逢いたいけど、逢いたくない
以前投稿して、全消しした「逢いたいけど、逢いたくない」の主人公の呟きです
何時か書き直したい作品です
何時も行く近所のスーパーで懐かしい曲が流れていた。
――懐かしいなぁ、あの頃はまさか自分が此の街に住むとは思いもしていなかったよね。
高速道路ではないけど、近くにある飛行場があんなに小さいとは思わなかったなぁ。 ビール工場の見学で飲むビールは市販の物より美味しいのよね。 そう云えば今年の競馬場の花火大会は有料なんだよね、誰が三万円も払うんだろう……等と熟々と考えている間に、何時の間にか曲が変わっていた。
――あ、此の曲! ……目の前に懐かしい美術部の部室が浮かんできた――
くだらない話を皆でしている中で、曲のサビの部分を小さく呟きながらそっと貴男を視てしまう。
……I love you……
視線に気が付いたのか、貴男は顔をあげて私を見た。
「ぅん?なぁに、どうしたの」
何でもない、と答えながら貴男の微笑みを心に焼き付ける。
彼女を想っていてもいいから、貴男の側に居させてください。
もう少しだけ、あと何ヵ月も無いけど貴男との時間を私にください。
気が付くと次の曲になっていた。 今日は彼女の曲の特集なのかな、そう思いながら買い物を続ける。
何時もと変わらないスーパーの風景、ありふれた日常。 だからこそ幸せを感じる。
それでも、普段は忘れているけれど、ふとした切っ掛けで想いは溢れる。
――貴男に逢いたいけど、逢いたくない……
勢いで書きました
本当に勢いだけです
でも忘れられない話なので、今後も書きたくなるかもしれません