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えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。  作者: 揚惇命
4章 三国鼎立

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呉郡にて大規模な反乱を扇動する

 襄陽での暗躍を終えて戻った于吉は、許貢の食客集団である闇夜団を呼び出し、孫策を討つ計画を練る。

 于吉「やれやれ酷い目にあった。柊、闇夜団を集めるのだ。孫策を討つ」

 柊「やっとこの時が、孫策を殺せば許貢様が生き返るのですね?」

 于吉「うむ。血を媒介にこの世に魂を呼び戻す。幸い器は首が飛んでいるだけで他は無事だからな。縫い合わせれば使えよう」

 鏑「そういうことならアッシに任せてくどせぇ。縫い目がわからないぐらい完璧に治して見せやす」

 于吉「梟よ。他のメンバーの準備も完了していような?」

 梟「お前に好き勝手使われるのもこれで終わりだと思うとせいせいするが感謝している。孫策を殺す機会を整えてくれたのだからな」

 于吉「フン。劉表をぶつけることには失敗したが江夏にいる馬鹿を操ることには成功した。まぁ、あの馬鹿に孫策を討つことなど不可能であろう。捨て石として掌で踊っている間に闇夜団でトドメを刺すのだ」

 柊「言われなくても孫策の命を他の奴らに渡すことなど致しません。私たちの手で」

 于吉「それを聞いて安心した。いざとなったら怖気付く奴もいるからな。さて、ではワシはこの呉郡で広く知られているこの姿となり、今一度民衆を煽るとしようぞ。ヒョッヒョッヒョ」

 柊「その笑い方、やめたらどうかしら?」

 梟「やめておけ柊、言って聞くような奴ではない」

 于吉が民衆の前に16年ぶりに現れる。

 民男「あれは于吉様だ。やっぱり死んだなんて嘘だったんだ」

 民女「きゃー于吉様ー」

 道教者「于吉様が我々の元に戻られた。こんなに喜ばしいことはない」

 呉郡の民が孫策よりも于吉を推すことに腹を立てた孫策は于吉に説明のため来訪することを命じるが拒否される。これに怒った孫策は于吉の討伐を決める。

 周瑜「今の状況がわかっているのか伯符。于吉などに構わず長沙に進軍しなければならないのだぞ」

 孫策「公瑾。俺は我慢ならねぇんだ。この呉郡の太守は俺だ。その俺よりも怪しげな道士のが人気だと。これを許せばこの地の支配を何れ乗っ取られるだろう」

 大喬「孫策様、不吉な予感がするのです。取りやめることはできませんか?」

 孫策「大喬、心配すんな。俺はぜってぇ死なねぇしお前の元に帰ってくるからよ。可愛い娘にも寂しい思いをさせるわけにはいかねぇからな」

 周瑜「伯符。思い直すんだ。あんな道士の討伐など後でも良い。今を逃せば、我々の拡大。いや伯符の大望が遠のくのだぞ」

 孫権「周瑜義兄さん、こうなったら兄さんは止められないさ。早々に于吉を討ち長沙に向かう。それでいいんだよね兄さん?」

 孫策「おぅ権。その通りだ。野郎ども。于吉っていう道士を討つぞ。全軍、進軍を開始せよ」

 孫策たちが城を少し空けた隙を突かれ呉城を失陥。しかし孫策は長沙を攻撃するため集めていたその兵を使い呉城を取り返すべく進軍を開始。兵数こそ孫策軍は10倍を要するがそれも兵の数という意味でだ。于吉を守るため呉郡の民は孫策軍とやる気満々だった。その数、70万である。孫策軍vs于吉&呉郡の民という大規模な反乱が起こったのだ。実質孫策軍5万と于吉軍5000+民70万である。ここにさらに不穏な足音が迫っていた。


【江夏】


 大規模な反乱の少し前、江夏を治める黄祖の元に于吉が訪れていた。

 黄祖「劉表様からの推薦状だと?ふむふむ。確かに劉表様の字じゃ。してどういった御用件かな?」

 于吉「黄祖殿はかつて孫堅に痛い目に遭わされたと聞いておるのじゃがその雪辱を果たしたいとは思わんか?」

 黄祖「痛い事を思い出させてくるものだな。息子が禰衡とかいう馬鹿な諫言を聞き孫堅に投降し、ワシの地位は今や劉表様に体良く使われる使い捨ての駒に成り下がった。お前はその事を笑いにきたのか?」

 于吉「いえいえ、滅相もない。我らとて痛い目に遭わされたのだ。我らは孫堅の息子の孫策にだがな。そこでどうだろう。我々と共に孫策を殺すというのは、孫堅といえ溺愛していた息子を殺されれば病に倒れるやもしれんな」

 黄祖「ほぅ。それは面白い。して、どうするつもりだ?」

 于吉「我々は呉郡の民を扇動し、孫策に反乱しようと考えておる。そこで、内と外から挟撃となったら小覇王などと持ち上げられている孫策といえどどうなるであろうな」

 黄祖「しかし、劉備が不穏な動きをしている中江夏を空けるわけには」

 于吉「そのことも心配いりますまい。劉表殿は兵を出し劉備軍を強襲する。蘆江にて大規模な戦となりましょう。よもや黄祖殿は劉表殿が負けるとお思いではあるまいな?」

 黄祖「勿論、劉表様が負けるなどありえん。そういうことなら我らは江夏の兵を率い孫策を急襲しよう」

 于吉「お分かり頂き感謝しますぞ」

 于吉が立ち去っていく。

 蘇飛「黄祖様、本当に江夏を空にするつもりですか?」

 黄祖「そんなことできるか蘇飛、お前にワシの帰りまで江夏を任せる。頼んだぞ」

 蘇飛「心得ました(こんな時、甘寧が居てくれたら良かったのだが。無いものをねだっても仕方がないとはよくいったものだな。お前は元気にしているのか?妹とは会えたか)」

 黄祖は、孫堅との戦いで蘇飛を除く配下の全てを失い。新たに登用した韓晞カンキという将軍に5千の兵を率いさせ。劉表の元で問題を起こして左遷された劉表の族子である劉虎リュウコにも5千の兵を率いさせ。自身は1万の軍勢の合計2万を率い呉郡に進軍を開始した。

 呉郡にて不穏な気配が立ち上るがこの話は何れまた。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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