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みちくさ  作者: 斎木伯彦
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音楽の力

 人類の文化の一つとして、音楽があります。

 音楽の歴史は古く、古代エジプトの宗教儀式で使われていたとの伝承もあります。

 ギリシア神話でも音楽は主要な文化で、竪琴の名手オルフェウスは、獰猛な地獄の番犬ケルベロスさえもその音色に酔わせたとされています。

 その音楽の中で、我が国には演歌と呼ばれるジャンルがあります。

 この演歌、明治時代に生まれた頃と、戦後から現在まででは性格が全く違います。

 皆さんが演歌と聞くと、男女の情念を歌い上げるような内容を思い浮かべるでしょう。これは戦後の演歌です。

 明治時代から大正にかけての演歌は「演説歌」と呼ばれ、政治的主張を盛り込んだ歌でした。

 この政治的主張を盛り込んだ歌は現在、フォークソングに立場を譲ってしまいましたが、大正時代にはヴァイオリンや手風琴(アコーディオン)で演奏しながら歌う、演歌師や書生などがいました。

 演歌の草分けは、川上音二郎と言われ、「オッペケペー節」がその嚆矢とされています。

 過激な演歌には「ダイナマイト節」という歌があり、「国利民福(こくりみんぷく)増進して、民力(みんりき)休養せ、もしもならなきゃ、ダイナマイト・ドン!」なんて、ほとんどテロ予告みたいな代物です。

 こうした過激な歌詞は次第に穏やかになり、風刺が主流になっていきます。

 「金々節」なんて金満政治を真っ向から皮肉る歌は、現代の国会議事堂で流したいぐらいです。

 こうした歌が力を持つのは人口に膾炙されてこそですから、強権的に歌の伝播を抑圧するような仕組みは却って音楽産業を衰退させるでしょう。

 音楽の力は強力だからこそ、その扱いには細心の注意を払いたいものです。

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