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えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。  作者: 揚惇命
3章 群雄割拠

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孫策vs劉繇(序)

 孫堅軍は、南海から豫章へと侵攻を開始した。豫章を守る劉繇は、兄である劉岱を曹操に殺されたことをきっかけに曹操を恨んでいて、配下の者たちの曹操に降伏するべきだという声を黙殺し、孫堅と事を構えることとなる。孫堅軍の大将を預かり豫章を攻めることとなったのは、嫡男である孫策とその弟孫権であった。孫策には、幼馴染であり、軍師でもある周瑜公謹シュウユコウキン蒋欽公奕ショウキンコウエキ周泰幼平シュウタイヨウヘイ陳武子烈チンブシレツ・凌操・鄧当・叔父の呉景・従兄弟の孫賁・呂範子衡リョハンシコウ・兪河伯海改め孫策より孫性を与えられた孫河伯海が付き従っていた。孫策による江東にて覇を唱える戦いが幕を空ける。劉繇軍の先鋒を務めるのは、于糜・于茲・樊能・張英の4人を派遣し一大決戦に及ぶ。負ければ豫章の陥落は避けられない大きな賭けであった。しかし、この一大決戦は、半日と持たず孫策軍の大勝利となる。蒋欽・周泰・陳武・凌操により、4将が討ち取られたのだ。兵の多くが孫策への恭順を示す結果となり、劉繇にとって豫章を失う痛手となった。


【豫章】


 于糜「この地を劉繇様から預かったものとして、侵略者である孫堅なぞに渡すわけには行かぬ。必ずや打ち勝つのだ」

 于茲「兄貴、気合い入ってんなぁ。うっし、俺も張り切るとするぜ」

 樊能「我ら劉繇四天王が相手をしてやろうぞ」

 張英「かかってきやがれってんだ」

 孫策「へ〜劉繇四天王ってことは、テメェら強いんだよなぁ。だったらこの俺、孫伯符と一騎討ちしてくれや」

 于糜「面白い、いきなり大将自ら一騎打ちに臨むとは、猪武者で助かるというものだ」

 孫策「うっ確かにこの強さ本物だ。流させてもらうぜ」

 于糜「待て、一騎討ちを挑んでおきながら逃げるとは、許せん。追うぞ」

 孫策は、周瑜により策を言い渡されていた。

 周瑜「伯符、君が前線で戦いたいってのは、十分理解しているつもりだ。だが、今回は負けた振りをしてもらうよ」

 孫策「俺が負けた振り!?公瑾、お前の頼みでもそりゃねぇぜ」

 周瑜「この戦いの重要さを知っているのかい?我々は、極力相手兵士を倒さずに支配下に収めていく必要があるんだ。そうしなければ、今後我が軍の拡大は望めないだろう」

 孫策「何、言ってんだよ公瑾?」

 周瑜「殿が交州に来て、兵の鍛錬に時間を要した期間は4年。迅速な準備といえます。ですがその間に、劉備は徐州を手にし、寿春にまで手を伸ばしました。今、危険と感じた曹操と袁紹による侵攻を受けている。これが落ち着くと劉備の次なる攻め先は、蘆江を取って荊州に向けるはず。殿は、怪しい出の劉備との同盟を必要と考えるあまり、戦とはならない。寧ろ、劉備に娘を差し出すなんて事をするかもしれない。そうなれば、ますます、我々は天下へと打って出ることは叶わない。伯符、君のことだ揚州だけで満足する男ではあるまい?」

 孫策「勿論だ。そうなると劉備よりも早く蘆江を抑えて、その進軍を妨害し、俺たちが荊州を取る必要があるってことか?」

 周瑜「あぁ、そのためにも、育った兵は重要だ。鍛錬する必要がないからね。それを使って、揚州各地を制圧して、蘆江で独立した劉勲リュウクンを討たないとならない」

 孫策「了解だ公瑾」

 こうして、孫策は負けた振りをして、4将を釣り出すことに成功したのである。

 于糜「もう逃げられんぞ孫策」

 孫策「ハッハッハ。釣り出されたとも知らずに馬鹿な奴らだ。野郎ども、思う存分やってやれ」

 蒋欽「さてさて、相手してもらおうか」

 周泰「、、、相手をせよ」

 陳武「暴れてやるぜ」

 凌操「若者たちよ。逸るでないぞ」

 于茲「まさか、釣り出し!?」

 樊能「俺たちの兵が誰もついてきていない!」

 張英「いつから我らの兵は付いてきていないのだ」

 孫策「そんなことも知らんとはな。馬鹿で助かったぞ」

 于糜「えぇい、目の前の邪魔者を倒せば済む話であろう。やるぞ」

 周泰「、、、どこにも行かさん」

 于糜「傷だらけの男か。その傷をもっと増やしてやろう」

 周泰「、、、周幼平だ」

 于糜「于糜だ。かかってくるが良い」

 于糜の剣が周泰の肩に突き刺さるがそれを無視して、周泰による一閃が炸裂する。

 于糜「馬鹿な!?剣が刺さって痛みも感じず迎撃の態勢に入るだと!?」

 周泰「、、、さらばだ于糜」

 于糜「グフッ」

 周泰は、小さい時から身体中に父親による暴行で、傷を負うあまり、心を無くし痛みを感じなくなってしまった。それゆえ致命傷以外の傷で死ぬこともない。それゆえ、致命傷を避けて相手の攻撃を受けた後にカウンターによる一閃で処理する戦い方を得意とするようになった。

 于茲「嘘だろ兄貴!」

 蒋欽「余所見をする余裕があるのか」

 于茲「ウルセェ。とっととどきやがれ。この于茲が兄貴の仇をとんだよ」

 蒋欽「面白い、この蒋公奕を倒せたらな」

 于茲「どけっていってんだろうがよ」

 蒋欽「どうした、怒りに任せた攻撃で俺を打てるとでも?オラァ本気出せや」

 于茲「ヒィー」

 蒋欽のドスの聞いた声に驚く于茲。

 蒋欽「テメェよ。何が劉繇四天王だ。オラァ。テメェより強い奴なんざゴロゴロといんだよ。このゴミカスが」

 于茲「ギャァ。痛い痛い」

 蒋欽「おい、もっと楽しませてくれや。なぁ。おい。おい。もう終わりか」

 蒋欽は、なぶり殺しを得意としており、相手の心を完膚なきまでにへし折り、致命傷を与えない程度にダメージを与えて、相手の闘争本能を呼び起こそうとするのだがお眼鏡に適った者と未だ出逢えていない。

 樊能「こりゃ無理だ。流させてもらうぜ。へっ?ゴフッ」

 陳武「誰が逃げて良いって許可したんだ。あぁ。舐めてんじゃねぇぞ。オラァ。オラァ」

 樊能「ゴフッ。グフッ」

 陳武「雑魚が図に乗んじゃねぇよ」

 陳武、孫策の切込隊長を務める男。いつも背水の陣を敷き決して逃げない。それゆえ、すぐ逃げようと考える奴を見ると後先考えずに後ろから刺し殺す暴れん坊である。

 張英「待て待て、嘘だろ。アイツらは間違いなく劉繇様の配下の中では兵だ。それが一瞬で?コイツら化け物かなんかかよ」

 凌操「どこに行かれるつもりか?この凌操の相手をしてもらおう」

 張英「なんだこのオッサン。アイツらよりてんで弱そうじゃねぇか。この俺が討ち取ってやるぜ」

 凌操に突撃した張英は次の瞬間吹き飛ばされ歩兵たちの盾に身体を強く強打した。

 張英「へっ?俺の身体が飛んでる!?イテェ」

 凌操「久々で力の加減に難ありですな。申し訳ない。次は、大丈夫ですぞ」

 張英「、、、」

 凌操「張英殿?やってしまいましたかなこれは!」

 張英は、泡を吹いて絶命していた。あの距離を吹き飛び盾に強打したのだ。身体のあらゆるところが粉々になっていた。凌操、怪力無双と称される男。時に力加減を間違うこともある。哀れ張英。

 孫策「よっしゃあ、これで豫章は、俺たちのもんだ」

 豫章の失地を知った劉繇は、呉にて、待ち構えることとなる。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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