表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。  作者: 揚惇命
1章 黄巾の乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/821

下邳の黄巾残党軍を瓦解させる

 劉備が怒りのままに監察官を木にくくりつけ殴り、印綬を首にかけ、もう県令としてこの場に居られないと安熹県を後にして、数ヶ月後、丹陽郡たんようぐんに着いた。

 劉備「丁、ここに来れば良いと言っていたが何かあるのか?」

 義賢「向こうからやってくるのです」

 劉備「?」

 劉備が安熹県の県令を辞した後、各地を転々として、官職に着いたと伝わっている。その一つがこの丹陽郡における都尉とい毌丘毅カンキュウキを助けて下邳かひの敵軍と戦い、軍功を上げて下密県かみつけんしょうに任命されるというものだ。

 間も無くゾロゾロと向こうから朝廷軍が現れた。それを率いている大男が劉備に気付く。

 毌丘毅「これはこれは安熹県の県令様じゃあねぇか。こんなところで何してんだい?」

 劉備「故あって、官職を辞し、流浪の身となりました。ところで貴方様は?」

 毌丘毅「ガハハ。おおっと。こりゃ失礼したな。都尉を務めてる毌丘毅ってもんだ。よろしく頼むぜ。まぁその風貌を見りゃわかる。今の朝廷は息苦しいだけだわな。どうだストレス発散に付き合わねぇかい?」

 張飛「大兄者、乗ろうぜ」

 関羽「うむ。某も身体が鈍ってしまいますぞ」

 義賢「乗るべきでしょう」

 田豫「兵の練兵にもなりましょう」

 簡雍「アッシは見てるだけで、、、ダメですかねぇ」

 バチーンと鈍い音が鳴る。

 麗「旦那様、手柄を立てる好機でございましょう。頑張りなさいませ」

 劉備「えぇ、見ての通り暇な身です。お手伝いいたしましょう」

 毌丘毅「そうこないとなぁ。流石、俺の見込んだ男だ。助かるぜ。ガハハ」

 バシバシと劉備の背を叩く毌丘毅。

 劉備「私のことを知っておられるのですか?」

 毌丘毅「ガハハ、何言ってんだよ。共に広宗で戦ったじゃねぇか?えっ覚えてねぇのかお前さん?」

 劉備「???」

 毌丘毅「こりゃあたまげた。覚えられてすらねぇとは。ガハハ。まぁ良い一方的にお前さんのことを気に入ってるファンの1人ってとこで」

 劉備「大変失礼いたしました。まぁそういうことなら。ところでこの軍はどういったものですか?」

 毌丘毅「あぁ、下邳太守の陶謙トウケン殿から要請を受けてな。下邳の黄巾軍の残党の処理だ」

 劉備「黄巾軍の残党?」

 毌丘毅「全く、張角に張宝に張梁も死んだってのにまだ黄巾の世を目指すとかのたうちまわってる輩って話だ」

 劉備「天子様に仇為すなら討ち滅ぼさなければなりませんね」

 毌丘毅「全くだ」

 都尉の毌丘毅に従軍して、共に下邳に向かう劉備一向。太守である陶謙が迎えてくれる。

 陶謙「遠路はるばるお越しいただき感謝致します」

 毌丘毅「おぅ。何進大将軍の命を受けて、救援にきた都尉の毌丘毅だ。よろしく頼むぜ。陶謙殿」

 陶謙「はい。残党の黄巾軍ですが、首領は張饒チョウジョウ張伯チョウハク兄弟です」

 毌丘毅「よりにもよって、民を惨殺して、その肉を喰らったという血みどろ兄弟かよ」

 劉備「そのようなものに付き従っているのなら簡単に瓦解できるかと、私にお任せくださればその2人討ち取ってご覧に入れましょう」

 陶謙「この頼もしい人は誰ですかな?」

 毌丘毅「義勇軍を率いている劉備殿だ」

 劉備「これは、失礼しました。義勇軍を率いている劉玄徳と申します」

 陶謙「ほほぅ。義勇軍ですか。それは頼もしい限りです。是非お願いいたしますぞ」

 劉備「はっ」

 威勢よくあった劉備であったが誰が2人を討ち取るかで揉めていた。

 張飛「ここは俺と兄者に任せてもらうぜ」

 関羽「うむ。妥当であろうな」

 周倉「待ってくれ、張飛殿、あんな小物討つのに2人が出向く必要はねぇ。俺と廖化に任せてくれ」

 廖化「お任せくだされば討ち取って参ります」

 龔都「張饒も張伯も、張角様の権威を傘に来ていた小物なのは間違いないでやす。手柄を部下に譲るのも大将の役目でやすよ」

 劉備「龔都の意見も一理ある。ここは第三者として、義賢に決めてもらうとしよう」

 義賢「えっ!?俺が」

 張飛殿や関羽殿の圧に押されつつも確かに小物を討ち手柄を上げさせるのも大事なことだと思う。

 張飛「何悩んでんだ。張飛殿と関羽殿にお任せしますだろ」

 関羽「翼徳の申す通りよ」

 周倉「いやいやここは俺と廖化に」

 廖化「是非」

 義賢「張飛殿と関羽殿から確実でしょう」

 張飛「流石大兄者の弟だぜ。わかってるじゃねぇか」

 関羽「うむ。それでは参るとしようぞ」

 義賢「ですが、ここは周倉殿と廖化殿にお願いいたします」

 張飛「おい何いってやがんだ」

 関羽「翼徳よ。義賢にも訳があろうぞ。先ずは聞くとしようぞ」

 義賢「簡単な話です。1つ、あのような小物に張飛殿や関羽殿のお手を煩わせる必要はない。2つ、周倉殿や廖化殿の力を見てみたいと思いました。3つ、それによっては、今後の戦略も変わりますからね」

 張飛「成程な。納得はしたぜ」

 関羽「うむ。某も周倉や廖化の力を見ておく必要があろうな」

 周倉「俺にお任せを」

 廖化「仕留めて参る」

 2人は揃って駆け出すと敵将と向かい合った。

 張饒「これはこれは裏切り者の周倉君と廖化君じゃないかい。何のようだね」

 張伯「戻りたいと言ったって今更だぜ」

 周倉「我こそは、周元福。民を脅かす不届者張饒よ。討たせてもらうぞ」

 廖化「我こそは、廖元倹。張伯よ、昔のよしみで苦しまずに仕留めてやる」

 張饒「言うじゃねぇか。後悔させてやる」

 張伯「血みどろ兄弟に挑む馬鹿者共に死をプレゼントしてやるぜ」

 周倉と廖化の一刀の元に真っ二つにされる血みどろ兄弟。

 周倉「敵将、張饒。周元福が討ち取った」

 廖化「敵将、張伯。廖元倹が討ち取った」

 張飛「へぇーアイツら結構やるじゃねぇか。なぁ兄者」

 関羽「うむ。よもやこれほどとは」

 張饒と張伯の討ち死ににより瓦解する下邳の黄巾残党軍であった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ