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桃の節句
三月三日は桃の節句とされています。
古くは上巳の節句と呼んで、水際で御祓をする日でした。
御祓が終わってから「曲水の宴」を開催する行事の起源は、周の時代にまで遡るようです。
我が国でも顕宗天皇の時代から曲水の宴が行われていたのですが、平安時代初期に一時中断し、中期ぐらいから恒例行事となっていったようです。
初期の桃の節句では雛人形を飾る風習はありませんでした。
雛遊びは平安時代からありましたが、桃の節句に人形を飾るようになったのは江戸時代からと言われています。
なお、御祓の方法の一つに人形で身体を撫でて邪気を祓う方法があり、これが転じて人形を飾る行事へと変遷した説が雛祭りの有力な起源とされています。
桃は古代社会では邪気を払う果物とされ、我が国の神話でも冥府から帰って来るイザナギ命が、冥府の化け物を祓うのに桃を投げ付ける場面があります。
この桃の神聖性は古代中国の西王母伝説が元になっていて、西方に充てられる十二支の猿、鳥、犬が桃太郎のお供という設定に繋がっております。
鬼は丑寅の方角からやって来る、木と土の性を持った化け物で、金気が弱点です。
この金気を司るのが西方で、桃太郎の話は設定が出来過ぎです。
昔も今も、お話を紡ぐには設定が大事ですね。
