殿についてもここについてからですから」

 張宝「それにしては、何処の近くで待機していて欲しいとか具体的な文が来たように思いますが」

 義賢「たまたまです」

 張宝「まぁ良いでしょう。兄上が元気で今居られるのも貴方のおかげです。お役に立てるのならお力をお貸し続けましょう」

 波才「心得ております」

 義賢「ふーん。やることはやってんだね」

 波才「!?」

 張宝「!?」

 義賢「予定日はいつなの?」

 張宝「予定日とは?」

 義賢「えっ!?。張宝殿、妊娠してますよね」

 張宝「なっなっなっ何を言ってるのよ。妊娠なんて、えっえっ嘘」

 波才「最近疲れやすいような気はしておりましたが俺の子を妊娠して居たとは嬉しいです張宝様」

 義賢「波才殿は、結婚しても張宝様呼びなんだね」

 波才「えぇ、妻となってもお慕いしていることに変わりませんから」

 義賢「まぁ良いんじゃないかな」

 張宝「よくないですよ。夜はあんなに激しく求めるのに普段は徹底して、これでは夫ではなく従者のようですわ」

 義賢「惚気とは、熱々ですね。まぁ、元気そうで良かったです」

 張宝「でも、まさか私が妊娠していたなんて。どうしてわかったのですか?」

 義賢「うーん。まぁただの勘です。前回会った時よりそのなんと言いますか溢れ出る母性を感じまして、もしかしたらと」

 張宝「黄巾党を実質指揮していた私に母性ですか?貴方様と話していると本当に面白いです」

 義賢「張角殿は元気ですか?」

 張宝「えぇ、于吉から太平清領書をなんとか手に入れてからみるみるうちに元気になりました」

 義賢「それは良かったです」

 波才「よくないですよ。聞いてください。張宝様は、無茶をしてあわや死にかけたんですから」

 義賢「あの于吉道士を相手に出すから一筋縄で行かなかったんでしょうね」

 張宝「もう波才ったら、無事だったんだから良いじゃない」

 波才「良くありません。もう1人の身体じゃ無いんですから無理しないでください」

 張宝「、、、波才」

 波才「張宝様、、、」

 義賢「はーい、ここではやめてね〜」

 張宝「すっすみません。于吉との戦いでしたね。あれは死闘でした」

 張宝の話す言葉に耳を傾ける劉義賢。于吉の排除が成功すればある人を救えると考えていた。曹操と対等に渡り合うためには必要不可欠なもう1人の傑物であり、劉備にとっても生きていれば義兄となったであろう人でもある。そんな于吉の排除物語を聞く劉義賢。

 張角「ここのようであるな。ゴホッゴホッ」

 張梁「大兄上、大丈夫かよ。広宗から会稽かいけいまでの行軍だったんだ。少し休もうぜ」

 張角「ゴホッゴホッ。この身体の蝕みが劉義賢殿が言っていた通りの呪いの類とするのならそれをかけた本人を葬りきちんと供養せねばならん」

 張宝「兄上が先に倒れては意味はありません。ここは梁の言う通り少し休まれては」

 張角「心配無用じゃ。行くぞ。ゴホッゴホッ」

 于吉「フェッフェッフェッ。張角よ。黄巾党を起こし世を混乱に貶める。その役目をまっとうさせようとしたのじゃが。よもやこのワシを見つけるとはなぁ。さては誰かの入れ知恵であろうか」

 張角「兄弟子殿のその言い方、兄弟子殿が裏で糸を引いてあったのですな。ゴホッゴホッ」

 于吉「フェッフェッフェ。今更気づいても遅いわ。お前を蝕む呪いはそう簡単に消えん。持って後数刻と言ったところじゃ。まぁそんな身体でもワシを見つけられたことには素直に賞賛を贈ろうぞ」

 張角「黄帝が記した幻の書物、太平清領書は何処ですか?ゴホッゴホッ」

 于吉「よもやこれの存在までバレていようとは生かしておくまいぞ張角よ。ワシの手で黄巾の乱を収束させるのは被りたかったが致し方ない」

 于吉が張角に向けて闇の玉を投げつける。それを見た張宝が張角の前に出る。

 張角「何をしてあるのじゃ宝。そこを退くのじゃ。ゴホッゴホッ」

 張宝「退きません。兄上にあれが当たれば恐らく命の灯火が消えてしまいます。そんな事私がさせません」

 闇の玉が張宝に吸い込まれる。

 張宝「うっううううううう」

 張角「宝。これはいかん。宝まで呪われてしまう。ゴホッゴホッ」

 于吉「ほぅ張角よ。これが呪いの塊であることも知ったのか。ハッハッハ。コマであれば良かったものを色々と知るから大事な弟まで呪われることになるのじゃ」

 張角「貴様。必ず殺してくれる。ゴホッゴホッ」

 于吉「兄弟仲良く呪われるが良いわ。そして死ぬが良い。ハッハッハ」

 その時、張曼成と馬元義と波才による刃が于吉を捉えた。

 于吉「貴様ら。一体何処から。グフッ。まだだこの呪いは絶対に消えんぞ。ワシを殺せば一生解けんのだ。手も足も出せまい。な、ん、だ、こ、れ、は、う、そ、だ、ろ、こ、の、お、れ、が、し、ぬ」

 張曼成と馬元義は躊躇してしまったが張宝様に呪いをかけた目の前の男に対して憎しみが抑えられなかったその男は何度も刃を于吉へと突き立てていたのだった。

 波才「貴様、よくも、よくも、張宝様を、許さん、許さん、許さん」

 于吉が事切れても刺すのを辞めない波才を張曼成と馬元義がなんとかひきはなした。

 波才「曼成、元義、止めるな。こいつは、必ず俺がこの手で」

 張曼成「もう死んでる」

 馬元義「波才の兄貴止めるんだ」

 張角は急いで、于吉の亡骸を丁重に葬り、供養を施すとみるみるうちに顔色が良くなり咳が止まったのだ。だが張宝は一向に良くなる気配が無かった。

 張角「宝、このような事。ワシは許さんぞ」

 張宝「ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」

 波才は張宝へ駆け寄り呪いを受け取るかのように熱い口付けを交わしていた。

 張曼成「おい、兄貴、こんな時に何考えてんだ」

 馬元義「いくら、女に縁が無いからって男になんて事してんだ」

 張宝「ゴホッゴホッ」

 それは奇跡と言える光景だった。波才の一途な想いが天に届いたのであろうか張宝は息を吹き返し、波才にも呪いが移った形跡はなかったのである。話終わった張宝の顔は真っ赤であった。

 義賢「ハハハ。まるでお伽話のようですね」

 波才「ですが本当の話です」

 張宝「兄上から聞いた時は恥ずかしくて死にそうでしたわ」

 義賢「良いではありませんか。波才殿の張宝殿を思う一途の愛が実り、そして今新たな命も宿っているなんて感動ものですよ」

 張宝「揶揄わないでくださいまし」

 義賢「でも本当に無事で良かったです。2度も俺のお願いを聞いてくださり感謝します」

 波才「気にしないでください。劉義賢殿には感謝しても仕切れぬ恩と思っている」

 張宝「えぇ、荊州に来ることがあれば是非兄上にもお会いしてあげてください」

 義賢「えぇ、必ずお伺いします」

 張宝が外に出ると練兵を終えた田豫とぶつかる。倒れそうになる張宝を間一髪支える波才。

 波才「気をつけろ」

 田豫「すまん。旅の医女?ひょっとして、楼桑村で母を助けてくださったのは貴方様ではありませんか?」

 張宝「えっ。じゃあ、貴方が田豫殿ですか?」

 田豫「はい。母のこと感謝致します。御礼が遅くなり申し訳ありません」

 張宝「良いのです。お母上様を大事になさってくださいね」

 田豫「はい。それでは旅の無事を祈っております。良ければ名前を聞いても?」

 張宝「えぇ構いませんよ。私、張宝と言います」

 田豫「ちょうほう殿ですね。では失礼します」

 張宝たちの背中が見えなくなるまで見送った田豫は考える。

 田豫「ちょうほう、ちょうほう、張宝!?まさかそんなわけないよな。義賢、殿が呼んでいるぞ」

 義賢「わかった。今行くよ田豫殿」

 義賢は、支度をして劉備が公孫瓚と作戦会議をしている幕舎に向かうのであった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ