④能力向上魔法
オルカに連れて来られたのは近くの海岸。
この時間は周りに誰もおらず貸し切りの状態だった。
「きゅああああ! やっぱり海はいいね!」
「ここでいいのか?」
「うん。そうしたら魔法をお願い」
オルカは海岸を背に手を広げた。
「それで? どうしてもらいたいんだ?」
「ん? どうしたの? いいから魔法かけてよ」
「ちょっと待て。魔法を使うのはいいが、お前が求めている魔法はなんだ?」
「だーかーら。さっき言った能力向上の魔法だよ! ほら、はーやーく」
俺を急かすように目的をオルカはハッキリと伝えてくれたが、それではまだ俺が困るのだが。
「そんなざっくりでいいのか? 能力向上って言っても種類があるんだぞ」
「種類かぁ。今までの人はそんなことを聞いてすらこなかったなぁ……。じゃあ力の向上と身体機能の向上をお願い」
「わかった。始めるとするか」
オルカの望む魔法を俺は構築を開始する。
「あ、そうだ。そうだ。もしもハレンチなことをすればただじゃおかないからね。こう見えて私もかなりの実力者なので」
「する訳ね―よ。俺を誰だと思っているんだ」
オルカは自分で言っているけど、今までの感覚からして確かに相当を実力もっているな。
だとしたらオルカの目的はなんだ……っていかんいかん。まずは目の前のことを集中しないと。
「構築完了。能力解放」
「ふぁ………これは…………凄い。これなら……………」
オルカは自分の体に起きた事象に実感を得ているようだ。
どうやらちゃんと成功したようだな。
「さて、能力は上げてやった。これで依頼完了だな。約束通り報酬をもらおうか」
「あ、そのことだけど、ちょうどヒロトに良い提案があるけど聞いてみない?」
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