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短編

おかえりと言う君と

作者: 儂 追氣

ただいま


今帰ったよ


呼んでくれてありがとね


じいちゃんは元気でやってたよ


ばあちゃんも元気そうだったから心配しなくていいよ



……そういえばサトシの野郎お前の悪口言ってたぜ?


まぁ、殴って黙らせたけど



  …肩、揉んであげようか?


大丈夫大丈夫たいして疲れないし




……老けたね


俺も…君も…


あの事故から君がそうなって


僕たちのは止まったままなのにね


おかしいよね…



 あ、子どもたち?


元気だよ?


いつ君に会えるかって


毎日叫んでるよ…


大丈夫、そのうち連れてくるから




あの時…事故してごめんね


相手のトラックのやつ、居眠りだって


君は許せる?


僕には……許せそうにないよ


でも…多分君はいつもどおりの優しい声で言うんだ


「許せますよ」って


……なんで黙ってるの


笑ってよ


そんなところからいなくなってさ


早く一緒に話そうよ


美味しいお菓子とかさ


やりたいこととか…


………


ごめんね?


なんでもない


……テレビでもつけよっか


ニュースしかやってないや…


これでいい?




『今日で5年が立ちました。一台のトラックが次々と一般車に追突、破壊したあの凄惨な事故。私達は忘れてはいけません

今でもあの事故をめぐり会社に対して訴訟が絶えません

会社は事故を起こした会社員に対し、給料を払わず延々と働かせていました

それが発覚したのは事故のあと

もし私達が、私達メディアがh……


ごめん…消しちゃった


…いいよね?


君も見たくなかっただろうし


……一人でそっちにいさして…ごめんね?




…もうすぐ会えるかもね


君は望んでないかもしれないけど…


僕は君に会えるほうが嬉しいんだ


だから…安心してこっちにおいで?


❉❊❉


病院の一室

また今日も患者がはいる

かつての患者は忘れ去られていく

でも患者にとっては

愛する人

それに会えるのは

悪いことではないのかもしれない


おかえりと言える人を大切に

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