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えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。  作者: 揚惇命
3章 群雄割拠

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2年の月日が流れる

 200年に起こる曹操と袁紹による華北の覇権を決定づけた官渡の戦いを前に何とか蘆江を奪取する事に成功した劉備軍は、2年の内政期間に入ることとなる。黄巾の乱から16年の月日が経過していた。劉備と芙蓉姫の息子である劉封、関羽と胡銀怜の息子である関平。劉備の養子となった袁燿・公孫続も18歳となり初陣を控えていた。そして、それは同時に劉義賢がこの世界にタイムリープしてから16年が経ったということでもあり、32歳となった。2年という内政期間の間に劉備軍は兵糧の見直しをする事になり、屯田制とんでんせいを導入した。屯田制とは、流民や兵士に土地を与えて、耕させ生産物を地代として取るという土地政策だった。この政策により、劉備軍の兵糧は大きく潤うこととなり、荊州制圧に向けて着々と準備を進めていた。


【徐州 下邳城】


 徐州の下邳城では、久々に劉備が義兄弟や子供達と団欒の時を過ごしていた。

 劉備「劉封よ。お前も18となったか」

 劉封「はい父上。いつでも戦場に行けます」

 関羽「劉封、そう緊張する必要はあるまい」

 劉封「雲長叔父上。武者震いってやつですよ」

 張飛「ガハハ。まぁ、そんだけ軽口叩けんなら大丈夫だろ」

 劉封「翼徳叔父上。本心ですってば」

 関平「劉封のことは俺に任せてください。義兄弟として、切磋琢磨して行きますので」

 劉備「雲長、子供の巣立ちとは、こうも感慨深いとはなぁ」

 関羽「全くですなぁ」

 張飛「チラチラこっち見ねぇでくれよ。大兄者」

 劉備「すまん」

 張飛「でもよ。義賢のアレには驚いたよな」

 関羽「馬鹿者、アレで伝わるわけなかろう。確か屯田制だったか?」

 劉備「あぁ、まさか兵の一部と流れてきた流民に土地を与えて畑を耕させ、できた生産物の一部を税として治めさせ、戦で使用する兵糧を賄おうと考えるとはな」

 張飛「おうよ。アレのおかげで着々と戦に向けて準備できてんだもんな。でもよ大兄者もよく決心したよな」

 関羽「翼徳、お前は主語が抜ける癖を直さんか馬鹿者。劉表征伐の事であろう?」

 劉備「丁の言ってた事が的を得ていると思ってな。同族を攻めたくないと言うならば曹操や袁紹も攻撃できない。屁理屈だと思ったが、私は好き嫌いで動いていたのだなとな。劉表殿を殺すわけではない。あくまで、その土地を得て、曹操と対するため。そう割り切る事にしたのだ」

 関羽「大兄者の心中察するに余りあるが、その決断が良い方向に向かうと荀彧も申してあったしな」

 張飛「おうよ。まさか曹操相手に啖呵切るとはよ。大兄者から話聞いた時は思わず吹いちまったぜ。やるなってよ」

 関羽「全く大した御仁よ」

 公孫続「義父上、失礼致します」

 劉備「おお。続に燿も来たのか」

 袁燿「義父上、はい」

 劉備「続は、白馬義従の調練は済んでいるか?」

 公孫続「はい。趙雲殿の指揮下に范方と共に加わり、白馬義従の指揮を取ることとなりました。叔父上からの強い推挙があったと」

 劉備「うむ。丁が強く推したのだ。続よ。期待に応えるように励むのだぞ」

 公孫続「はい。心得ております」

 袁燿「続は良いよなぁ。俺なんて、叔父上の付き人みたいな感じだ」

 劉備「うむ。丁に燿が文句を言っていたと言っておこう」

 袁燿「あわわ。やめてください。叔父上、怒ったら怖いんです」

 劉備「ハハハ」

 この平和を全土に広げるため劉備は、同族である劉表と戦うことを決めた。


【徐州 下邳城下町】


 徐州の下邳にある城下町の鍛冶屋で呂布と呂舞が話していた。

 呂舞「そう王允殿が。兄さん、気を落としちゃダメよ」

 呂布「あぁ、穏やかな表情で逝ったよ。陳宮に利用されようとしていることをいち早く見抜き、俺のことを守ってくれた義父だ。また、俺は息子として可愛がってくれた義父を失ったのだ。これからどうするべきか?」

 呂舞「そんなこと私に聞いてどうするの?私は、ここで私を助けてくれた玄徳にぃちゃんたちのために武器を作り続ける」

 呂布「そうだったな。俺はいったいどうすれば良いのだ」

 ???「俺の秘密兵器になってもらえませんか?」

 呂布「劉丁殿!?どうしてこちらに?」

 義賢「息子の劉白がどうしても鍛冶屋に行きたいって駄々こねるもので」

 劉白「まぁ、そんなところですよ」

 呂布「そうでしたか。それで秘密兵器とは何ですか?」

 義賢「敵将を正面から粉砕する事に特化した鋭い槍みたいなものです」

 呂布「成程、確かに俺に学は無い。学のある劉丁殿と組む事で、精錬されるということか。前向きに検討させてもらいたい」

 義賢「えぇ、急ぎませんのでよく考えてお答えをくだされば構いませんよ」

 劉白は呂舞の側に行く。

 呂舞「どうしたの坊や?」

 呂舞が抱き抱えると劉白は耳元で呟く。

 劉白「舞と出会ったのは、変な奴らに追われている時だったね。アイツらが舞を買い取った権力者の雇った奴らだと言われても僕は舞を渡したくなくて追い払ったね」

 呂舞「!?嘘、ほんとに義賢なの?」

 劉白「舞、長いこと待たせてごめんね」

 呂舞「そんなこんなことって。この馬鹿!」

 劉白「いひゃい。まひゃちいひゃいからいひゃいって」

 呂舞にほっぺをつねられながらも何かを喋っている劉白。

 呂布「ん?舞のあんなに嬉しそうな顔を見るのは久しぶりだ」

 義賢「いつも怒っている顔しか見てませんけど」

 呂布「ハハハ。俺はてっきり舞は劉丁殿に気があるのかと思っていたがまさかその息子に行くとは!」

 呂舞「煩い兄さん。行ってない。こんなやつ知らない」

 劉白「てれひゃって、きゃわいいよ」

 まだ頬を軽くつねられている劉白。

 呂舞「この馬鹿!」

 呂布「ハハハハハ」

 義賢「あんまり困らせたらダメだよ劉白」

 やっと頬をつねりから解放された劉白が義賢の方を見て言う。

 劉白「父上、暫く鍛冶屋のお姉ちゃんと遊ぶから先帰ってて」

 義賢「全く遅くなったら董白に怒られるから早く帰ってくるんだよ(しょうがないよな。感動の再会ってやつだもんな。それにしてもあんなに嬉しそうな呂舞を見ていると会わせて良かったと思う。歳の差は、劉白が10歳で呂舞が22歳だから12か。問題ないな)」

 呂舞「ちょっと連れて帰りなさいよ」

 義賢「良いじゃん。将来子供できた時の訓練みたいなもんで1つ」

 呂舞「はぁ、バッカじゃないの」

 義賢は逃げるようにその場を立ち去る。そして帰ったところで、曹操が袁紹に対して大規模な軍を興し、両者が官渡にて、対峙したと聞き、曹操と袁紹による一大決戦に足並みを揃えるように、劉備軍は荊州へと侵攻を開始するのだった。舞台は、三国鼎立に向け、進んでいくのだった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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