間話休題⑩ 董卓と霊帝
これは、劉備義勇軍により董卓が救われた直後の話である。
董卓「(えぇい、あの劉備とかいう田舎者の分際が偉そうにしおって。それに華雄も華雄じゃ。情などに絆されよって。所詮霊帝が連れてきただけの男、武芸があるから重く用いってやってるだけじゃ)李傕・郭汜、帰るぞ」
李傕・郭汜「はっ」
董卓と霊帝は双子かというぐらい瓜二つであった。それゆえ度々、入れ替わりを楽しんでいる中だった。董卓も宮中の女の味を知り、特に何進の妹である何皇后こと何酷艶に御執心だった。此度も、戻って霊帝と入れ替わった。
董卓「お前は本当に愛ぃ奴だ」
何酷艶「最近は王栄ばかりを呼んで、お呼びくださらないから、もう飽きてしまったのかと思ってしまいましたわ」
董卓「たまに他の女も行かないとならんのだ。皇帝として辛いところよ。ワシが愛してるのはお前だけじゃ」
何酷艶「あぁん。私もお慕いしております霊帝様ーその、今日は伝えたいことが、その御子ができたのです」
董卓「何と!?真か。でかした(入れ替わりではなく。ワシが霊帝となる時が来たようじゃ。運気が回ってきよった。涼州の辺章・韓遂の反乱を鎮めよと来ていたがあれを利用して、本当の霊帝様には御退場いただくとしよう)」
この言葉通り、董卓は霊帝となり、霊帝との子を産んだ王栄をひっ捕え、牢に閉じ込め毒による獄死を命じる。子供は霊帝が何かを言ってきた時の交渉材料として、そばに置く。王栄は、突然の霊帝の心変わりに涙を流しながら毒を喰らう日を迎える。
王栄「どうして、突然このような?」
何酷艶「貴方に飽きたのではなくて」
王栄「まさか、貴方の入れ知恵なの?」
何酷艶「さぁ。安心しなさい。貴方の子は私が生き地獄を味合わせてあげるから」
王栄「そんなことって。あぁ、何でこんなことに」
何酷艶「さぁとっとと飲みなさい」
その時、牢を打ち破り中に入ってくる男がいた。
霊帝「まさか、このようなことをしようとは。我が名は董卓、霊帝様の奥方である王栄様を助けに参った」
何酷艶「涼州の田舎武者が図に乗るでない」
霊帝「これは何進の入れ知恵か?」
何酷艶「さぁ」
霊帝「目的は達した。お前の顔は覚えた。命が惜しければ、董。ゴホン霊帝に話すでないぞ」
何酷艶「ひっ。わかったわよ。その女が宮中から居なくなるなら私はそれで良いのよ」
王栄を救い出した霊帝は董卓の郷里である涼州へと戻り、馬騰・韓遂の反乱の討伐に当たる。
王栄「董卓様、お救いくださり感謝しています。何のお礼もできませんが」
霊帝「そんなことを言わないでください」
下半身が暴れる霊帝、それを見る王栄。
王栄「それ、辛くありませんか?処理しましょうか?」
霊帝「霊帝様の奥方にそのようなことさせられません」
王栄「私は捨てられた哀れな女です。それにこれは御礼ですから」
霊帝「そんな」
霊帝の言葉を聞くよりも先に王栄により晒される下半身。
王栄「まぁ、霊帝様と同じぐらい御立派なのですね」
霊帝「まぁ本。ゴホン。大きくて恥ずかしい限りですよ」
王栄「それでは失礼しますわね」
霊帝は王栄のいつもの技の数々により、あっという間に果てる。
王栄「まだ元気ですわね。お口と胸だけと考えてたのですが、私も久々で乗ってきたかもしれません。下のお口で味合わせてもらいますね」
霊帝「それだけはおやめください。あっあぁ」
王栄「(この形にこの顔、霊帝様にそっくり!?どうして、じゃあ、あの男は誰なの?双子?霊帝様に兄弟が居るなんて聞いたことがない。でもこれだけはわかる。霊帝様が董卓を名乗っていることに何か理由がある。それなら、私は大好きな霊帝様の役にたつため董卓の妾になるだけのこと。と言っても霊帝様なんだけどね。混乱しちゃうわね。あっもう逝くのね。ほんとこの動きに弱いんだから。私も逝っちゃいそう)」
2人は抱き合いながら眠りにつくのだった。王栄を救出し、涼州へと戻った霊帝は、辺章・韓遂の反乱を鎮めるため出陣する。辺章・韓遂の反乱というが彼らよりも上で操っているものがいた、それが盗賊の宋建・王国である。2人は辺章と韓遂を人質に取り、北宮伯玉・李文侯を将軍に大規模な反乱を起こしたのだ。朝廷は初め、張温を大将に攻めたのだが敗北を喫したため、董卓に任せたのだ。
霊帝「まさか臣下たちから討伐の詔を出すべきだと言われた辺章・韓遂の反乱に俺自身が関わることになろうとはな」
華雄「安心してください。貴方の御身はこの華雄が御守り致します」
徐栄「俺も居ます」
李儒「策は必要ですかな」
霊帝「全く頼もしい仲間たちだ。行くとしよう」
韓遂らは初め董卓が来ても徹底抗戦を崩さなかったが華雄や徐栄の奮戦。李儒による離間の計により、怪しまれた韓遂が辺章と北宮伯玉と李文侯を殺して軍勢を吸収。馬騰を言葉巧みに扇動し、巻き返しを図り、陳倉城を取り囲むのだが霊帝の巧みな指揮による華雄と徐栄による奇襲を受け瓦解する。責任を党首である宋建と王国に着せ、斬首する。その後、韓遂と馬騰の些細な喧嘩で小競り合いに発展し、反乱は収束に向かう。そして、それと同じ頃、董卓が何進に毒を盛られて最期を遂げるのだった。
董卓「何進よ。これを飲めば良いのじゃな」
何進「はい、万病に効く薬でございます(悪いな。物心つく前に甥を帝位に付け、実権を握りたいのでな。邪魔なのだよ霊帝様)」
董卓が一気に飲む。
董卓「うぐっ。貴様、謀ったな。何故だ」
何進「知れたことです。甥のため」
董卓「まさか酷、艶、が。ガハッ」
何進「妹は関係ありませんよ。むしろずっと貴方様をお慕いしておりましたよ。だから俺が手を下すことになったのだからな」
だがこの後、何進も皇帝を暗殺したことにより危機感を覚えた十常侍により暗殺される。そして、霊帝が董卓となって都へと舞い戻るのである。そして劉丁義賢と運命の出会いをし、その命が呂布により救われ、女性たちを守るための駆け込み寺として劉宏寺が建立されるのである。
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