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えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。  作者: 揚惇命
3章 群雄割拠

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第二次徐州の戦い(転)

 曹操本隊が呂布の兗州急襲により、撤退したことにより、小沛攻防戦は、膠着状態となった。関羽率いる東海・瑯琊攻略組も動き出していた。東海を守る将は、孔秀コウシュウ韓福カンフク孟坦モウタンであった。

 関羽「先ずは、東海を抑える」

 張飛「兄者は、北海まで、休んでてくれ。鮮于輔・太史慈、東海を守っている3人を討つぞ」

 鮮于輔「了解した」

 太史慈「承知」


【東海】


 東海では、劉備軍の到来に驚いていた。曹操が攻め込んだと聞いていたのがここにいるのだ驚かないわけがない。

 孔秀「何故、ここに劉備軍が」

 韓福「わからんがこうしている間にも城に迫ってこよう」

 孟坦「何とかせねばなりません」

 孔秀「迎え撃つしかあるまい」

 しかし、この判断は遅かった。関羽を総大将とした電光石火による進軍で、門が閉まる前に中へと雪崩れ込み。次々と将を討ち取ったのである。

 韓福「グワァー」

 孟坦「ギョェーーーー」

 鮮于輔「敵将、討ち取った」

 太史慈「敵将、太史子義が討ち取った」

 孔秀「もうここまで来ていたというのか。ガハッ」

 張飛「おいおい、全く歯応えがねぇぜ。敵将、張翼徳が討ち取った」

 一瞬にして東海を手中に収めると瑯琊へと進軍する。

 関羽「良し東海は抑えたな。次は、瑯琊へと進軍するぞ」

 張郃「今度は、この張儁乂にお任せを。高覧・麴義・潘鳳、瑯琊を落とすぞ」

 高覧「あぁ」

 麴義「うむ」

 潘鳳「おぅ」


【瑯琊】

 瑯琊では、東海が落ちたことにまだ気付いていなかった。そこに劉備軍が現れたのである。この瑯琊を預かる将は、卞喜・王植オウショク秦琪シンギ蔡陽サイヨウである。

 卞喜「小沛での扇動に失敗したが夏侯惇様の口利きで、この瑯琊を預かる将の1人にしてもらえたのだ。ここで何としても劉備軍を食い止めねば」

 王植「だが、どうやって防ぐのだ」

 秦琪「夏侯惇様に見出していただいた恩を返さねば、ここは何としても死守する」

 蔡陽「あれは、何だ」

 王植「もうここまで到達したというのか」

 秦琪「早く門を閉めて、防備を固めるのだ。ガハッ」

 麴義「敵将、討ち取ったぞ」

 蔡陽「貴様、よくも秦琪を。グハッ」

 潘鳳「余所見している余裕があるとはな。敵将、討ち取った」

 王植「早く門を閉めるのだ。ギャァ」

 高覧「閉めさせるかよ。敵将討ち取った」

 卞喜「クソ、こうなればこの卞喜が流星錘りゅうせいすいで相手してくれよう」

 張郃「ほぅ手練れであることを願うぞ」

 卞喜「舐めやがって、これでも喰らえ」

 張郃「ガッカリさせてくれるなよ。終わりだ」

 卞喜「そんな流星錘が全く通用しないだと。認められぬ。ガハッ」

 張郃「敵将、卞喜。張儁乂が討ち取った」

 瑯琊も関羽を総大将とする電光石火の進軍を前に落とされてしまった。そして、その勢いのまま。袁紹軍が兵を集める北海へと進軍を進めるのである。

 関羽「良し、東海と瑯琊を落としたな。この勢いのまま、下邳の兄者の元に迫ろうと考えている袁紹軍を完膚なきまでに迎撃する」

 張飛「おぅよ。大兄者に牙向いたこと徹底的に思い知らせてやらないとな」


【北海】


 文醜「良し。兵も集まったな。進軍を開始するとしよう」

 顔良「よっしゃあ。精強な劉備軍、楽しみだぜ」

 そんな袁紹軍は、驚いていた。攻めるはずであった自分たちが防衛戦をする羽目になっているのである。だが、外に布陣してしまっていたのだ。これでは、平地での戦いとなる。

 田豊「関羽殿。文醜と顔良は、強い者と戦いたがる戦闘狂です。ここは名乗りを上げて釣り出すのが良いかと」

 関羽「うむ。我が名は関雲長。腕に覚えがあるのならかかって参られよ」

 顔良「アイツが劉備軍の両雄の1人関羽か。生意気なやつめ。この顔良が相手してやる」

 田豊の言った通り、敵将が関羽と知るや突撃する顔良。その顔良を打ち合うこともなく青龍偃月刀により真っ二つにする関羽。

 顔良「何だこの化け物は、袁家の両雄と言われしこの俺がまるで赤子同然だと。こりゃ敵わん。引かせてもらおう」

 関羽「逃がさん」

 顔良「ヒィーーーーーーーー。ギャァ」

 関羽「何だ!袁紹軍の両雄とは、この程度なのか。敵将、顔良。関雲長が討ち取った」

 沮授「関羽殿、顔良を討たれたことで、激昂した文醜も釣り出されるはず。頼みましたぞ」

 関羽「うむ。この関雲長に挑む者は、もう居らぬのか?腰抜けの袁紹軍よ」

 文醜「馬鹿な!顔良が1合も打ち合うこともなく打たれるなどありえん。しかも好き勝手言いやがって、顔良の敵討ちは、この文醜がしてくれるわ」

 逢紀「あぁ。遅かったか。ここで文醜殿まで失うわけには、何としても関羽に勝ってくだされ」

 逢紀が着いた頃文醜は、関羽へと突撃した後であった。その文醜を青龍偃月刀の一振りにて真っ二つにする関羽。

 文醜「何と恐ろしい男だ。こんなことなら顔良と2人がかりで挑むのであった。顔良、すまぬ。敵討ちできなんだ。こんな化け物が劉備軍にいようとは。ガハッ」

 関羽「何だ何だ。袁紹軍の両雄とは、この程度か!敵将文醜、関雲長が討ち取った」

 逢紀「こんなことがあって、良いわけがない。顔良殿だけでなく文醜殿も失うなど。これが現実だというのか。恐るべし、劉玄徳の義弟関雲長。急ぎ袁紹様に報告せねばなるまい。やむおえん。全軍北海を放棄して、并州へと引くのだ」

 関羽「1兵たりとも逃すな。追撃を開始するのだ」

 袁紹軍は、文醜と顔良を失っただけでなく兵の大半を失い北海を放棄して急いで并州へと逃げるしかなかった。意趣返しに攻めた劉備に袁家の両雄を失うという悲劇だけでなく兵の多くも損失した。袁紹軍の下邳への攻撃は、未然に防がれただけではなく北海を失地する大敗北を喫した。関羽軍の電光石火と呼ばれる進軍の前に、東海・瑯琊・北海の三郡が落ちたのである。これで、荀彧が義賢に言ったとある策を進行することができるようになった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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