初めての依頼と初めての従魔(挿絵あり)
キャラデザの挿絵ありです。本当にご注意ください。
見たくない人は非表示や目を薄めるか閉ざすかなどをし対策してくださいペコリ((・ω・)_ _))
門を出て少し歩くと草原地帯が広がっていた。今下駄だから草が時々足先に当たってくすぐったい。
「薬草を見つけられる気がしないんだが......」
「どんな形なのかわかんないもんねぇ」
「フッフッフッ!!こんな時のために私の目が役立つのだよ!!集める数は20本、見る限り思ってた以上に直ぐに達成できそうだよ。これならプラント討伐の依頼も余裕をもって出来そう!」
「ソレハヨカッタナー。」
「ひぃくん。棒読みやめたげなよ。なっちゃんせっかくドヤ顔してるんだから......」
「もういいっ!!鑑定!」
ナツねぇが薬草が多く生えている場所をギフトを使い見つけたので、そこで薬草を集めると全部で38本集めることができた。ギルドに渡す分と残りの余ったものを分け、ナツねぇが収納した。
「ふぅ、鑑定終了!」
「疲れてるように言ってるけど、一瞬だったじゃねーか」
「呆気なかったねー」
「すぐ終わるのはいいことでしょ?さぁ、プラント倒して以来達成とレベル上げだよ!最低依頼の10体は倒さないと」
ナツねぇのテンションが振り切れている。深夜じゃないのにな......こうなったナツねぇには何を言っても無駄である。
「ねー、なっちゃんのギフトでプラント見つけることってできないのー?」
「もちろんできるよ。けど、せっかくだから使わずに見つけて倒したいんだよね。ここは奥の方じゃないからいまのところ危険なモンスターは居ないからさ」
「だな。なつねぇに頼りすぎるといない時大変なことになるのは俺とユーになるからな」
必ずナツねぇが見ているとは限らない。少し離れていたり、気を抜いている時もある。そんな時、敵に襲われたら待っているのは最悪、死だ。ここは異世界、安全だった元の世界とは違う。冒険者と言う死と隣合わせの職業が普通に存在する場所だ。
「さっきからなんか足がチクチクする......」
「ん?おい、それ!!」
「ユキ、それすぐに土から引っこ抜いてっ!!それがプラントだよ!!」
「わわぁ!!よーし、それっ」
ブチブチィ
「これでいいの、なっちゃん?」
「躊躇い一切なかったね......うん。ちゃんと死んだみたいだよ」
プラントは情報道理に土から抜けば枯れたように萎びて死んだ。根っこが残っていたらいつかまた生えてくるらしいけどな。この調子で、見つけたら雑草毟りのように抜いていった。時々足首に絡みつかれて転びかけたりしたが、怪我もなく終わった。数多くのプラントが生息していたようで一心不乱にプラントを毟った。
「簡単だったけど、足に絡みつかれて疲れたな。地味に厄介だった」
「俺、中腰続けてたから腰がすごい痛いんだけど」
「ユキは背が高いからね(笑)。目を使わないのって割と大変だったよ......あまり普通の草と姿に違いがないからどこにいるか分かりにくいし」
プラントの依頼も終わった俺達はもう少しこの草原を散策することにした。
「どっかに俺でも従魔にできそうな魔物いないか探したいんだけどいい?」
散策しながらでも出来るかと思い提案した。草原になら危ない魔物もいないからな。
「オーケー。ちょうど、スライムの群生地があるけどそこに行く?ヒガンがスライムでいいならだけど」
「スライムなら知ってる!!あのしずく型の崩れたみたいに笑っているやつだよね!!」
「なつねぇぇぇっ、スライムどこにいんの!!プニプニ欲しい!!群生地?パラダイスだろーーが!」
「うわっ!落ち着いて、分かったから!!ユキ、こっちのスライムは顔無いようだよ」
「そっかぁ、顔ないんだねぇ。目がないのに見えるのかなぁ」
「いよっしゃゃゃゃゃゃっ!!」
ナツねぇの案内によりスライムの群生地ことパラダイスに着いた。そこには半透明な色とりどりのスライムがいる。草原にゼリーやグミが落ちているかのようなファンシーな光景だ。
自分からは攻撃してこないけど、触ったら攻撃ととるかもしれないから触っちゃダメだよと言われ、眺めるだけにした。それにしても目の保養になるわー。
「ヒガン......狂気感じるんだけどどのスライムにするの?なんなら私が見定め「いや、いい。自分でやりたい」...ア、ハイ」
「プルプルして美味しそうだなぁ。お腹減ってきたんだけど〜」
「え?スライム?いつの間にこんなに近く......」
俺が見つけたのはいつの間にか足元にいた何色か判断出来ない片手より少し大きなスライムだった。正確には半透明な白色なのだが、周りの色も映って揺らめいている。キラキラと太陽の光も反射していて綺麗だった。
俺の声に2人が反応ししばらく3人で観察しているとスライムが後ずさりはじめた。
「ヒガン。スキル使ってみたら?ほら、言語理解あったでしょ?読んでみようと思ったけどさすがに魔物の言葉は分かんなかったよ......けど、このスライムはこっちに興味があるみたいだよ」
「じゃあ、話してみるぞ?......えっと、こんにちは?」
『?!』
「そんなにキョロキョロしなくても俺が話しかけてるのは君で合ってるよ。もしかして話せてないの?」
『......話してること分かります。僕、初めて人と話しました』
「(敬語僕っ子キター!男の子かな?...スライムに性別あるのかわかんないけど)まぁ、このスキル特殊らしいからね。あのさ、単刀直入に言うけど俺は魔物使いで君が気に入ったから従魔になって欲しいんだけど。大丈夫、無理矢理はしないから」
『僕はスライムですよ?だから強くないです。ここを通っていく人が口々に言うんです。スライムには価値がないって......多分魔物を連れてたから魔物使いだと思いま「価値がねぇのはそいつにとってで、1人だけが決めることじゃないだろ」
『え?』
「あのさ、価値なんて人それぞれなんだぞ?例えば俺だって他のやつからしたらただの他人で死んでもきっと気にしない。けど、きっと泣いてくれて、俺の死を受け止めても覚えててくれる人もいる。まぁ、そんなに(あっちでも)人と関わってないから極小数だと思うがな。な?価値なんて人それぞれだろ......って説教臭くなったな」
『...それぞれ......僕にも、価値はありますか?あなたにとって、僕は価値のあるものになれますかっ?』
「(現時点でめっちゃ尊いです。神様マジでありがとう)もうある。てか、初めて会話した魔物だし従魔にならなくても覚えてるだろうな」
『あの、初めてですか?じゃあ、あなたの従魔になればあなたの初めての従魔になれますか?』
「まぁ、そうなるな?」
『僕でもあなたの従魔になっていいですか?』
「お前がいいからこっちからお願いしてるんだけど?」
『えっと、お願いします』
「ありがとうな絶対に大事にするから。......ナツねぇー、悪い。従魔になってくれるって言ってるけど従魔にする方法分からん」
従魔になってくれると言ってもらったはいいがやり方が分からん。ユーがなんかいい感じだったのにひぃくん...とか訴えてるような顔をしてるけどなにも見なかったことにする。
「相手に触れて許可取るだけだよ。相手が許可したらオッケーみたい」
「ありがと、ナツねぇ。おぉー、すごいプニプニしてらー。ってことで、これから一緒にいてくれる?」
『はい!お願いします!』
淡い光が触れた箇所から溢れ、俺の中で見えない糸のようだけどしっかりした何かが繋がったような気がした。
これが従魔契約。従魔になった相手の気持ちがダイレクトに伝わる......他の魔物使いの人はどうしてこのような無垢な子達を傷つけることが出来たのだろうと悲しくなった。
「ひぃくん街に戻るよー!!早くー!」
ユーの声で我に返りスライムを抱え2人を追いかけた。
門に着いてもまだ外は明るく3時くらいだろうか?昼を抜いたのでおやつにしてはしっかりとした物をギルドに隣接している所で食べることにした。
「2人とも席取っててー、俺買ってくる。なっちゃんお金ちょーだいっ!」
「「行ってらっしゃい」」
ユーが買ってきたものはパンと野菜炒めみたいなものだった。
「あれ、ユキにしては少ないね?」
「あまり他のやつ美味しそうじゃなかった......こんなのあんまりだよ」
「そこまで死にそうに言うことか?」
ユーは文句を言いつつも食欲に負けたようだ。いただきますと言い口に野菜炒めを含んだ。
「......味うっす!!」
「健康的な味ですな」
「なっちゃんの言う通り味薄いし、ひぃくん壊れてんじゃん!!うぅーあんまりだぁー!!」
野菜炒めを食べたが食欲が減少していた俺とナツねぇはパンは食べずに取っておくことにした。ユーは全部食べたようだが物足りないようだ。
ご飯を食べた俺達はギルドに行き、薬草と枯れたプラントをギルド嬢に渡しギルドをすぐに出ることにした。早すぎることに変な目を向けられたが俺たちの中でイケメン代表のユーが普段の顔を隠しニコリと笑い誤魔化した。それをもろに食らったギルド嬢は顔を真っ赤にしたが俺達は気にせず報酬の銀貨5枚を貰いギルドを出た。
「やっぱり女って顔なの?てか、ユキってあんな顔出来たんだね」
「今はナツねぇも女だろ。ユーは以外だったけど」
「あれねぇ。ひぃくんとなっちゃんの真似だよー。ほら、日本にいた時の」
「知らない人に話しかけられた時のやつ?/面倒くさくなったときのか?」
「2人とも人に対して酷いね」
ユーにそう言われたが、顔的に考えればやっていることはユーが1番酷いんじゃないだろうか。
「それよりもなんか夜ご飯用の食べ物買っていいか?あと、スライムが何か食べれるのかわかんないけど、そこんとこどう?」
「報酬貰ったしいいよ。スライムは雑食みたいだから宿で出してあげたら?」
今、スライムは外に出していない。従魔を連れてると目立ちそうなので着ている着物の袖の袂に入ってもらっている。揺れで意心地が悪かったら申し訳ないと思っていたが、心地よいという感情が伝わってきたので気にしないことにした。
「なら、頑張って作んないとな」
「え?ひぃくん作ってくれるの?!良かったー。買うって料理じゃなくて食材のことだったんだね!」
「キャンプに行った時の道具がナツねぇの収納にあって助かった。調理道具一式揃ってるし、確か、カセットコンロもあったはずだ」
「調味料も一通りあったはずだし、宿の庭のスペースで、自分たちの道具があったら料理出来るみたいだしね」
「やっと、美味しいもの食べれる!!そうと決まればいっぱい買うぞーっ!!あ、なんか手伝うことあったら言ってね!」
「「手伝うことないから大丈夫」」
「アハハーだよねー。知ってたっ!!」
「そういうことでヒガンよろしくね」
「......ナツねぇは手伝って貰うからな」
食材は日本にいた時と基本名称が同じで、ナツねぇの目で味も変わらないと分かったので大根やキャベツ、人参などポピュラーな野菜や
(俺とナツねぇはオークがどんな魔物か知っているから微妙な顔をしたが)オークの肉をユーが豚肉って名前じゃないけどこれ見た目豚肉だよね?といい購入して宿に向かった。
後書きにキャラデザの『挿絵あり』です。ご注意ください