汝南黄巾軍との戦い再度のリベンジ!
前回の時、張宝を撤退させるのに脚を射る事にしたがもう一つの真実に気付いた今、脚を射て、張宝ラブの波才の怒りを買う必要はないだろう。それに恐らく女性である事にも気づいたし女性は傷つけたくないんだよなぁ。前回は知らなかったとはいえ、支えられないと立てないぐらいの痛手与えちゃったわけだし、矢文にて知らせるのが1番だな。そう思い立った俺は、文に『張角殿の病を治す太平清領書の在処について心当たりがあります。広宗にて会談を申し込みたい。できれば張角殿・張梁殿・張宝殿の3人と。劉備義勇軍軍師劉義賢』としたため矢にくくりつけ張宝の側に山なりに放った。もう一つは龔都宛だ。内容は『唐周と卞喜に気をつけておかないと義兄弟が死ぬ可能性があるぞ』と。後は気付いてくれるかだよな。
黄巾兵「矢が飛んでくるぞ」
黄巾兵たちがしゃがんで回避する。その矢が張宝の足元に落ちる。
張宝「ん、なんだコレは?。!?」
波才「張宝様、どうしたんですか?」
張宝「フフフ。天はまだ兄上をお見捨てになっていなかったのですね。波才、この場は黄巾の負けとします。撤退の準備を。龔都、この手紙を書いたものに投降し、広宗への裏道に案内するのです。そしてこう伝えなさい。貴方の言葉を信じて広宗にてお待ちしていますと。そしてもう一つの文はお前宛でしたよ」
波才「張宝様の仰せのままに。全軍広宗に撤退せよ」
龔都「へい。俺にでやすか?。!?」
張宝様がこんなに綺麗に笑う姿を久しぶりに見たでやす。それに俺の義兄弟たちが危ないと矢文を書いた劉義賢とはいったい何者でやすかね。楽しみでやす。
張宝「私もですよ。龔都」
龔都「!?」
張宝「フフフ」
波才「張宝様、撤退の準備万事整いました」
張宝「ゴホン。全軍、兄上がピンチとのことだ。この場の戦闘はここまでとするぞ。広宗に向け転身」
黄巾兵「はっ」
張宝たちが撤退した後、龔都はその場にて劉義賢とやらが来るのを待っていた。
義賢「龔都だな」
龔都「流石でやすね。会ったことないのにわかるとは畏れいやした」
義賢「張宝殿はなんと?」
龔都「貴方の言葉を信じて広宗にて待つとのことです」
義賢はその言葉を聞くとホッと胸を撫でおろした。
義賢「龔都、お前の義兄弟たちは?」
龔都「大丈夫でやす。俺もアンタの言葉を信じて、アイツらに頼んでおいたので」
義賢「どうして、信じられる?」
龔都「張宝様でやすがね。憑き物が落ちたみたいに穏やかになったんでやす。そうさせたのが俺たちでないのが残念でやすが張宝様を穏やかにさせてくれたアンタの言葉なら信じる価値があると思っただけでやすよ」
義賢「かたじけない」
華雄「これはいったいどういうことだ?」
義賢「華雄殿?」
華雄「どうして俺の名を?それ今はいい。お前が黄巾を撤退させたのか?」
義賢「はい。申し遅れました劉備義勇軍にて軍師を務めています劉丁義賢と申します」
華雄「そうか。劉丁殿、助かった。このままだったら董卓様が討たれていたかもしれぬ。まともな戦いなら負けんが妖術相手ではな」
義賢「未知の技に困惑するのは当たり前です。気にしなくてよろしいかと。ところで華雄殿も共に広宗へ向かいますか?」
華雄「いや、我が軍は壊滅的打撃を受けた。これ以上の継戦は不可能だ。残念ながら軍備の増強も兼ねて撤退する事になるだろう」
義賢「いえ、俺は董卓軍ではなく貴方に聞いてるのです」
華雄「どういうことだろうか?」
義賢「皇甫嵩殿にこの後広宗へ援軍に来るようにと言われていたのではないですか?」
華雄「!?。何故そのことを?」
義賢「ただの推察です」
華雄「ふむ。俺だけついていくということか?李傕・郭汜」
李傕と郭汜が義賢と龔都を背後からプスリと行こうとしていたのを華雄が止めたのだ。
李傕・郭汜「ギクッ。なんだよ華雄の旦那」
華雄「見えていないとでも思っていたのか?全く油断も隙もないな」
李傕・郭汜「チッ」
華雄「失せろ。この者たちは朝廷を思い立ち上がった士だ。闇討ちなど許さぬ」
李傕・郭汜「ヒィーーーーーーーー」
華雄の怒気を込めた一喝に李傕と郭汜が一目散に逃げていく。
華雄「口程にもない小物が。徐栄、董卓様に伝令を頼めるか?」
徐栄「華雄殿、心得ました。確かにその方が皇甫嵩殿にも角が立ちませんから董卓様もお認めになるかと」
華雄「うむ。よろしく頼んだぞ」
徐栄「はっ。劉丁殿、華雄殿のことを宜しく頼みます」
義賢「はい。お預かりいたします」
徐栄が立ち去ると関羽と張飛が先にこっちに到着した。
張飛「クソーもう少しで敵将討てたんだけどなぁ。流石に背後を討つなんて真似できねぇよ」
関羽「うむ。某もそのような義に反することできぬ」
どうやら張飛殿や関羽殿が対峙していた厳政や高昇も撤退したようだ。
関羽「この偉丈夫は誰か?」
義賢「この方は中郎将董卓殿の麾下で華雄殿です」
関羽「中郎将殿のこれは失礼な物言い失礼した」
華雄「構いませぬ。今は一客将に過ぎませんから」
関羽「一客将?」
華雄「えぇ、董卓軍は壊滅的打撃を受けて撤退をする事になったがこの者が俺だけ誘ってくれたのでな。お供させていただく事にしたのだ」
関羽「ほほぅ。偉丈夫は大歓迎ぞ」
張飛「へぇー根性のあるやつは好きだぜ」
華雄「お2人ともよろしく頼む」
そこに劉備たちが合流した。
太史慈「暴れたらん」
義賢「ならこのまま広宗まで御一緒にいかがですか?」
太史慈「良いのか?」
義賢「兄上、華雄殿も太史慈殿も構いませんよね?」
劉備「大歓迎だ。お2人ともよろしく頼む」
太史慈「ありがたい」
華雄「ありがとうございます」
前回と違い太史慈殿と華雄殿も加えて広宗へと向かう劉備義勇軍であった。
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