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えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。  作者: 揚惇命
3章 群雄割拠

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小沛に店を開いた鍛治師の女性

 小沛の城下町に女性が来訪した。その女性は、鍛冶屋を開くと数日もしないうちに腕の立つ鍛冶師と評判になり、多くの兵士が御用達となっていた。この女性に心当たりのあった義賢は、劉備・関羽・張飛と共に来訪する事にした。

 義賢「やっぱり、お前だったな舞」

 呂舞「義賢、元気そうね」

 劉備「舞殿、久しいな。黄巾の乱以来か」

 関羽「舞殿に作ってもらったこの青龍偃月刀は、とても扱いやすい。感謝している」

 張飛「鍛治師って聞いて、もしやと思ってな来てみて正解だったぜ」

 呂舞「玄徳にいちゃん・関羽殿に張飛殿、久しぶり。武器見てやる。渡せ」

 皆、武器を呂舞に渡す。

 呂舞「流石玄徳にいちゃん、手入れが行き届いてる。関羽殿と張飛殿も問題ない。それに引き換え義賢、お前のは、なんだ剣の部分は錆び錆び、これじゃ命失うぞ馬鹿。研いでやるからこれは預かる」

 義賢「わっわかった」

 兄上も雲長も翼徳もいつの間に手入れしてたんだ?そこに樊玉鳳と孫軟児が通る。

 樊玉鳳「ここが噂の鍛治師がいる店か?」

 孫軟児「そうみたいだね。さっそく趙雲の武器作ってくれるか頼んでみなきゃ」

 樊玉鳳が劉備たちに気付く。

 樊玉鳳「殿も鍛治師に用でしたか?これは失礼しました」

 劉備「いや気にするな。今は公務では無いのだ。そう畏る必要はないぞ。して隣の女性は?」

 樊玉鳳「こちらは」

 樊玉鳳がそこまで言ったところで、横からスッと出てきて自己紹介をした。

 孫軟児「あっ趙雲がお世話になってます。妻の孫軟児と言います。よろしくお願いします」

 劉備「趙雲の妻であったか。こちらこそよろしく頼む」

 張飛「子龍のやつもすみにおけねぇな。こんな可愛い妻がいながらもう1人ってよ。俺は、月姫以外娶るつもりはねぇぞ」

 関羽「翼徳よ。一途なのは、お前の良いところだ」

 張飛「兄者、ヘヘッ。ありがとよ」

 呂舞「武器の注文?どんな武器?」

 孫軟児「とにかく大きな槍と投げても手元に帰ってくる槍」

 樊玉鳳「そのような抽象的な表現でわかるはずないでしょう」

 呂舞「とにかく大きい槍か!そうだな。長さ9尺ぐらいでどうかな」

 孫軟児「うんうん。趙雲なら使いこなせるはず。それでお願い」

 呂舞「贈り物だね。精一杯作らせてもらうよ。で、もう一個の方だけど投げて手元に戻る槍ねぇ。うーん、手首に装着できる何かを作って、そこから紐状のもので槍を繋ぐ、でもそれだと遠くの敵を狙うのに適さないか。いや、待て。手首の装置で巻取り式にして、小さい槍を5本ほど繋いだらどうだろう。巻取り式だから5本あれば。投げて巻き取ってまた投げてってできるんじゃないか。これは腕がなる」

 孫軟児「すご〜い、そんなの作れたら趙雲が無敵になるよ。是非お願いします」

 呂舞「できるかわからないけどやってみるよ」

 樊玉鳳「私の武器もお願いしたいのですが」

 呂舞「注文品は、時間かかるけどそれでも良いなら」

 樊玉鳳「勿論です」

 義賢「それにしてもお前、生き別れの兄を探して飛び出したんじゃなかったのかよ。ここに腰据えて良いのかよ」

 呂舞「義賢、煩い。武器の手入れもできない馬鹿は、ちょっと黙ってて」

 義賢「ぐっ」

 そこに黄忠が甘寧を連れて、やってきた。

 黄忠「ここが噂の鍛冶屋ですかな」

 甘寧「爺さん、ホントに俺の武器も新調するのかよ」

 黄忠「当たり前じゃ。安心せい。お前が妹と再会できた祝いじゃ。ワシの奢りじゃ」

 甘寧「ったく。そんなことしなくて良いのによ。爺さんには、頭あがんねぇぜ」

 2人も劉備たちに気付く。

 黄忠「殿も鍛冶屋に来ておられたとは、申し訳ございませぬ。我々はまたにしようぞ」

 甘寧「おぅ。そうだな」

 劉備「2人とも今は公務ではないのだ。そう畏るな。馴染みの者だったのでな開店祝いにきただけなのだ。遠慮なく頼むが良い」

 黄忠「そういうことなら。遠慮なく、頼むとしましょうぞ」

 呂舞「注文品が多い日だな。どんな武器?って、その弓見せてくれ」

 黄忠「ワシの弓がどうかしたのかのぅ。まぁ良いが」

 黄忠が呂舞に弓を手渡す。

 呂舞「なんて、手入れの行き届いた弓なんだ。こんなに使い込んでもらって、この弓も喜んでるよ。良い物を久々に見た。良し、こんな良い物見せてくれた礼だ。半額で受けてやる。なんでも良いな」

 黄忠「弓見せた程度で半額なんぞにして良いのか?」

 呂舞「大丈夫」

 黄忠「弓だけでは心許なくてのぅ。接近戦ができる武器が欲しいんじゃ」

 甘寧「俺は普通の戟で構わねぇよ」

 呂舞「ほぅほぅ。弓を背負いながら接近戦もとなると。薙刀系統が良いかな。青龍偃月刀によく似てるんだけど象鼻刀ぞうびとうなんてどうかな?」

 黄忠「関羽殿の武器に近いとは、良いですなぁ。それにさせてもらうとしますぞ」

 呂舞「うんうん。普通の戟で良いなら。その辺りから探してくれても良いよ」

 甘寧「うーん、なんか違うんだよなぁ。こう俺の鈴と噛み合って、相手が奇襲に驚いた時には、もう遅いって感じのそんな戟が良いんだが」

 呂舞「成程、それなら戟の先を三日月のような形にして首をさっと狩り取るのなんてどう?」

 甘寧「なんだよそれ。そんな武器作れんのかよ?」

 呂舞「理論上は、可能だよ。実際にそんな武器使ってる人は見たことないってだけで」

 甘寧「良いじゃねぇか。派手に奇襲仕掛けられるって事だろ」

 呂舞「まぁ、そうだね」

 甘寧「じゃあ、頼んだ」

 呂舞「皆、簡単に頼むけど、注文品はお金結構かかるから覚悟してね」

 義賢「俺の時は5倍の値段だったが」

 俺の言葉を聞いた全員が顔を青ざめていた。

 呂舞「コイツは、私に無礼働いたから倍の倍の倍にしただけ。みんなからは通常の代金。それでも注文品だから高くはなるよ。良いの?」

 孫軟児「大丈夫だよ〜趙雲のためだもん」

 樊玉鳳「身を守る武具に金をかけるのは当然です」

 黄忠「えぇい。甘寧の祝いなんじゃ。ワシの分とまとめて払ってやるわい」

 呂舞「了解。じゃあ、こっちも本気で制作するね。出来上がるのは、3ヶ月から半年要すると思うから、その辺りになったら城に連絡しに行くよ」

 劉備「うむ。舞殿が現れたら私から皆に伝えるとしよう」

 こうして、趙雲の槍、黄忠の薙刀。樊玉鳳の薙刀。甘寧の戟の4つの武器が作られることとなった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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