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みちくさ  作者: 斎木伯彦
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昭和維新

 昭和十一年二月二十六日、陸軍の過激派が首都制圧を目論見、首相官邸を始めとして、政府要人の邸宅を襲撃しました。

 世に言う「二二六事件」です。

 事件の概要は義務教育などで習っているはずですので省略します。

 今回は彼らが掲げた「昭和維新」について考えてみましょう。

 昭和維新の発端は、当時の世相にあります。

 戦争特需に沸いた大正時代と打って変わり、昭和初期は世界恐慌などが重なって、未曽有の不況へと落ちました。

 東北地方では娘を売って金策に走り、農家の次男三男は口減らしに奉公に出されたり、軍へ入隊させられたりしました。

 庶民が苦境に喘いでいる中、財閥は富を伸ばし、貧富差が拡大します。そうなれば不満が溜まって当然です。

 豪雨災害の後、流木や土砂が堆積してダムを形成することがあります。天然ダムと呼ばれるそれは貯水量が一定量を超えると一気に決壊し、下流域を洪水被害に遭わせます。

 人々の不満も天然ダムが決壊するように、一挙に噴出します。その一つの形が昭和維新と呼ばれるものの存在でしょう。

 昭和維新では、天皇を中心とした立憲君主制と議会制民主主義を目指していたようです。ただ、彼らの目指した社会制度は大きな矛盾を孕んでいるばかりでなく、ほぼ全ての参加者が「理想郷実現の捨て石になる」という意識だったため、将来像が曖昧模糊としていました。それが民衆の支持を集められなかった理由です。

 逆に言えば、民衆の支持を受けたクーデターは革命となって社会制度を一変させます。それが維新です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 [一言] 高い理想とそれを実現する為の手段。そして、その二つを担保するもの。 それは民衆の後押しかもしれませんし、武力かもしれません。 ですが民主主義国家では「投票結果…
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