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三人の力。雪華編

in宿



 私達は宿に入った。宿の外見は普通だったのだが中はベッドとトイレがあるだけだった。日本にいたとき一軒家に暮らしていた私にとってこの狭さは衝撃を与えた。



  「うわぁ...なんだここ。いくら何でもないだろ!!」



  「雪華どこでもいいとは言ったけどこれはびっくりなんだけど〜マジでウケるwww」



  「...本当にね。寝るだけの宿ってことになるのか」



 ちなみに上から私こと紅羽、雪華、兄である。さすがに2人とも驚いた様子だ。だが、驚くよりも私達には優先すべきことがあった。



  「まぁ、この部屋の酷さは置いといて...。事故った後の召喚前何があったか教えてくれるよな?にーちゃん。雪華??」



  「分かってる。ちゃんと説明するから。けど、誰から説明する?一人ずつ聞いた方が整理しやすいと思うよ?」



  「んー?じゃあ、雪華から説明してもいいよー!!そんときのこと覚えてるけど、実は意味分からなかったし!!」



  「...なぁ、よくそれで今まで生きてこれたな?私はお前という存在が不思議でしょうがない」



  「大丈夫、俺もあいつを理解できるの人外だけだと思ってるよ」



  「ちょっ!!雪華人間だよ?!まぁ、いつもの事だしいいかぁ。じゃあ、何があったか言うねー!!」






雪華side


 目を開けると雪華は草原に横たわっていた。



  「うーん...えぇっ?!なにこれ!!ココドコ?!」



 えっと、たしか...さっき大きなものがいきなりぶつかって...



  「ってことは、死んじゃったってこと?!まだ、やりたかったこといっぱいあるのにっ!!そんなことって!!......ヒック...うぇっ...ズズっ...」



 雪華は現実を見たくなくて、でも、そうとしか思えなくて...自然と涙が頬を伝っていった。そんな時、おじいちゃんみたいな声が聞こえた。



  「これ、嬢ちゃん。泣くでない」



  「ヒック...おじいちゃん、誰??あと、泣くなって無理だよっ!!だって、死んじゃったんだよ?!」



  「いや、死んでないぞい。ここはワシの神域じゃ。少し移させてもらったんじゃよ。安心せぃ。ここでの時間は現世(うつしよ)では少しもたっておらんからのう...」



 正直、言っている意味がさっぱり分からなかった。だって、そんな言葉普段聞かないしっ!!



  「あの、神域とか現世ってなに??あと、おじいちゃん本当に誰?」



  「嬢ちゃんアホの子だったか...。それと、すまんかったのぅ。自己紹介がまだじゃったわい。ワシは武甕槌神(たけみかづちのかみ)じゃ。まぁ、神様じゃな。神域はワシの家みたいなもんで、現世は嬢ちゃん達人間がいる場所じゃ。」



  「...えっと、神様、ですか?」



 いくらバカやアホって言われてる雪華でも分かった。ちゃんと、丁寧に話さないとって...でも、やっぱり優しかったんだ。神様。



  「ほぉっほぉっほぉっ。そんなに萎縮せんでもよいぞ。先程の話し方で構わんぞい。あと、おじいちゃんでよい。」



  「ほんとにいいの?雪華のままで?...えっと、ありがとう!!おじいちゃんっ!!」



  「どういたしましてじゃ。...とりあえず、これからのことを話さんといけんのぅ...突然じゃが、嬢ちゃんには別の世界に行ってもらうことになってしまったんじゃ。あちらの人のせいでのぅ」



  「えっ...?別の世界??そこじゃないとだめなの?.........ねぇ、にーちゃんと紅羽は?一緒じゃないの?一緒じゃないなら、雪華だけならやだ...」



 ずっと不思議だった...事故に遭うまえは一緒にいたのに、どうしてここに居ないんだろうって。悪い予想ばかりが頭によぎった。


  「そうじゃ。こちらに戻ることはできん。だが、嬢ちゃんの兄と姉も一緒じゃよ。二人は別の神のとこに今はいるぞい」



  「ほんとっ?!なら、別にいっかぁ〜」



  「ずいぶん軽く言うのぉ...。向こうに行かなければならない理由は聞かなくてもよいのか?」



  「...それが雪華にとって一番大切なことだから!!あとね、それは大丈夫だよ。だって、あの二人は絶対に理由とか聞くよ?だから、雪華は知らなくても大丈夫」



 ただ、それさえ分かればよかった。その事さえ知ることができたら、雪華は前に向かって進めばいいだけだから...



  「...そうか。では、力を渡すが希望はあるかのぅ?」



  「???力?なんの??」



  「嬢ちゃんが行く世界は人を襲うモンスターが沢山おるんじゃ。だから、力なくしては恐らくすぐに命を落とすことになるじゃろうな...いわゆる嬢ちゃんの世界で言うならば、ゲームだったかの?そのような力を渡そうと思っておるんじゃが、嬢ちゃんが欲しいと思うような力がちと知りたくてのぅ」



  「雪華が欲しいと思ってる力......」



 雪華はあまりゲームをしないから詳しくは分かんないんだけど、ずっと、欲しかったもの......こういうことが出来たらなって思ってたんだ...



  「...雪華、強くなりたい。いつも守られてばかりだったから。何も出来なくて、少し悲しくって悔しくって、後悔したこともいっぱいあったんだ...。だから、真っ先に敵を倒せるような力が欲しい。そしたら、にーちゃんと紅羽のこと守れるんだよね??少しは頼ってもらえるようになりたい...そうするために雪華に必要なのは、何になるの?おじいちゃん??」



  「...強く...か。嬢ちゃんはいい子じゃな。だが、本当にそれで良いのか?先に敵を倒す力となると、前線に出なければならないから怪我も多くすると思うぞ?それなりの覚悟もいるじゃろうしな。もう一度聞くが、それでよいのか?」



  「いいよ!!てか、雪華の場合考えるの苦手だから突っ込んでくスタイルのほうがいいと思うんだよね...。運動神経は唯一自信あるしっ!!けど、前線に必要なものってどういうのか分からないから、おじいちゃんが雪華に合ったもの選んでくれると嬉しいんだけど、ダメかな??」



  「良いぞ、少し見てみるとするかのぅ...............?!これは...嬢ちゃんは本当に女子(おなご)じゃよな??だとしたらこれは...」



 おじいちゃんは凄く驚いていた。てか、雪華ちゃんと、女子だよ?現役JKにそれはどうなの...?



  「むぅ...雪華、ちゃんと女子だよ?」



  「いや、分かってるんじゃが......いやなぁ、嬢ちゃんの適正に一番適合していた職業が格闘家だったんじゃよ。しかも、これは原石と言っても違いないのぅ...」



  「そうなんだ!!やったぁー!!直接殴れるなら当てればOKだねっ!!」



  「嬢ちゃん割と物騒じゃな...いや、脳筋か。だが、嬢ちゃんはワシの所で良かったわい。相性いいじゃろうしのぅ」



 雪華そんなに物騒かな??考えて攻撃するより早く攻撃して潰すほうが倒しやすいかなって思っただけなのに...。攻撃こそ最大の防御だと思うんだけどなぁ〜。あと、相性ってなんだろう??...あとで、2人に聞けばいっか!!



  「雪華もおじいちゃんで良かったよー!!なんか、落ち着くし!!」



  「そうか、そうか。嬉しいことを言ってくれるのぅ。力を渡したい所じゃが、なんかバレたら厄介だとか嬢ちゃんの姉が言っとるらしくての、力の形を変えて嬢ちゃんの兄に渡すから向こうで受け取るんじゃ。あと、格闘家は男の方が力を強くすることができるから嬢ちゃんの性別を弄らせて貰うぞい。」



 ん?紅羽??なんで力がバレたら厄介なんだろう??強いのはいい事じゃないのかな??........え?性別??まぁ、強くなるならどうでもいいかなぁ〜



  「いいよ〜。じゃあ、おじいちゃん色々ありがとう!!あと、嬢ちゃんじゃなくて名前!!雪華だよ!!」



 突然周りが明るくなった。自然ともう、時間が来てしまったことが分かった。だから、最後は呼んで欲しかったんだ。嬢ちゃんじゃなくて...



  「いや、ワシもなかなか楽しかったぞい。じゃあの、嬢ちゃ、......雪華!!」



  「?!うんっ!!またねっ!!おじいちゃんっ!!」



 ...きっと、笑顔でばいばい出来たよね??






  「...また、か。生きるんじゃぞ、雪華」




雪華side END






  「......ってことがあったんだぁ!!」



  「雪華、俺お前のことある意味尊敬するよ......」



  「.........」



  「紅羽、なんでそんな死んだ魚みたいな目してるの??マジ怖いんだけど!!」



  「...そういえば、俺達一応神社か陰陽師関係の血筋だったよね??分家過ぎてよく分かんないんだけど...たしか、それで紅羽、なんか気に入られたっていう当主のおじいさんに呼ばれてしょっちゅう本家の家行ってたよね...??なんか、不味いことでもあったの??」



 そう、今更だけど、私達は一応そういった家系だ。まぁ、私以外関わりはあまり持ってなかったんだけどな...。でも、だからこそ雪華が会った神様の凄さが分かった。


  「...あぁ、不味いって言うか、武甕槌神って私的には日本の戦神の中で一番なんだよな...だから、相性がいいって雪華の戦闘スタイルや力。なにより強くなりたいってことだろうなって...」



  「?!おじいちゃんそんな凄かったんだっ!!あと、相性いいってそういうことなんだっ!!」



  「...それはまた...。だけどその方がいいって俺は思ったんだけど??」



  「凄いってもんじゃないと思うぞ??...いや、それはそうなんだけどさ、そんな戦神が雪華の担当だったんだろ??元々女子力物理の脳筋に力与えたらって思うとな...」



  「えぇー。雪華そんなに酷い??」



  「あ〜...それは。敵が不憫だな!!出会ったら逃げるのが賢い判断だろうな!!」



  「それな...」



  「もぉー。それよりっ!!雪華話し終わったんだから、次、紅羽かにーちゃんが話す番だよっ!!」



  「あーじゃあ、私が先に話すとするか...。その方がにーちゃんの話に繋がるだろうからな」



  「そうだね、紅羽が案を出したこともあって受け取る物とかあったし......」



 てことで次は私が話す番になった。だけど、その前にあのアホに言いたいことがあるんだよな...。にーちゃんも同じこと思ってるみたいだしな。



  「「あのさ、雪華」」



  「ん?どうしたの2人とも?」



 ...言いたいことは同じみたいだから、このまま続けることにした。



  「「(じゃ。言うか/言おうか)お前のこと頼りにしてるからっ!!」」



  「えっ??あ、.........うんっ!!あの、一生懸命頑張るから、期待しててっ!!」



  「てか、そんなこと思ってたんだな...守ってたつもり俺はないんだけど」



  「本当にな。それに、それなりに頼ってたつもりでもあったんだけどな...」



  「えぇー。守られてたしー。それに、頼られた記憶なんて無いんですケド!!」



 (本当にアホだな、こいつ...。てか、よくもこんなこと神様に言ったもんだな...。頼られたい...か。)



 まさか、私は雪華の口から流れとはいえそんなこと聞くとは思ってなかった。私やにーちゃんは雪華が騒いでるのを見ながら必死に頬の緩みを隠していた。



第二話投稿することができましたー!!ヽ(*´∀`)ノ。なんとか1週間くらいで次話投稿できて良かったですっ!!思ったより長くなりそうだったんで切ることにしました!!面白かったと思えたら作者冥利につきます!!この小説の脳筋馬鹿力枠の子は女の子です。まだまだ、文章は拙いかもしれませんがこれからもよろしくお願いします!!

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