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みちくさ  作者: 斎木伯彦
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啓発録

 啓発録は幕末の福井藩士、橋本左内が元服直前に著した、決意表明の如き著作です。

 橋本左内は福井藩主松平春嶽公の側近として活躍した俊英で、安政の大獄で露と消えましたが同時代の人物に多大な影響を残しております。

 靖国神社、福井縣護国神社に祭神としても祀られています。

 啓発録には次の五つの事柄が記述されています。


◎去稚心(稚心を去る):目先の遊びなどの楽しいことや怠惰な心や親への甘えは、学問の上達を妨げ、武士としての気概をもてないので、捨て去るべき。


◎振気(気を振う):人に負けまいと思う心、恥を知り悔しいと思う心を常に持ち、たえず緊張を緩めることなく努力する。


◎立志(志を立てる):自分の心の赴くところを定め、一度こうと決めたらその決心を失わないように努力する。


◎勉学(学に勉む):すぐれた人物の素行を見倣い、自らも実行する。また、学問では何事も強い意志を保ち努力を続けることが必要だが、自らの才能を鼻にかけたり、富や権力に心を奪われることのないよう、自らも用心し慎むとともに、それを指摘してくれる良い友人を選ぶよう心掛ける。


◎択交友(交友を択ぶ):同郷、学友、同年代の友人は大切にしなければいけないが、友人には「損友」と「益友」があるので、その見極めが大切で、もし益友といえる人がいたら、自分の方から交際を求めて兄弟のように付き合うのがよい。益友には、次の五つを目安とする。

・厳格で意思が強く、正しい人であるか。

・温和で人情に篤く、誠実な人であるか

・勇気があり、果断な人であるか。

・才知が冴えわたっているか。

・細かいことに拘らず、度量が広い人であるか。


 これらは上から順に実践するのが良く、こうして自らを磨き上げるのが栄達への近道でもあります。

 言うは易く、行うは難しですから、橋本左内の意志はかなり強固であったと想像できます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 [一言] 組織が巨大化するほどに、これらの初心とは反対の行動を取るような気がするのは偏見でしょうか。
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