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力を持つ怖さ


 俺達は暫く談笑しながら道を進んでいた。そして、夕日が綺麗に見えるころ突如として、変な雑音に聞こえるほどの複数の「声」が聞こえたのと同時にナツねぇが目を険しくし、テレパシーを俺とユーに繋いで、ユーがジッと声のする方向を睨みつけていた。



 俺達の急な不審すぎる変化にシルバーの皆は不思議そうにしている。



  「(なんか、いっぱい来るぞ......これ、話し声か??)」



  「(そうだね。私には声は聞こえないけど見えるよ......10人、いや、10体かな。あれは、ゴブリンだねぇ。凄い王道だなー)」



  「(うん。向こうに居るのは何となく俺も分かるよ!!でも多いだけであんまり強くなさそうに感じるよー。......一体以外は、だよ?)」



  「......あの、なにかあったのですか??」



 おずおずといった感じに談笑の時とは違った声色でマリアが聞いてきた。



 ゴブリンがこっちに向かってきていることが分かり、伝えたいのだが、伝えるということは自然に俺達がなぜ知ることが出来たかを説明しなければならなくなるだろう。申し訳ないがそこまでは俺達3人ともシルバーを信用できてはいなかった。いい人達なのは分かってはいるが、あまりにも大きな秘密を打ち明けることは抵抗がある。



  「いえ、勘違いかもしれないんですけど、なんか目線を感じて......」



  「「(ストーカにあった被害者みたいな言葉だ/ねwwwww)」」



  「(あながち間違えってわけでもないでしょ?!)」



  「目線??......っ確かここはゴブリンがよく現れる場所じゃねーか?!......あ?だが、どこにもそんな気配なんてしねーだろ??まぁ、一応警戒はしとくか!!おい!お前らも戦かう準備はしとけよー。ナツナ達は隅の方で固まって隠れてろ」



  「「「「了解」」」」



  「ほらー!!ナツナちゃん達ははやくかくれてよねっ!!危ないかもしれないから!」



 ライガーが思い出したかのように叫んだが、気配を感じなかったからかすぐに落ち着いた。けど、ランクが高いことに溺れず適切な指示を仲間にし、戦うことができないように見える俺達にも配慮があった。シルバーのメンバーは黙々と準備を初め、アイシャが俺達に注意した。



  「悪いな、でもあんたらに任せっきりでいいのか??強いのは分かってるけど......」



  「お言葉にあまえさせて貰っとこうよ?私達武器持ってないんだしさ」



  「...うん。(別に俺は武器必要ないと思うんだけどなー。流れに乗っとこ!!)」



  「聞き分けがいい子は楽ですね......」



  「...あぁ。戦力にならないやつが戦っても邪魔になるだけだしな」



 ロイがしみじみと何かを思い出すかのように言い、オルソがぶっきらぼうに言った。



  「準備したのはいいが本当に来n.....「ヒヒーン!!」」



  「っおわっ!?」



  ......ドサッ



 ライガーが来るのかといいかけた時、いきなり馬が暴れだした。



 そのせいで馬車の御者がバランスを崩したらしく落車してしまったようだ。だが、馬は止まらない。向かってる先は......ゴブリンがいるだろう場所、一直線である。



  「っなぁ!!ナツねぇ!今、御者落ちたよなっ?!てか、なんでいきなり暴れだしてんの?!」



  「落ちちゃたよ!!馬のことは知るわけないでしょ?!てか、どんどん近づいてるんだけどっ」



  「.....ウッ、ゃばい...吐きそぅ〜」



  「「「「「...近づいてるって、まさかっ!!」」」」」



  「「そんなのゴブリンに決まってんだろ/でしょ!!」」



  「もう......ダメだ......ウオェエェェッッ」



  「ユー外に向かって吐いたのは正解だ」



  「うわ...汚い」



  「ユキさん大丈夫ですか!!もしよろしければ回復魔法使いましょうか??」



  「おいっ!!それどころじゃねーだろ!!ゴブリンがいるってどうして分かるんだよ?!」



  「「なんとなく!!」」



  「だぁぁぁぁ!!もういいっ!!おい!戦闘態勢とれ!!」



  キキッー



 やっと馬が止まった。止まった場所は気が生い茂っており、とても静かだった。少しずつ聞こえてくる足音以外は......


 

 いつの間にか日は沈みあたりは薄暗くなっていた。



  「今、足音聞こえない??......なつなちゃん、ヒガンちゃん、本当にゴズリンがいるんだね。少し疑ってた、ごめんね?」



  「疑うのが普通だから別に大丈夫だ。(ヒガンちゃんって......)」



  「いえ、仕方ないことだし...。それより、もうちょっと先にいるので、身構えた方がいいと思うんだけど」



  「......止まった!!グッジョブ馬!!でも、吐く前に止まって欲しかったよ〜うえぇ口の中不味い...!!」



  「......お前らはここにいろ。俺達は足音の方に行くぞ!!」



  「了解!!(シルバー一同)」



 そう言ってシルバーパーティはゴブリンがいる方向へ走って向かって行き、ナツねぇ以外にはには見えなくなった。



  「ねぇ、ほんとにさーここに居るの??戦わないのー??」



  「仕方ないでしょ...私はまだ弓持ってないんたから。着いて行っても足でまといになるだけだよ」



  「俺も、だな。それに、ユーは戦うことはできるだろうけど、多分1発で異常だってバレると思うぞ??バレないよう戦うには俺達はこの世界の常識を知らなさすぎる......」



  「......そっかぁ。じゃさ、こっちにはぐれてしまったゴブリンならさ、いいよね??」



  「?!あっ......一体こっちに来てるんだけど、仕方ないかぁ。ユキ、私とヒガンは丸腰だから頼んでいい?」



  「嬉しそうだなユー。そんなに戦いたかったのか??まぁ、今回は頼むわ...」



  「もっちろん!!......じゃあ、少し離れててね」



 俺とナツねぇはユーから距離をとった。ユーはどこか楽しそうである。



 棍棒を持ったゴブリンが見えた。人がいて少し驚いたようであったが、俺達が子供であり武器を持ってないのがわかったのかニタニタと残虐な笑みを浮かべている。



 ゴブリンにとってこの都合がよすぎる状況が嬉しいのか、ゆったりと余裕そうにこちらに来ようとしていた、その瞬間。......俺の視界からものすごい音と共にゴブリンが消えた。



  バキッ......バコッ、ボコ...ギギィ......グチャ...グチョォ......バキッ、グチャリ...バキ......ギギャァ...............



  「何?もう、終わり??まだ、できるでしょぉ?モンスターなんだよねぇ??ほら早く立ってよ?」



  「......ナツねぇ大丈夫か??」



  「アハハ......一応ね。もう、いっそ意識飛ばしてしまいたいんだけど...」



 ゴブリンが消えた理由はユーがぶっ飛ばしたからに過ぎなかった。ユーを見るとゴブリンを休む暇なく殴っていた。そして、ゴブリンが息絶えても尚、ユーはまだ戦い足りないようであった。無言で殴り続けたせいで辺りに肉片が飛び散りユーの手は血塗れ、ゴブリンはところどころ皮膚が裂け骨が見え原型を留めていなかった。まぁ、要するにただただグロい。



 俺はホラーものとか好きで色々見たり、お化け屋敷も好きだ。なにより、一応前の世界では看護学校に通っていたのでそういった資料とかで慣れている。



 ナツねぇは画面の中とかのグロイのは平気だけれど、流石に目の前のものは無理なようであった。



  「ナツねぇこれ被ってろ。あと、ユーいい加減にしろ。やり過ぎだ、お前もその手さっさと洗ってタオルで拭け。」



 上に羽織ってたものを脱ぎ、ナツねぇの頭に被せた。



 そして、ユーに声を掛けたはずだったが、呆然と立ち尽くしていた。仕方が無いので俺が、持ってきていたペットボトルの水のキャップを外し、少しずつ手にかけ洗い流したあと、タオルで手の水滴をぬぐった。



  「ヒガン、ユキは落ち着いた?」



  「あぁ、落ち着いたって言うか、多分だけど自分のした事に唖然としているな」



  「そっか...。あのさ、ユキ。どうしてここまでしてしまったの??そんなにゴブリンが危なく感じた??」



  「......えっと、ごめんね。あのね、こんなにするつもりは無かったんだよ......だって、最初に殴った時の感触が人とは違ったんだよ!!人よりも固くて...だから、だからね、ここを通しちゃったりしたら、なっちゃん達が危ないって思ったんだ......そしたら、もう止められなかった、はずなんだけど、途中からはただ普通の人より強いアイツと戦いたくて、自分の今の力を試したいって気持ちが出てきてしまって......本当にごめんっ......嫌いにならないで...怖がらないで、、、」



 ナツねぇの質問にユーは泣いて、嗚咽混じりの声で戸惑うように答えた。



  「いや、別に謝ることか?それ??実際に俺やナツねぇはゴブリンの攻撃を避けることは出来たとしても、倒すことはできないんだし。それに、こいつは殺すつもりであんな笑い方して向かってきたんだからな。殺す覚悟あんなら殺される覚悟くらい出来てんだろ??あとな、ユー。助けてくれて、ありがとう。1人で戦わせることになって悪かったな」



  「そうだね。結局殺らなきゃ殺られる的な感じだったしね。本当にありがとね?私は一番年上なのに、戦えなかった...ほんと嫌になるよ。それに、ユキのこと怖いと思ってないよ、私が嫌なのはあのゴブリンの汚い姿だから!!力を試したいのはお前だけじゃないよ...て私だって、ヒガンだって思ってる。オタクだしね??だから、べつに謝らなくていいんだよ??」



  (いや、確かに試したいけどオタク関係ないだろ...)



  「......ぅん。ありがとう、感謝してよね」



  「「いや、調子は乗るなよ!!」」




  「...ははっ、ちょっとくらいいいじゃんか!!」



 こいつはすぐに調子に乗る。まぁ、いつもの感じに戻って良かったと思うんだけどな?



 ナツねぇが木々の奥を見つめて言った



  「あ、シルバーのメンバーが戻って来るみたいだよ。流石ランクが高いだけのことはあるね、仕事がはやい!!まぁ、放置している私たちのことを心配しているのもあると思うけど」



  「それは朗報だな。......で、この死体どうすんだ??絶対見られたらまずいもんだよな?」



  「埋めちゃう?」



  「いや、間に合わないよ......深くはすぐに掘れないでしょ?」



  「あ......。いいもんあるな!!ナツねぇが収納すればいいんだろ?」



  「あ、それい「どうしてそうなるのっ?!死体なんて持ってたくないんだけど?!」」



妙案だと思い言うと賛成しようとしていたユーの言葉を遮りナツねぇが理った。



  「どうせそれしか方法ないし、もう時間ないんだろ??バレていいのか?(ニッコリ)」



  「やった俺が言うのもどうだと思うけど、コレ即アウトだよねぇ〜」



  「あぁ〜っ!!なんでいつもこうなんの?!......匂いとか他のものに着いちゃったりしないよね...??」



  「そこは大丈夫だろ......多分」



  「うわぁ、ひぃ君他人事みたいに言い放ったよ」



  「もう時間ないし、方法ないんだよね......じゃあそれ仕舞うよ?」


 

 そんな感じに言い合っているとシルバーのメンバーがこちらに手を降っているのが小さくみえた。



  「ナツねぇっ!!はやくしろ!」



  「いや、血はどうすんのさ!!これ?!肉片とか拾ってる暇ないんだけど!!」



  「なっちゃん!!投げるから空間こっち向けて!!」



 飛び散っている肉片をユーが猛スピードでナツねぇに投げつけていた。ナツねぇは入りやすいよう空間をさらに広げた。



  「うわぁぁぁぁー!!こっちに投げるなら投げる前に言ってよー!ユキのバカヤロぉぉぉぉぉぉぉ!」



初戦闘は呆気なくおわりました......



語彙力のなさに絶望しました。唸れなけなしの国語力ぅぅぅ!!



見てくださってありがとうございます!!

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