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夢の狭間でもう一度


 ん?何だろうこの声......?私と、そっか、私の大事な......



 「ねぇ、○○。どうしよう......もう、お母さんも、死んじゃった、病気だって、ずっとずっと知ってて、弱っていく姿を見ることしか出来なくて私、......助けたかったのに、出来なくて...まだ何の役にも立ててなかったっ!!......ごめん。支離滅裂だし、○○に言っても困るって分かって、るん、だけどっ」



 「全然いいんだよ......。ごめんね。あたしも紅羽のこと助けること出来てないよね?あたしが聞きたいだけだし、そばに居るんだよ。それしかできないけど......。この先あたし就職だし、紅羽とは進路別々になっちゃうけどさ、連絡取るし会いに行くから、遊ぼうね?約束だよ。ちゃんと、困ったら頼ってね......助けることが出来ないことでも絶対に見つけるから、駆けつけるから......」



 「そっか......うん。幸い兄ちゃんも、雪華も○○もいるもんね、贅沢だわー......ははっ。なんで○○が泣くの?ほら、手で擦ったら赤くなるでしょ?」



 「だ、って、無理だよ......。だって、辛いのに、泣きたいのは紅羽なのに、泣けてないじゃん!!」



 「......そーだね。でもさ、今、泣いてる暇ないんだよね。私、一応お母さんのこと看取ること出来たんだ、病院だけど。そん時さ本当に久々ににーちゃんが泣いてるし、雪華が泣いてるのに泣きやもうとしてたの。あの二人、強いんだけど、弱いんだよ。私が言えることじゃないかも知んないけど......。けどさ、だからこそ落ち込んでる暇ないでしょ?これからまだまだやらなきゃいけない事があるし、きっと大変になる。だから、今泣く訳にはいかないんだ」



 「紅羽のお兄さんは顔は知ってる程度だけど、雪華ちゃんは強がりだもんね......」



 ......やっぱこれ私が高校生の時の??夢だろうけどなんで今更こんな夢見てるん......あぁ、寝る前に未練を言ったせいか、一日目はそんなこと考える時間なかったからな。それにしても、本当に世話になったよなぁ、会いたい......な。ん?まだ夢覚めないのか......



 「だよね。雪華さ、友達はいるけど、広くて浅いって感じなんだよね......足湯的な深さのレベルwww。私にとっての○○みたいな人いないんだよね......「紅羽達がいるでしょ?」ん?いや、私とにーちゃんは抜いて」



 「紅羽の悩み山盛りだねwwwww多分だけど、考えることが多い方が心が楽になるのかもね......でも、泣きたい時はちゃんと泣くんだよ?その時もそばに居るからさ。ほら、前から言ってるでしょ?紅羽とは運命共同体だって」



 「了解。そん時はよろしく!!だね、幼なじみでもないのになんだかんだもう10年一緒だしねwwwww運命共同体って聞くとさ、マカロン思い浮かばない??」



 「フフっ、分かるwww。良かったら、今度一緒に作ろっ!!」



 「いいね、それ!!」



 懐かしいな、ほんとに片方就職、片方大学だったのに頻繁に会って遊んだよなぁ〜。あーぁ、また、今度遊ぼうって言ったのに、もう、無理か......。きっと、知らないんだろうな......あの時実は結構切羽詰まってて、無意識だろうけど、ちゃんと救い出してくれたのは○○だってこと。家族以外で唯一、私を知ろうとしてくれた大切な友達......元気に、してるかな......?






 ......何だろう、この感触??使ってた抱き枕じゃないよな??プニプニしているし、小さい.....



 『主様、くすぐったいですっ』



 「んあ〜?......そぉーか、カシワだぁ、おはよう......」



 『はい!!おはようございます!』



 「ふわぁ......ちょっと、ごはん、つくってくるな...」



 『大丈夫、ですか?その、目から水が......』



 「(ホントだ。なんか変な夢でも見たのか?くっそ、覚えてない)大丈夫だ。今日、寝起き、よかった方だから......あれ、ゆ〜?」



 なぜか頬まで伝っている涙を手で拭いながら隣のベットを見てもユーがいないし、上手く働かない頭で辺りを見渡すも、見つけることが出来ない。



 『ユキさんならロードワーク?に行ってくるって言ってましたよ?』



 「っナツねぇ!!ユーがロードワーク行った!!」



 流石に目が覚め、もう片方の隣のベットで相変わらず寝ているナツねぇを叩き起こした。



 「いったいなぁ......何?まだ、薄暗いから寝ててもいいでしょ?ロードワークなんていつも行ってたし」



 「いや、ここ異世界っ!!1人で危ないだろっ!迷子になるかもしれないし」



 「はいはい。あー、そんなに遠くには行ってないし、危なそうな人周りにいないから大丈夫。迷子はヒガンじゃあるまいし、ないでしょ......じゃあ、二度寝するから」



 「なら、いいが......。二度寝すんなら朝ごはん作るから寝る前に必要なもん出せよ。カシワはどうする?まだ、寝るか?」



 『ご飯作ってるの見ています』



 ユーが安全だと知り、ならいいかと思いご飯の支度を始めた。まぁ、支度と言ってもギルドで残したパンを使ってサンドウィッチだから楽ちんなんだけど......はぁ、和食作りたいけど材料がないんだよなぁ。



 「ふぅ、久々に体動かしたー。お、ひぃくんもカシワも起きたんだ?おはよー!!ご飯出来てる?」



 『おはようございます!』



 「はぁ、おはよう......あのさ、出かける時せめて誰かに伝えろよ?安全は保証されてないんだから」



 「えー。面倒臭いよ!!なっちゃんはから返事だし、ひぃくん寝起きくっそ悪いじゃん!!それに、途中で起こしたらヤクザもドン引きの顔と声だからね!!」



 「......じゃあ、置き手紙にでも書いて行け、いいか?」



 「う〜ん、それならいいかな」



 「ふわぁ......おはよ......」



 「「『おはよう/おはようございます』」」



 ナツねぇも起きたことだしご飯を食べ、少し部屋でゴロゴロした後、身を整えた。カシワは昨日と同様に着物の袂に入れて外に出た。



 「今日どうしたい?依頼受ける?」



 「受けようよ!プラントじゃなくて少し戦える敵がいいなぁ」



 「それもいいけど、俺はもう少し街回ったりここの情報が欲しい」



 「じゃあ依頼を受けて、街回りながら情報収集でおk?」



 「「おk/いいともー!!」」



 ギルドに着き依頼版に直行した。ここのギルドの依頼版は適正ランクごとに依頼が貼られているのでとても見やすい。適正とは違う依頼も受けられるそうだがな。Fランクの依頼は異世界でお馴染みのゴブリンとオークの討伐依頼しか無かった。



 「......よりによってこのモンスターか」



 「ナツねぇが危惧してることは分かるが、俺たちのギルドランクやレベルの敵としちゃあいいんじゃねぇか?」



 「ゴブリンってあの時の?別に死ぬほどの相手じゃないのにどうしたの?オークは食べたモンスターのお肉でしょ?」



 「いや、もしここのモンスターが特殊じゃなければ私たちの内誰を襲うんだろうなって......」



 「え?モンスターって襲わない人とか居るの?」



 ここにおけるナツねぇの襲うとユーの襲うは全く違うがユーが知らないのは普通か。



 「ナツねぇ、別にハッキリ言えばいいだろ?勿論殺しにかかってくる。だがな、このモンスター達はまぁ、種族を選ぶか知らないが雌、女を性的な意味で襲うって言った方が正しい」



 「何それサイテー女の敵じゃん!!尚更倒さないと!!だから、オークのお肉渋々買ったんだね......俺は美味しければいいけど」



 「......ヒガン、もうちょっとオブラートに包んで言ってよ、間違ってないけど。それよりも気になる事があるんだよね」



 「繁殖目的だけでなければってことだろ?」



 「それ以外にあるの?」



 「ナツねぇ本当に遠回しだな。はぁ、繁殖目的なら、間違いなく女の体をしたナツねぇだけ襲うだろう。繁殖目的だけでなく"女を襲い"、本能で性別を感じ取ることが出来るならナツねぇは男だし俺やユーは女に当てはまるかもしれない」



 「そーゆーこと。補足するならヒガンの性別詐欺の称号が影響をもたらすか、かな」



 「うっわぁ、なっちゃんだけ襲ってくれないかな......」



 「その可能性は高いから大丈夫だ」



 「ぜんっぜん大丈夫じゃないからっ!!縁起でもないこと言わないでよ......」



 「「で、どっち?」」



 「......ゴブリンで」



 (オークは視覚的に避けやがったか)



 (オークならお肉捕獲できるかと思ったんだけどなぁ)



 ナツねぇがそう言いながらボードから依頼の紙をとった。



 受付に持っていく途中で若者の集団が同じ方向に行き、扉の向こうに入っていった。



 「あそこでなんかあんのか?」



 「ユキと同じくらいの子達だね......どうやら、武器を使う練習とかできる特訓場みたい。若い冒険者は命を落としやすいし、ある程度扱えるように特訓できる場所をギルドは作ったってことかな」



 「なにそれ、楽しそう!!ねぇ、それって俺達も出来るの?!」



 「誰でもご利用出来ますよ」



 扉の方を見ながら会話していると急に後ろから声をかけられ、振り向いて見るとギルド嬢だった。



 「あなた達はまだ初心者の冒険者ですし、特訓した方がいいと思いますよ??あくまでも基礎の練習が出来るだけですが......冒険者で教えてくれる人もときどきいらっしゃいますし、中には強いと評判のある方も暇な時教えに来てくださいます」



 「ホントっ?!ねぇ、いいでしょ?なっちゃん、ひーくんっ!!」



 「あーもう、仕方ないなぁ......」



 「おい、マジでやるのかよ」



 「それどうい「やったー!!!」



 (ヒガン、なんで渋ったの?)



 (うぉっ?!テレパシーか、いきなり止めろよ!!驚いたわっ!!)



 (ごめんwwwで、なんで?)



 (んー、基礎用の物でやったらユーが道具破壊しかねないよなって思っただけだ。それに、初心者でそれは目立つかなって)



 (あっ......ああああああああぁぁぁっ!!)



 (うるせぇ、もう、止めるの無理だぞ?あいつ嬉しそうにしてるし、ギルド嬢は微笑ましそうにこっちみてるからな......止めるならナツねぇが止めろよ)



 「無、理☆」



 「なっちゃん?いきなりどうしたの?あ、でもやっぱりやめとこー?今日は依頼受けるつもりだったし!!」



 それを聞いた途端、ナツねぇがオワタポーズから立ち上がり万歳三唱をし始めた。



 「ユー、いいのか?」



 「うんっ、今日は依頼するから、明日特訓しようね!!」



 「......まぁ、そうなるよな」




 あ......ナツねぇが倒れた。

コロナが広がるぅぅぅ

皆さん感染してませんか?マスクの捕獲大変ですよね......

外に出にくい現状で少しでも楽しんでくれると嬉しいです

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