蘆江攻略作戦リベンジ(結)
【孫策軍 本陣】
孫策軍の被害は甚大だった。持ってきた食料は全て燃やされ、兵糧庫の管理を任されていた李術は責任を感じ突撃して討ち死に、李術の死にブチギレ突撃した徐逸も返り討ちにあい、目の前で部下を2人も殺された孫策は張遼に挑むも力及ばず、祖郎の助けを得て、逃げ帰った。その祖郎も張遼により討ち取られる。その3人の死体を劉備軍は、丁寧に送ってきたのだ。
孫策「劉備軍は精強だ。今日は、潔く負けを認めようじゃねぇか。食料がなけりゃ玉砕覚悟の突撃しかねぇ。流石に俺や権が死んだら親父も復讐戦を挑むだろうが。俺は、そうしたいわけじゃねぇ。あくまで俺が天下を取りてぇんだ。だからよ。李術・徐逸・祖郎、お前達の仇を今取ることはできねぇ。すまねぇな。公瑾・権、兵を急いで取りまとめよ。これ以上は一兵卒も失うことは許さぬ」
周瑜「伯符。すまない。俺がもう少し、相手の策を完全に読み切れていれば」
孫権「兄上、この雪辱は必ず果たしましょう」
孫策「あぁ、凌操・鄧当、お前達の子や義弟まで来てくれていたのにこんな結果になってすまねぇな。全く不甲斐ない若虎ですまねぇ。どうやら俺も小覇王なんて呼ばれて舞い上がってたみてぇだ」
凌操「倅のことを気にかけてくださるとは。また機会もありましょう。劉備軍の更なる追撃の前に今は迅速に撤収するべきでしょう」
鄧当「呂蒙のことを気にする必要はありませんぞ。今は、皆で、建業に帰ることが大事です」
孫策「あぁ、そうだな」
周瑜「(ここまで気落ちした伯符を見るのは、初めてだ。自分を守った臣下の死によっぽど堪えたようだな。俺がもっと相手の策を完全に読み切っていれば、この雪辱は必ず果たしてやる。俺を怒らせたことを覚悟しておけ劉備軍よ)」
孫策軍は、これ以上の戦の継続を下策と判断し、軍勢を取りまとめて、撤退した。これに対し、義賢は、追撃をしなかった。
【劉丁軍 本陣】
陳応「どうして、追撃しねぇんだよ」
趙雲「やめよ陳応。劉丁様、申し訳ありません」
義賢「逃げる敵の背を追い討ち何の意味があるのだ？我々の狙いは、あくまで蘆江の奪取。孫策軍が諦めて、引くというのであれば、追い討ちに兵を割く必要はない」
陳応「そんなんじゃ、従兄弟を殺された俺の怒りはおさまらねぇ」
義賢「陳応殿。何か勘違いしていないか？戦場に出たのなら殺される覚悟を持て、そんな覚悟もないような者達だったのか？お前の従兄弟は？」
陳応「！？違う。アイツらは孫策相手に立派に戦って、そして力及ばなかった」
義賢「それに勝敗は兵家の常だ。だが復讐に囚われてはならない。復讐は更なる復讐を呼ぶだけだ。陳応殿、確かに俺も兄上を殺されたのなら復讐に囚われるかもしれん。だからお前のその気持ちがわからないわけではない。だが無用な惨殺は更なる悲劇を呼ぶだけだ。徐州で殺戮を繰り広げ、多くの者に恨まれた曹操のようにな」
陳応「無礼な口を聞き、申し訳ありませんでした」
義賢「陳応殿、わかってくれれば良いのだ」
呂布「これからどうするつもりだ」
義賢「蘆江城を包囲する」
黄忠「心得ましたぞ」
義賢は、孫策軍を退けると蘆江を包囲したのである。
【蘆江城】
劉勲「えぇい、孫策も役に立たんかったな。まだまだ元気ではないか劉備軍め」
袁胤「ヒッヒッヒ。我らが帝を殺した悪虐の徒を殺す殺す殺す殺す」
橋玄「(狂っている。このままでは、我らも巻き込まれかねん。孫策軍を軽くあしらうほどであれば、劉備軍に降伏するべきであろう。劉備といえど、我が娘たちを見れば、虜となり、取り立ててくださるはずじゃ)」
陸康「(ほほぅ。孫策軍を軽く退けるとは、劉備軍、存外やるでは無いですかな)」
陸績「(かつて、袁術の援軍要請で、蘆江を攻めてきた孫策を追い払うとは、劉備軍とは、こうも精強であるか)」
劉勲「鄭宝、出迎えてやれ」
鄭宝「おぅよ。賊である俺を迎え入れてくれた恩は返さねぇとな」
包囲を打ち破るため、鄭宝率いる賊が城より打って出てきたのだ。
義賢「馬鹿なのか？この兵数を相手にあんな少量で突撃するなぞ。趙雲将軍・黄忠将軍、出てきた兵を取り囲む排除せよ」
趙雲「承知しました」
黄忠「おぉ心得ましたぞ」
趙雲と黄忠により、鄭宝は簡単に取り囲まれる。
鄭宝「おいおい、待てよ。こんなの聞いてねぇぞ。なっなっ落ち着けって、そうだ俺を雇ってくれよ。なっなっ。ってへ？なんじゃこりゃあ」
命乞いをする鄭宝の額を3本の矢が貫いていた。
黄忠「全く聞くに耐えんわい。裏切りを続けたやつを迎え入れると思っておるのかのぅ」
趙雲「全くだな」
額から血を流し絶命する鄭宝を見て、賊たちは散り散りに逃げようとするが趙雲配下の陳応・鮑隆・樊玉鳳らに取り囲まれ一網打尽にされる。
賊徒A「鄭宝様が負けるなんて、俺たちが敵うわけがねぇ。逃げるぜ」
鮑隆「どこに行こうってんだよ」
賊徒A「こっちはダメだ。そっちは？」
陳応「おいおい、逃げられると思ってんのか」
賊徒B「こっちもだめだ。そっちは？」
樊玉鳳「ここから先へは行かせません」
賊徒C「良い女だ。上玉じゃねぇか。オメェらこっちに来い。この女を捕まえて、高値で売るぞ」
賊徒たちが樊玉鳳の元に集まる。
鮑隆「あーあ、アイツら馬鹿だろ」
陳応「よりにもよって、1番、近づいてはいけないお人に行くとはな」
群がる賊徒たちを新武器雌雄双槍で片っ端から切り刻み、返り血で樊玉鳳の服が染まっていく。
賊徒D「ヒィー、化け物」
樊玉鳳「あらあら、もうおしまいかしら？全然物足りないのだけど」
最後に残った賊徒も容赦なく討ち取られる。
陳応「樊玉鳳姐さん、ちっとは、俺たちにもおこぼれ残しといてくださいよ」
鮑隆「陳応、無理だろ。あぁなった姐さんを止められるのは、趙雲様ぐらいだろう」
樊玉鳳の周りには、千を超える屍が築かれていた。1人で、それだけの兵を涼しい顔をして、返り討ちにしたのだ。血塗れの玉鳳の再来である。
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