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序章:叫び
何故だ
我はこれからどうすればよい
産まれたばかりの彼らに
魔法も
剣も
住処も
与えたというのに。
どうして人間は我に刃を向ける?
どうして人間は争う?
傷ついた彼らに
調和の為に与えた、魔法も
平和の為に与えた、剣も
安堵の為に与えた、住処も
彼らには無意味だったというのか
なれば、我は心を鬼にしよう。
なれば、我は心を悪魔にしよう。
なれば、我は心を凍てつかせよう。
なれば、なれば、彼らは
我の愛しき彼らは争いをやめてくれようか
たとえそれが、息絶えた瞬間であろうと
たとえそれが、悲しみと憎しみを湛えていようと
さあ、我はゆかん
愛しき汝らを止めんと
幕開けは既に迫りくる




