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こんなのアリかよ!?

 太史慈を客将として加えた劉備軍が汝南黄巾軍と激戦を繰り広げている戦場に辿りついた。辺りを見回してみるともはや朝廷軍は風前の灯であった。

 ???「ええぃ誰かワシを助けぬか。華雄カユウ徐栄ジョエイはおらんのか。クソッ」

 ???「董卓トウタク様、そんなに声を張り上げても事ここに至っては仕方がないかと」

 董卓「李儒リジュ、策を考えぬか」

 李儒「ふむぅ。ここまでの妖術では対処できませんなぁ。誰かが助けてくれると良いのですがねぇ」

 董卓「ええぃどいつもこいつも役に立たん奴ばかりじゃ」

 ???「地公将軍様、勝利は目前です」

 ???「龔都キョウト、我が妖術にかかればこんなものですよ。フフフ。厳政ゲンセイ高昇コウショウ、目障りなブタを踏み潰してしまいなさい」

 厳政・高昇「張宝様、お任せください。へへへ」

 義賢は辺りを見回していた。

 義賢「兄上、あの男が地公将軍の張宝チョウホウです。妖術を操っている者かと」

 劉備「丁、何故そんなことがわかるのだ」

 義賢「相手を知ることは戦の基本ですよ兄上。俺が弓で狙うので援護を頼みます」

 劉備「丁には、いつも驚かされる。了解した。雲長と翼徳は朝廷軍の救援に向かえ、国譲、憲和は俺について、丁の援護だ」

 張飛「大兄者、任せときな」

 関羽「兄者、お任せを」

 田豫「玄徳の御身は守る」

 簡雍「やれやれ、武働は得意じゃないんだがねぇ」

 太史慈「俺も劉備殿の御身を守ろう」

 劉備「太史慈殿、かたじけない」

 義賢が弓を引き絞ると頭に声が聞こえてその場でうずくまる。

 義賢「うっ」

『この戦いにおいて、張宝を討ち取ってはなりません。怪我を負わせて、撤退させたら龔都を探してください。配下に加えるのです。無理だった場合は分かっていますね。命はないと思ってください」

 相変わらず一方的に伝えてきて、最後には物騒なこと言っていきやがった。張宝を討ち取ってはならない?意味がわからないが弓なら弓道部で何度も使っていたから行けるとは思う自信はないけど。それに龔都って誰だよ?劉備軍にそんな名前のやつ居たかな?周倉にくっついてきた裴元紹みたいに誰かの説得に重要って事か?でもこの広い戦場のどこにいんだよ。張宝の撤退イコール終わりだろ。またタイムリミットまで早くないか。クソッやれるだけやってみるしかないか。義賢は弓を引き絞り、張宝の脚を狙う。兄上の援護もあり視界は良好。

 義賢「すまんな張宝殿。この怪我で撤退してくれると良いが」

 張宝「ぐっ、いったいどこから矢が。しかもこの傷、歩くのに苦労しますね。波才ハサイ、肩を貸してください撤退しますよ」

 波才「残念ですが張宝様の御身の方が大事です。龔都、後は任せましたよ」

 龔都「ちょっと待ってくだせぇ。俺も一緒に撤退」

 波才「龔都、お前は殿しんがりです」

 龔都「ぐっわかりやした」

 波才が張宝を馬に乗せて、共に広宗へと撤退していく。残された龔都は、それを見届けた後、渋々殿として残る。劉備も張宝を追撃することはせず周りを相当した後、義賢の元に戻る。

 劉備「やったな義賢。初めての弓にしては上出来だ」

 義賢「兄上と太史慈殿と田豫殿と簡雍殿が視界確保の援護をしてくださったおかげです」

 太史慈「謙遜なさるな。見事な弓のお手前でした」

 田豫「あぁ、驚いた」

 簡雍「これでお荷物は俺だけかねぇ」

 劉備「憲和、そんなことはない。お前の弁舌にはいつも助けられている。これからも頼むぞ」

 簡雍「自虐してみただけなんだけどねぇ。分かったよ」

 朝廷軍の救援に向かった。関羽殿と張飛殿の方から歓声が上がる。時は少し前に戻る。

 張飛「兄者、久々に競争しないか?」

 関羽「翼徳、その提案乗ったぞ」

 張飛「そうこなくっちゃな。簡単だ倒した敵の数と行こうや」

 関羽「うむ。異存は無い」

 黄巾兵「天下の黄巾軍を前にふざけやがって討ち取ってやる。ぎいゃぁーーーー」

 張飛「まず1人っと」

 黄巾兵「おい待て待て化け物だぁ。ぎいゃぁーーーー」

 関羽「翼徳はまだ1人か?某は、もう5人だぞ」

 張飛「クソ〜負けねぇぜ」

 功を競うように打ち倒されていく黄巾兵。

 黄巾兵「化け物が来るぞ〜ぎいゃぁーーーー」

 その声はやがて厳政と高昇の耳にも入る。

 厳政「イキの良いのがいるみたいだな」

 高昇「向こうも2人こちらも2人、どれ仕留めないかとするか」

 厳政「そうだな」

 双方が相対する。

 張飛「ここが終点みてぇだな」

 関羽「うむ。翼徳よ。あの将を討つとしようぞ」

 厳政「抜かせ。我こそは地公将軍麾下の将厳政。参る」

 高昇「右に同じく、高昇。いざ参る」

 張飛「張翼徳だ。退屈させてくれるなよ」

 関羽「関雲長。某の青龍偃月刀の餌食としてくれようぞ」

 勝負は一瞬だった。張飛殿が丈八蛇矛の一突きにより、厳政は絶命。関羽殿の青龍偃月刀の一振りにより、高昇は斬り捨てられた。

 厳政「地公将軍様、申し訳ありませぬ」

 高昇「グハッ。太平道に栄光あれ」

 張飛「敵将、厳政。張翼徳が討ち取った」

 関羽「敵将、高昇。関雲長が討ち取った」

 張飛「勝負は引き分けみてぇだな」

 関羽「うむ」

 董卓「救援感謝するぞ。どちらの者だ」

 張飛「俺たちは義勇兵だ」

 董卓「なんじゃと義勇兵如きがでしゃばるで無いわ」

 張飛「なんでぇアイツ義勇兵と聞いてすぐに態度を変えやがった。許せねぇボコボコにしてやる」

 関羽「翼徳。待て朝廷の方に暴力を振るえば兄者の立場が悪くなる。ここは堪えるのだ」

 張飛「大兄者に迷惑はかけられねぇ。分かったから離してくれ」

 華雄「敵将、龔都、中郎将董卓が麾下の華雄が討ち取った〜」

 えっええええ。一瞬だった。中央に突撃した大男が目の前の男を瞬殺したのだ。でまさかのそいつが龔都。うん。こんなの先読みできるわけがない。さぁ逃げよう。ザシュッという音が聞こえた。俺の身体が斬られていた。マジかよこんなのアリかよ。

 ???「フン。目障りなネズミが紛れ込んでいたようだな」

 華雄「李傕リカク貴様、何をした」

 李傕「目の前にハエが飛んでいたから斬り捨てただけですよ」

 劉備「そんな。義賢。ダメだダメだ。死ぬな死ぬんじゃない」

 怒った田豫殿の攻撃の前に華雄の一振りにて李傕は絶命する。そんな光景が俺が死ぬ前に見た光景だった。華雄って結構良いやつだったんだな。そんなことを思いながら意識が遠くなっていくのだった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

華雄は董卓軍の中で常識人という位置付けにしたかったのでこんな形にしました。強者と戦えるから董卓軍にいてるという感じです。それにしてもまた主人公死んじゃいましたね。次回どうなるかお楽しみに。

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