⑧ブラックゴーレム
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお‼」
穴に落ちてから俺は滑り台を滑走していた。
どこまでも続くその道に俺は焦りつつ、能力向上魔法を構築し、そのまま吐き出されるように出口を出る。
「はぁああああ。死ぬかと思ったぜ」
出た先が石の床でよかった。
念のために火炎や水の中も想定していたので、準備としては万全だったけど。
それにしてもここは案外わかりやすい場所に出されたものだ。
「目の前に階段。それも下り。それで目の前にはその行く手を阻むゴーレム。出来過ぎだろ」
俺の目の前には頭部から赤く光る眼を揺らめかせながら、その大きな体を動かし始める。
目の前にいるのはブラックゴーレム。
硬い外装にその見た目通りの巨大な体をしている。
俺を敵としたのか大きな腕を振りあげて突撃をしてくる。
その大型の体躯に突撃されたらひとたまりもない。
だが、俺は違う。
「おせぇ!」
俺は地面を蹴り上げて跳躍するとブラックゴーレムの頭部を蹴り飛ばし、粉砕する。
頭部を破壊されたブラックゴーレムは全身を震わせると原型を維持できず、爆散するように崩れ落ちた。
実は俺の基礎能力は高い。
この事はフィンクスやルーナは知らない。
なぜなら烈火の猛牛にいたころは陣形の問題上や能力の関係で俺は後方支援メインにしていたからだ。
今度ギルドの連中と会う時があれば、腰を抜かすだろうな。
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