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みちくさ  作者: 斎木伯彦
37/50

剽窃の線引き

「みんな、オラに現金を分けてくれ!」


 はい、あの有名な人気漫画の台詞も、少し変えるだけで恐ろしい内容に変わりました。

 これがパロディ(parody)です。風刺や滑稽さを入れて作り替える手法です。

 対してオマージュ(homage)は尊敬の念を含み、従属的な表現です。

 具体例としては、2018年の秋アニメに「RELEASE THE SPYCE」という女子高生がスパイ活動を行うアニメがありました。

 この最終回に敵方の洗脳装置を停止させる際、残り時間0秒07で止める場面があります。

 これはイギリス映画の有名なスパイ映画で、主人公が時限爆弾を残り時間0分07秒で停止させた場面のオマージュと言えます。

 同じスパイとして、偶然の一致を装おう演出効果です。

 もっと単純明快に表現するなら、パロディは狂歌や川柳、オマージュは本歌取りと考えれば、しっくり来るでしょう。

 北京五輪の水泳選手が「北島選手を手ぶらで帰せない」と言った感動の台詞さえも、両手で胸を押さえて「手ブラで」と言ったあの夏。年末のボカロ漫才に全く同じネタが上がっていて、ひっくり返ったのも良い思い出です。


 では剽窃(盗作)は、どのような場合でしょうか?

 具体例を出せば、上方漫才に大木こだま・ひびきさんがいます。そのこだまさんの持ちネタで

「わざわざ来てくれんでも良かったんや。言うてくれたら行きましたんやがな」

という掴みがあります。

 このネタをこだまさんはある若手に使わせていたのですが、その若手が「このネタは僕のネタです」なんて言い出して、しばらく仕事を干されていたことがありました。

 この若手の行動が剽窃(盗作)です。

「そんな奴、おらんやろ」と思われるかもしれませんが「おったらそんなん往生しまっせ」の通り、大変なことになりますので、皆さん注意しましょう。


※これは大木こだまさんへのオマージュです。

大木こだま・ひびきさんの漫才の流れ

二人が登壇する。

ひびきさん「皆さん、ご来場ありがとうございます」

こだまさん「わざわざ来てくれんでも良かったんや」

ひびきさん「何言うてますの」

こだまさん「言うてくれたら行きましたんやがな」


パターン1

こだまさん、唐突に長話をして、コンビに都合の良い話を語る。

ひびきさん「ホンマに? 夢みたいな話やな」

こだまさん「夢やがな」

ひびきさん「あちゃー」


パターン2

こだまさんの話に、ひびきさんが絶妙な返しをする。

こだまさん「腕、上げたやないかい」

ひびきさん「え?」

こだまさん「楽屋で黙っとる思たら、こんなネタ考えとったんか。焦るわー」


こだまさん「ところで●●の話あるけど、聞く?」

喩え話を交えて語る。

ひびきさん「それなら、こんな話もあるで」

こだまさん「そんな奴おらんやろ」

ひびきさん「いや、そうじゃなくて」

こだまさん「そんな奴おったら、往生しまっせ」

ひびきさん「やめさせてもらうわ」



ちなみにデビューしばらくは「夢やがな」ではなく「嘘やがな」でした。変更理由は教育的配慮でしょうね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です、 [一言] 嘉門達夫さんの替え歌メドレーなんかは完璧にパロディですね。 「坊や〜良い子だ カネ出しな♪」とかね(笑)。 パロディなら良いですけどパクリは頂けないですねぇ。…
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