三人の力 紅羽、夏樹編
なんか長くなった...
「じゃあ次は私の番でいいんだよな?」
「「いいともー!!」」
「wwwwwありがと。じゃ、話すわ」
紅羽side~事故後~
私は目を開けると淡い光で包まれたかのようなどこか懐かしく、優しく感じる空間にいた。足場は虹を織り交ぜたような霧が幾重にもかかり、下が分からない。また、目の前に真紅の巨大な鳥居が出で立ち、ますますこの場が幻想的に思えた。そして、私の足は自然と鳥居に向かって歩き出した。あぁ、誘われてる、と理解しながらも拒む気にはならなかった。むしろ、行かなければならないと、頭が警告を鳴らしていた。
...コツン、コツン......カツン...
「...っ.........」
私は鳥居の端を通り抜け思わず息を飲み込んだ。そこは彼岸花が咲き乱れ、紅葉した木々が道を囲い紅い絨毯のように道の先にある神社まで続いている。...なぜ、だってここは......
「...私が昔よく見ていた夢の世界だ...なんで今更...」
「...くすっ、久しいの、愛子。」
後ろから懐かしい声が聞こえ振り向くと、昔この場所と同じような夢の中で出会った人物、いや...神と崇められる存在がいた。
「...お久しぶりです。何故あなた様が...天照大神様」
「むぅ、我のことを昔のように呼んでくれんのか?愛し子よ...」
そう、私の目の前にいる方は日本神話の最高神である太陽の神、天照大神だ。
「...それは、いけません。昔の無礼をお許しください...」
昔、夢の中で会った人物が尊い方なのだと知ったのは私の家系の本家に行き、その当主、よく可愛がってくれているおじさんが私を見て焦り、いろいろ質問され、答え、神様だと知った。どうやら私は穢れを浄化する体質になっていたらしい。そりゃ、久しぶりに会った孫みたいなのがいきなりそんなんになっていたら驚くよな......まぁ、つまり、夢であった時まさか神様だと思いもしなかったから、普通に談笑してしまった...
「我がいいと言っておるのだから良い!!むしろ普通に話してくれんと全力で拗ねるぞっ(ドヤァ)!!」
「...はぁ......あまねぇ。それは卑怯だと思うぞ?自分がどれだけ影響を及ぼす存在だと...」
「そんなんしっとるわ。じゃが、だからこそ、普通に話して貰いたいんじゃ...あと、お主今凄まじい状況じゃよ?」
「そりゃそうだろうな。普通、最高神どころか神様にすら会わねぇだろうしな」
「違うのじゃ。お主、違う世界に行かんといけんぞ??」
............は???!?!?
「いや、えっ?!はっ?どうしてそうなった?!!てか、それ時空歪まねぇ?!」
「そうじゃ。確かに時空を開けるが、こっちは開けられる側じゃしな。今回だけは向こうの世界に借りを作ってやろうかと思ってな。じゃが、行くことは何とかするがこちらに戻すことは出来ん。戻せるものなら戻したいが、規則を破るつもりは我にはないしの...すまんな...」
異世界に行くってことは時空に穴を開けることと同じだ。そうすれば世界の調律が乱れてしまうだろう。そんなこと2度も行えば日本どころか全てが歪んでしまう危険性がある。
「...謝らないでいい。仕方ないことだと思うし、そんな無茶して欲しいとも思ってない。...あと、私だけか?私の兄と妹は一緒?」
「心配せんでも向こうで一緒じゃ。これ以上向こうの都合でお主から何かを奪わせるつもりなどない」
「...そう、ならいい。あと、異世界に行くとはいってもどんな形で行くことになるんだ?」
まぁ、私は創作小説などをそれなりに嗜んでたから異世界に行くとはいっても転生や転移などといった種類があることを知っている。 だから気になった。もし、転生で赤子からなら不安要素が多すぎる。てか、そんな羞恥プレイなんぞしたくないわ。
「たしか、召喚じゃったと思うぞ。お主達のほかにもいて、そ奴らを召喚するときのミスで巻き込まれたのじゃ。」
「(...ちっ、よりにもよって召喚系か...てか、)え?巻き込まれ??」
「うむ。お主らがぶつかった相手が呼び出すはずの本命で、召喚ミスのせいでたまたま相手と事故ったお主らも呼び出されてしまったらしいのじゃ」
うわぁ、ねぇわ...そりゃないだろ。本当に理不尽だな。見間違えでなければ、バスと事故ったよな?たしか。何人呼び出すつもりだよ。
「...巻き込まれたってことは、ただの一般人ってことでいいのか?てか、その世界で生きていけるのか?」
「生きていくには一般人は無理じゃな...あの世界にはもんすたぁー??じゃったか?野蛮者がおるからの」
「でも、巻き込まれだろ?正式な召喚者じゃないと無力じゃないのか?」
「そうじゃ。じゃからお主らには我々が力を与えることにしたのじゃ!!そのくらい、いいじゃろ!!こちらに責任などない。あちらが悪い!!」
「(我々??あぁ......あの二人大丈夫なのか?)力を与えて私達があちらに悪影響を及ぼすとはおもわないのか?」
もし、私が...
「...お主、世界征服とか面倒くさく興味もないことせんじゃろ?」
「それは無いな!!メリットより圧倒的にデメリットが多すぎるからなっ!!」
めっちゃ納得した。私は面倒なの嫌いだし、雪華はそもそも無理だろう。にーちゃんは、胃痛をこれ以上増やしたくないだろうしな...
「じゃろ?」
「てか、あまねぇは何の力を私に与えてくれるんだ?」
どんな力かで戦闘スタイル大分変わるだろうし、聞きたかった。
「それは決まっとるけど向こうに着いてからのお楽しみじゃな!!あと、戦い方とかはどんなのがいいのじゃ?」
「...力が分かんないのに、それ聞くか?まぁ、なにがいいかは希望あるけど...」
「まぁ、何とかなるじゃろ!お主にあったの与えるつもりじゃしな!」
「じゃあ...テイマーがいいんだけど、いいか?」
「ていまー?なんじゃそれは」
やっぱ横文字だめなんだな...まぁ、日本の神様だしな...
「魔物使いのこと。まぁ、遠近距離みたいな戦い方も出来たらいいとは考えてるけど」
「ふむふむ。お主の願い聞き届けたぞ!!でも、魔物のなにがいいんじゃ??」
「ふわふわぷにぷにすべすべさらさらもふもふ......最高だよねっ!!」
「......怖いんじゃが。あと、お主素がでてるぞ...今までの努力も消えるほどに好きなんじゃな...」
そう、男っぽい話し方は矯正して自然にできるようになっていた。陰陽...私は女で、秋生まれ、身長は低く声は低め。それに、活発な方でもない。つまり、何が言いたいかと言うと私はどうやら陰に偏りすぎているとおじさんがいっていた。だから、少しでも調和するように話し方を変える努力をした。まぁ、もともと男っぽい話し方だったんだけど...だいぶ馴染んだと思ってたんだけどな...もちろん、たまに素をだしてしまうことはあるんだけどな。
「っああああああああぁぁぁ!!やらかしたぁっ!!」
「そんなショック受けんでも良いじゃろ...まぁ、確かにお主は陰の方が濃いんじゃがの」
「心読むのはどうかと!!...まだ、陰が濃いのか...もう、これ以上なにしろと...」
「ちなみにお主に与える力はそれ関係じゃからな」
「なんなんだよその力...そういえば、力って今貰わず向こうに行って暫く持ち歩くことってできないのか?」
忘れてたことを聞いた。いくら巻き込まれっていったって、力...しかも違う世界の神に与えられたレベルの人間が現れてみろよ...絶対に逃げられないだろうし、監視されるだろ?そんなの勘弁して欲しい。プライバシーって大事だよなぁ...
「うーむ。持ち運ぶとなると、お主の兄の方が都合がいいな。(あやつが担当してるしな)どんなのがいいんじゃ?」
「(にーちゃん何があったんだよ...ドンマイwww)んー、じゃあ、飴にするってことできる?そういう方が安全なとこで食べれて見つかりづらいだろうし」
「(大きさは関係ないがの...)分かったのじゃ。じゃあ、お主の力を兄のほうに託すとするかの」
「...助かる。ありがと、あまねぇ」
私は自然と昔の話し方でお礼を言っていた。
「うむ♪我はその話し方のほうが好きじゃのぅ...まぁ、仕方ないことじゃがな...」
「なんか、ごめんな...。ここまでしても陰が強いってもう...な...」
「その事じゃが、力のことも関係して、陽の方を高める必要があるから異世界に行くとき男になってもらうのじゃがいいかの?」
「なんか、今更な気がするんだが。もう、女らしさとか話し方矯正するときかなぐり捨ててるしな...」
「割とすんなりじゃな...まぁ、我も女の姿をとっておるのは少し陰をつくって都合を良くするためじゃが...一応我ら神に性別なんて無いんじゃけどな」
「ぶっちゃけ女がいろいろと面倒くさいってのもこともあるけどな」
いや、ほんと面倒い。陰口のオンパレードや他人を蹴落として当たり前の世界だしな。心から信頼出来る友人を作れるかは本人次第になってくる。
「...なんか、すまん...」
「いや、なんかこっちこそごめん...」
「じゃあ、いいんじゃな?男にしても?」
「あぁ、構わないよ。私は私だしな、本質までは変わらないだろうし」
「分かったぞ。じゃあ、そろそろお別れじゃ。久々に楽しい時を過ごせた。ありがとうな我の愛子よ」
「こっちこそ、ほんとに久々だったけど会えて嬉しかった。いろいろと心配してくれてありがとな!!あと、私は兄妹の道を照らす。絶対に2人の心を傷つけさせはしない...これは私なりの向こうの世界への宣戦布告だ。聞いてくれる?」
せめて最後は私らしい笑顔でいよう、心から無邪気に...そう思った。
「...あぁ、聞き届けたぞ。じゃあの、絶対に幸せに過ごすんじゃよ紅羽。我との最後の約束じゃ」
「(あまねぇ私の真名知ってたんだな...)神様との約束は守らないと危険なのは知ってるけど、その約束するよ。ありがとな、あまねぇ!!」
「(真名で愛子を我の神域に縛っておくことも出来たんじゃが、な。それは、愛子は望んでくれんか...)」
そうして、私は召喚された。
END
「ってことがあったんだよな」
「雪華もだけど紅羽もなにしてんの?!てか、天照に一度あってたって?!...あぁ...だからこっちにはあの神様がいたのかよ(死んだ目)」
「へー。(どうしよ、話の内容が全く分からなかったよ...でも、)紅羽、雪華達のこといろいろ考えてくれてたんだね〜」
「いや、とくになにもしてないだろ?あと、雪華ニヤニヤすんな。ウザイ」
「てか、紅羽、いきなり話し方変わったと思ったらそんな事情があったんだな...正直頭ぶつけておかしくなったのかと思ってたよ」
「だねー。それに、本家って本当に陰陽師とかの家系だったんだねー。厨二病発症しちゃったのかと思ってたんだけどなぁ」
こいつら人のことなんだと思ってたんだよ...あまりにも失礼すぎないか?!...まぁ、日常ってこんなもんか...
「今の言葉は見逃してやるよ。てことで、にーちゃん次よろしく。笑えることを期待してる(*`・ω・´)」
「次はにーちゃんかぁ。どうせ、いつもみたいに苦労してるんだろうなぁ〜」
「お前らな......でも、このまま雑談しても時間食うだけだし、話すよ」
夏樹side
俺は目を開けたとき暗闇にいたんだ。けど、そこには月があって視界に不自由はなかった。非日常的すぎて、正直死んだのを改めて思い知ったよ...そのとき、男の声がした。
「よっ!俺が担当するやつはお前か?」
「(え?話しかけられてるの俺?いや、(ヾノ・ω・`)ムリムリコミュ障舐めんなよ!!)」
俺は男の声を聞かない事にした。いや、初対面の人と話すとか普通に無理だから!!
「俺の名は月読だ。今からお前を異世界に送るからなー」
「...ワッツ?」
月読?マジかよ...なんかイメージと違うんだけど。...てか、無視したのに勝手に話し出した挙句とんでもないこと言い出したぞ?!驚いて言葉が自然と漏れた。
「いや、だから違う世界に行くんだよ。勿論お前の妹達もだからなー」
「...アッハイ」
「じゃ、話し続けるぞ、お前ら簡潔に言うととばっちり受けたんだよなぁ。向こうの召喚の...。だから、まぁ、なんの力もなくあっち行ったら死ぬってお前の妹のモンペしてたやつが騒いでな、力を与えるために少し付き合ってもらうぜ?」
何その怖いモンペ。そんなん妹にいるの?知らなかったんだけど...まぁ、力くれるならいいかな?異世界って言うと戦うこととかあるだろうし、それで無力なまま生きられるなんて楽観的に考えれないしね。
「...お前はどんな力を望む?」
「(力か...俺は...)俺は、危険なものを見つける力が欲しいです。そうすれば、結果的に守ることにも繋がるので」
早く見つければ自由奔放なあいつらを止めたり、危険から遠ざけてやることができる。一応兄だしね...
「いいぜ。そういう力なら俺の得意分野だしな!!」
「...そうですか。それで、どのような力を貰えるのですか??」
「あー、お前やっとまともに話したな...」
「いや、なんかもう情報量が多すぎていろいろと吹っ切れました...」
「お前、苦労人ってやつか...。大変だな、そういうやつの周りには変人が寄ってくるだろうしな。で、力はまぁ、サポート重視って感じになるな。詳しくは言わないけどな。それで、どういった戦い方がしたいんだ?」
「(妹が変人なんで、もう十分なんですけど...)サポートなら、弓がいいですね。一応学生の時部活で弓道してて、それなりに成績納めてたので」
下手に剣士とか魔道士だといざとなったらキツいだろうし...それに、月読様なら弓との相性も確実にいいだろう。
「(へぇ、弓か。なら、十分力を発揮できるな!!)分かった。あと、力のことだがお前の妹が向こうに着いてから欲しいらしくてな、お前に預かって貰うけどいいよな?」
「(紅羽か。そうか、召喚だもんな。確かにその方が安全か...)どうやってですか?」
「まぁ、力の一部だ。無限に収納出来る空間を持ってるって感じだなー。因みに無限収納のことは周りに気づかれないようにするから安心しろ」
「(アイテムボックスみたいなのか...便利だな!)そうですか、ありがとうございます!!あと...すいませんが、向こうに行ったら頭の中で会話することってできます?」
その方が確実に逃げれるだろう。多分紅羽もそういった可能性を思ってるだろうしね...
「(??...まぁ、別にいいか)いいぞ。けど念話だけだからな?」
「はい!!」
「じゃあ、無駄に長引いてもあれだし、さっさと終わるか。あ、お前の妹2人とも性転換するらしいから、1人だけってのは可哀想だからお前もしとくなー」
「(へー、性てn!?!?!!)いや、ちょ?!!待って!!」
「(...なんか言ってたか??)じゃあなー」
END
「ってことで俺が女になったのはお前らのせいだっ!!」
「...ぶふっwwwwwwwwいや、まさかそれが理由で?!wwww女にwwwwとかっ!ドンマイ」
「(´º∀º`)ファーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「雪華はともかく、紅羽は草だけ生やすな!!」
「wwwふっwwwwwはぁwww...いや、無理だろ!!いやー、相変わらずだな、にーちゃん!!」
「笑い事じゃないからねっ?!」
いや、私らに巻き込まれて女になるなんて不憫すぎるだろ?面白いけど!!いやー神様いい仕事したよなっ!!
「んー、でも雪華はにーちゃん女でもいいと思うよー。むしろ、にーちゃんが女で紅羽が男の方がなんかしっくりくるしね!!」
「「おい、喧嘩売ってんのか?!てか、お前だけには言われたくないわ
「まぁ、雪華は自分がちょっとガサツなこと知ってるし!」
「...ちょっとか?」
「いや、ちょっとじゃないよね?!本当に雪華はキッチン近づかないで!!これ以上俺のトラウマと胃痛増やさないで!!お願いだからっ!!」
いやー笑った笑った。久々にこんなに笑ったな!!
「じゃあ、そろそろ力が入った飴食べるか?気になるし!」
「いいね!雪華のどんな力なんだろー!!すごい楽しみ!!」
「そうだね、じゃあ、とりだすよー。......シャッ...ゴソゴソ...」
「いや、ちょっと待て!!なんだよ!その取り出し方?!なんか思ってたのと違うんだけどっ!!」
「わーすごいねっ!!にーちゃんの手見えないよっ!」
そこには驚くべき光景があった。カバンとかのチャックを開けるような音が空間から聞こえた上に、空間に入れたらしい兄の手は消えているように見える。
「いや、うん。俺もびっくりだから。...あっ、飴あった。...何コレ、飴?」
「...綺麗、これ本当に飴か?」
「これ、食べてもいいのっ?」
兄の手の中には3つの飴があった。その内の一つが綺麗で目に止まった。
「ほら、この飴凄いキラキラしてるよ!!海みたいな青に雪の結晶がひらひらしてるっ!!雪華これ食べたいなぁ...他の飴透明だしなぁ」
「「え?その飴が透明に見えるんだけど...」」
「え?じゃあ2人には他の飴どう見えてるの?」
「私はこれが綺麗に見えてる。太陽みたいな色に炎と光が揺らめいてる感じ...」
「俺はこれかな。夜空みたいな濃い紫に星が散りばめられてる感じかな?」
私達が指し示したのは誰一人として被っていなかった。
「それぞれが綺麗に見えたものを食べろってことかな...」
「多分な」
「やった!じゃあ、これ食べていいんだねっ!!じゃあ、いただきまーす!!」
パクンっ
「んーほにょふぁめ、おいひぃ」
「お願いだから日本語で話せ」
「語彙力元からないのにさらにダメになってるんだけど...」
コプッ...コポ......パチッ
突然雪華が水と雷みたいなのに包まれ雪華が見えなくなった。だが驚く間も無く、雪華の中に吸い込まれていった。出てきたのは雪華ではなく、深い海を連想させるような蒼い髪にエメラルドグリーンの優しげなタレ目をした褐色でガタイのいい、所謂ワイルド系なイケメンの青年だった。
「いや、誰だよ!!」
「ちょっ、雪華どこ行ったの?!」
「ここにいるじゃん!!」
青年が元気に答えた。声もイケメンってどういうことだよ!...だけど、話し方が雪華と同じだ...
「...もしかして雪華なの?」
「そうだよーなんでそんなこと言うの?」
「いや、色どころかさらに姿変わってるよ...」
「うわーっ!!ホントだ!最初の男の姿もビックリしたのになんかさらにがっしりしてる!!いい感じの筋肉だねっ!!」
「元男としてどうだ?にーちゃん...」
「...泣いていいかな?」
「なんか、めせんもたかくなってるよっ!」
そう、最初に性転換したときの雪華の男の姿はまんま雪華を男にしたみたいで身長も変わらず156であった。だが、今の雪華は170ほどあるように見える。
「紅羽...ドンマイ☆」
「...ハッ、飴食べたら伸びるから大丈夫だな!!」
「(フラグだ...)ソウダナー。...じゃ、次は俺が食べるね」
カランッ
「あ、ホントだこれ美味い」
...ヒューー...ゴォォォ...
兄が飴を食べると風が吹き荒れ、兄を囲い込むようにして姿を隠したかと思えば雪華と同じように兄に吸い込まれていった。
出てきたのは出るとこでて引っ込むとこは引っ込んでいる女子力が高そうな優しげな可憐な女性であった。白銀色の髪のツインテールに蜂蜜を溶かしたかのような綺麗な瞳、薄桃色の花をのせたかのような柔肌...
「「にーちゃん喧嘩売ってんのか?/売ってるの?」」
「なんで?!」
「いや、だいぶイラッとしただけだよ?」
「いや、その胸の脂肪削ぎ落としてやろうかと?」
「やめて!!俺もこうなりたくてなった訳じゃないから!!」
こんな女いてたまるかよ...そういうのは2次元だけだろ!!だが、身長は元よりは8センチほど縮んで165くらいに見える
「にーちゃん雪華よりちぃさいね!雪華の方が大きいー!!」
「ざまぁwwww」
「やめろ!!ほら、はやく紅羽も飴食べて!!」
「はいはーいwww」
コロンっ
「ん、おいし...」
パアァァァァァァァァ...ボォォォ...
自分でも分かった。光と炎に包まれて、どんどん体に吸い込まれて、力が漲ってくることが...
「ふぅ、で、どうなった??」
「...えっとね、髪の毛が暗い紅色から下に行くほどに明るい紅色で、襟足にいくほどながくなってるよ。それと、目がね髪と同じ紅色なんだけどなんか、それよりも深い色の輪っかみたいなのが見えるよ...うん...」
へぇ、黒と紅かぁ、好きな色だから嬉しい。腕を見てみると陶器みたいな白く、きめ細やかな肌だった。...それと、凄く細い...
「...あー、紅羽、現実逃避してるとこ悪いんだけどさ、身長変わってないよね?150くらいに見えるんだけど...それと、なんだろ、本当に男なんだよね?声もさ中声みたいなんだけど...」
「...絶望したっ!!現実逃避くらいさせろよっ!!」
「...なんか、紅羽女だった時よりも弱そうに見えるよ...??雪華が大きくなったからかな?」
うわ!なんでだよっ!!陰より陽を上げるんなら体も大きくしろよ...てか、これで陽とバランス取れてんのか?
「てかさ、紅羽、雪華。流石にこの漢字の名前と話し方じゃダメだと思うんだよね。特に雪華の話し方が」
「えー、ダメかなぁ〜?」
「そうだな。あと、雪華ダメだ。それはもうギャップとかの範疇じゃない」
「じゃ、名前考えたんだけどさ、俺がナツナ、紅羽はヒガン、雪華はユキでいいかな?」
「...あぁ、私が好きな花か。よく覚えてたな、別にいいぞ」
「雪華もあんまり変わんないしいいよー。」
「じゃあ、それで!」
「あ、じゃあ、にーちゃ、えっと、ナツナのことはなっちゃん、ヒガンのことはひぃくんってって呼ぶねー」
「ん、あー分かった。じゃあ私はナツナのことはナツねぇユキのことはユーって呼ぶな」
「じゃあ、俺はヒガンとユキそのまんまで」
「で、話し方はどうするつもりだ?ナツねぇ、ユー?」
「俺は私だけ変えるよ」
「雪華は俺かなぁ?あと、少しは話し方変えるね」
「おー、それでいいと思うよ。真面目な可憐な子と優しげなイケメンに見えるし」
「ヒガンはどうするの?」
「あー、話し方はこのままでいい。私を俺に変えるくらいだな...」
「「見た目そんなんなのに?」」
「...はっ倒すぞ」
私達、いや、俺達はここの世界や姿に馴染むため合わせることにした。
長いのにここまで読んでくださってありがとうございます!!2人の神様との出会いが思いのほか長くなってしまいまして...。雪華が須佐ノ男ではなく武甕槌命だったのは脳筋だからです。ご了承ください!次話投稿できるよう、これからも頑張ります!!あとなんか、ブクマついてて驚きました...