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えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。  作者: 揚惇命
3章 群雄割拠

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そして舞台は揚州の孫堅へ

 張宝が話し合える。

 劉備「そうか、我々が救援に向かおうとした後も兄弟子は、耐えていたのだな。救い出せたかもしれんと思うと申し訳ない気持ちになる」

 荀彧「殿、救援に向かおうとした事実が大事なのです。我々は同盟勢力・友好勢力を見捨てないという最高の表現となります。それに公孫瓚殿は、殿の施しを受ける方ですか?」

 劉備「いや、兄弟子のことだ。決して受けないだろう。だが、救えたかもしれない兄弟子を救えなかったという自分自身に腹が立っているだけなのだ」

 義賢「兄上、致し方ないことです。勝敗は兵家の常です。袁紹が公孫瓚殿より上回っていたということでしょう」

 劉備「そうだな」

 荀彧「それにしても公孫度殿とも繋がりがあったのですね」

 劉備「あっあぁ。あれは、確か徐栄が我が妻子たちを護衛して、小沛へと連れてきてくれてすぐのことであった」

 そこに徐栄が子供を追って入ってきた。

 徐栄「こら襲。ここは殿が大事な話をしているのだ。勝手に入るでない」

 徐襲「パパが鬼なのだー。うっうわーん」

 徐襲は勢い余って、劉備にぶつかりこけて泣き出したのである。劉備は、優しく抱き抱える。

 劉備「泣くでない。私は、怒ってなど居ないぞ」

 徐襲「ごめんなさい。ごめんなさい」

 劉備「気にするな。子供は元気なのが1番だ。さぁ、パパの元へと戻るのだ」

 徐襲「はぃ」

 徐栄「殿、我が愚息が申し訳ありません」

 劉備「気にするな。元気で何よりだ。今、ちょうど徐栄の話をしていたのだ」

 徐栄「俺の?」

 劉備「あぁ、徐栄が紹介してくれた公孫度の話をな」

 徐栄「そうでしたか。あれは、確か。殿が小沛を手に入れてすぐのことでしたな」

 劉備「うむ。徐栄が合わせたい人が居ると連れてきたのが公孫度であったな」

 徐栄「そうです。俺が遼東にいた頃に世話になっていたんですがその時は、貧乏な出で地位も低かったのですが。俺が霊帝様に仕えた時に太守に推挙したことが縁で、あの時も兵を貸し与えてくださるなど世話をしていただいたので、是非殿にも紹介をと」

 劉備「会った時になんと物腰柔らかい老紳士だと思ったものだが袁紹に一敗喰わせるとは、面白い人であるな」

 徐栄「公孫度殿は、幽州の制覇では無く、早くから中原に目を向けておりましたから」

 荀彧「成程、袁紹を小物だと思っていた公孫度殿が打ち破った理由がわかりました」

 劉備「どういうことだ?」

 義賢「簡単な話ですよ」

 荀彧「えぇ、実に簡単なことです。遼東という地は、周りを異民族に囲まれています。取れば、守る兵を必ず割かなければなりません。その愚を自ら犯す袁紹のがより小物だったというだけです。それにしても公孫度殿も同じ考えとは、この広い領土を統べるには中原の制覇が欠かせません。その点で言えば今現在は、曹操が一歩抜きん出ていると言えるでしょう」

 劉備「何故、中原がそれほど大事な要地なのだ?」

 義賢「兄上、本気で言ってます?」

 荀彧「御教示致しましょう。中原は、人口と食糧生産において抜きん出ているのです。それらを統べるということは、即ち天下に最も近くなるということです。殿は、今や河北という広大な領地を治める袁紹。中原という肥沃な土地を治める曹操と北に行くには、現時点では無謀と言えましょう。それに何もしないのであれば滅ぼされる運命であるとも言えます」

 劉備「それは、まずいではないか」

 義賢「兄上、危機感無かったんですか?そりゃそうですよね。危機感ある人が荊州を治めているのが同族だから攻められないとか言えませんよね」

 劉備「うぐっ」

 荀彧「劉丁殿が冷静なお陰で殿は、何度も救われているのでしょうね。それゆえ、我々は、次に張宝殿が話してくれる揚州情勢次第では、更なる危機を迎えるかも知れません」

 劉備「どうしてだ?同盟相手である孫堅殿が大きくなっていることは喜ぶべきことではないか?」

 荀彧「孫堅殿の間は、大丈夫でしょう。ですが孫堅殿の息子である孫策は、中原への野望を持っていると聞き及んでいます。いずれ、殿と袂を分ち攻めてくるやも知れません」

 義賢「だから一刻も早く、荊州を抑え、蓋をするのが良いんですよ。抜け道が無ければ、背を打たれる心配はありませんから」

 荀彧「えぇ、荊州・益州を抑えて、揚州を取り、天下を二分する。それこそ殿が曹操と渡り合える機会と言えましょう」

 劉備「それで私に何度も荊州征伐を進言していたのだな。当然、私の大望は、献帝様をお救いし漢室を復興することだ。そのためなら、もう迷わない。蘆江を取り、荊州を取り、益州を取り、献帝様をお救いする」

 荀彧「殿が決心してくださり一安心です」

 劉備「あぁ、丁・荀彧、頼りない私を支えてくれ」

 義賢「はい兄上」

 荀彧「誠心誠意お支え致します」

 劉備「張宝殿、続きを話してくれ」

 張宝「はい。次は揚州について見聞きしたことをお話しさせていただきます」

 義賢「(蘆江を孫堅殿が抑えていないことはわかっているがこの揚州情勢次第では、荊州攻略の際に孫策・孫権の動きに気にしなければいけなくなる。情報は多いことに越したことはない。できれば、まだ寿春と蘆江を含む揚州制覇を成し遂げていなければ良いのだが。武門の誉とされる孫家だ。とっくにとっているだろうな)」

 この揚州の結果が荊州攻略を目指す劉備にとってどうなるか。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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