依頼内容②
「こうなってしまったら、やるしかありません。覚悟が決まりました。効率よく完了するには分担するのがいいでしょう」
ハリエットは起きていたようだ。
気持ちを整えているのだろうか、味わうようにお茶を飲んでいる。
「そうだな。そうするのがいいだろう」
「そうよね。純也はやっぱり捜索の二件を担当してちょうだい」
「お前が仕切るのかよ。まあいいや。わかったよ」
この依頼の中だったら、その二件が俺の担当になるだろう。
「私は魔石や鉱石などの発見は得意です。そういったものの発生条件などには熟知していると自負しています」
「頼もしいわ。じゃあ魔石と鉱石をハリエットに任せるわ」
ビシッとハリエットに指をさすソフィー。
仕草だけはかっこいい。
「それじゃあ私は薬草を摘む」
「全部お前がもらってきたのに、一番楽じゃないか」
「仕方ないじゃない。適材適所よ」
何を言っても無駄かもしれない。
この配役でやるしかない。
「そうだね。うん、その通りだ」
感情を込めずに言う。
「ちなみにハリエット、薬草の発見も得意だったりしないかしら?」
ソフィーが上目使いで、聞いている。
「ええ、できます」
「じゃあもし万が一、なかなか見つけられなかったら、手伝ってもらえるかしら?」
「構いませんよ」
「やったー!!」
「おい、それやったら、ソフィーは何もやってないことになるからな」
「わ、わかっているわよ。ま、万が一、万が一の話よ」
頼むぞソフィー。役に立ってくれよ。
「こういった依頼は、純度の高いものが取れると報酬も高くなるはずです。やるからにはいいものが取れるように全力を尽くしたいと思います」
ハリエットが小さくこぶしを作って決意表明している。
実に頼もしい。前向きでやる気のある姿勢は評価できる。
「その調子よ、ハリエット!」
ソフィーがそれを言うのはなんか違うと思う。うん、絶対、なんか、違う。
「俺はとりあえず、聞き込みをしてくるよ」
一度伸びをして立ち上がる。
「それじゃあ私はたくさん薬草を摘むわ!」
前向きでやる気のある姿勢であることは間違いない。しょうがない。評価しよう。
「おう、摘め摘め」
各々準備を済ませると、依頼達成に向けて動き出した。