各勢力の動向
【許昌】
曹操の本拠地許昌では、楊脩が劉備との無期限停戦を5年の同盟に変えて、戻ってきた。
楊脩「殿、劉備がこちらの要求を飲みましたぞ」
曹操「そうか、劉備が飲んだか。これで良いのだな郭嘉・陳宮」
郭嘉「曹仁殿らしい無期限停戦だったんだけどね。いずれは足枷にしかならないからね。同盟に変えて、5年以内に袁紹を降すってのが良いかと思ってね」
陳宮「それに劉備のことです。同族である劉表を攻めるなんてことはしないでしょう。袁紹の後じっくりと徐州を劉備から奪い南下すれば殿の天下となりましょう」
曹操「後顧の憂いは断った。袁紹、華北を貰い受けるぞ。全軍、進軍を開始せよ」
曹操の号令で曹操軍10万が華北に向け進軍を開始するのであった。
【鄴】
逢紀が劉備への使者を終えて戻ってきた。
逢紀「申し訳ありません袁紹様。劉備は、断りました」
袁紹「なんだと!?この名族袁本初の有難い提案を拒否しただと」
逢紀「はい。それどころか曹操に付いたような言い方でした」
袁紹「またしても曹操か。調子に乗りおって。こうなったら劉表を劉備の備えに当て、曹操を打ちのめした後、徐州の劉備を喰らってやるわ」
逢紀「はっ」
袁紹「辛評、至急劉表の元に向かい劉備を攻めよと伝えよ」
辛評「かしこまりました」
袁紹「他の者たちは、全軍、進軍せよ。狙うは許昌。天子様の奪還だ」
袁紹は劉備の備えに劉表を当て、自身は袁紹軍100万を率いて南下を開始した。
【建業】
孫堅の本拠地建業では、孫策が孫堅に荊州切り取りの事後報告をしていた。
孫策「親父、そういうわけで俺たちは今から長沙に向けて進軍を開始する」
孫堅「劉備殿が許可したのなら何もいうまい(策のやつ劉備殿と尚香との間に子供ができた時、どうするつもりだ。今度はその子供を次に立てるべく暗躍するのか。どうして家族となってまで争う必要があるというのだ。献帝様を共にお救いし漢室のために働くそれが俺と劉備殿の願いだというのに)」
周瑜「大殿、感謝致します(劉丁よ。今度は負けん。我らが荊州全土を手に入れる。土地勘のある長沙から攻めさせてもらうことも好都合だ)」
孫策率いる孫堅軍5万が孫策の本拠呉へと帰り長沙に向け進軍の準備をする。この従軍の中に鳳雛と呼ばれているあの男も参陣していた。
【成都】
遠く離れた益州の成都では、劉璋が相変わらず目の上のたんこぶである張魯に苛立っていた。
劉璋「よもや兄上たちを取り込むとは。おかげで我が軍の士気は下がるばかりではないか。舐めやがって」
???「張魯が降伏勧告をまた無視しました」
劉璋「王累、そうかやはり討伐せねばならんな」
???「南蛮に不審な動きあり」
劉璋「バカな!?南蛮とは良い関係を築いていたはず。何故だ。何故こうもうまくいかん。これも全て、張魯。貴様のせいだ」
張松「(劉璋様で益州の民を守れるだろうか?急ぎ友人である法正・孟達と共に協議せねばなるまい)」
益州でも何かが起きる前触れであった。
【漢中】
益州の漢中を治める張魯は母の張姜子に頭が上がらない。
張魯「母上、またしても劉璋から降伏の死者が」
張姜子「却下」
張魯「ですが母上、我らは五斗米道の教えを伝えられたら満足なはず。劉璋と争う必要があるのでしょうか?」
張姜子「ウフフ。張魯ちゃんは面白いことを言うのね。劉璋に降伏したら私たち一家の首は飛ぶわよ。アイツが欲しいのはね。あくまで、この土地なのよ」
張魯「そうだったのですか!?」
張姜子「張魯ちゃんは何も考えなくて良いのよ。ママが守ってあげるからね」
張魯「はひぃ」
張姜子「(仕方ない、このやり方はしたくなかったけど南蛮族を動かすのが良いかしらね)」
益州にて戦乱の兆しがあった。
【涼州】
涼州の覇権を韓遂と争い勝利した馬騰は名実共に涼州を治める一大勢力となっていた。馬超と王異との間に子供もでき、すっかり孫に甘いおじいちゃんと化していた。馬超とお会いの子供は双子であった。兄を馬月・妹を馬英という。
馬騰「月・英、今日はじいじが狩を教えてやるでの」
馬超「父上、産まれたばかりの息子と娘に何をやらせるつもりですか。王異、お前からも何か言ってやれ」
王異「あら、よく自慢話のように俺は0歳から槍を握っていたとおっしゃっていたではありませんか。良いのではありませんか。馬家の男児は」
馬超「ワーワーワーワー」
王異「クスクス。笙鈴もほら抱いてあげて」
楊笙鈴「良いのですか?」
王異「遠慮なんかしないで、私たちは同じ人を愛している者。同志なんだから」
楊笙鈴「わぁ。可愛い。あっ指を。とっ尊い」
馬騰「じいじにもやらせてくれ。こん通りじゃ。わぁ。なんじゃこの天使たちは」
牝冥「ジジバカもほどほどにしておきなさいな。あまりしつこいと嫌われちゃいますよ」
馬騰「いやじゃいやじゃ。じいじ大好きって言わせるんじゃ」
姜冏「殿、団欒中のところ失礼します。曹操軍に動きあり。狙いは華北の袁紹かと」
馬騰「とうとう動いたか。来るべきに備えて、我らも力を蓄えねばならん。この幸せを守るためにもな。ところで姜冏、お前にも子供が誕生したのだったな。名は決めたのか?」
姜冏「はい。名を維、字を伯約としました」
馬騰「ほぅ姜維伯約か。将来名を残しそうな良い名前だな」
姜冏「ありがとうございます。それではこれにて、姜維が待ってますので」
馬騰「あぁ、早く帰ってやるのだ。ワシも孫たちと戯れておるのでな」
姜冏「ハハハ」
涼州は来るべき戦いに備えていっときの平穏に酔いしれているのであった。
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