失礼しました
今、私が食事をしているお店の店員がダメダメだ。
「“ハックショーン”・・・・・・失礼しました!」
「お待たせいたしました。『和風ハンバーグ』です」
「あっ、俺それ頼んでないんだけど」
「失礼しました」
「“ガッシャーン”・・・・・・失礼しました」
「失礼いたしました。今月、お皿割るの何回目?ほらっ、早くホウキ持ってきて」
私は彼のせいで食事に集中出来ないでいた。
「痛っ。おいっ、俺の椅子にぶつかってくんなよ!」
「失礼しました」
彼がスープをお盆に載せて私のテーブルにやって来た。
「キャッ、熱いっ!」
「失礼しました。すぐ拭くもの用意しますので」
「あっ、はい」
「本当にすみませんでした」
「大丈夫ですよ。そんなに濡れてませんし、わざとではないと思うので気にしないでください」
私はお店にいる間ずっと落ち着かず、料理の味も記憶に残らなかった。
「100円のお返しです。ありがとうございました」
「あの?これ50円ですよね」
「失礼しました」
「あの?これ私の連絡先です。よかったら電話してください」
「ごめんなさい」
「失礼しました。また食べに来ますね」
ダメ男好きの私はあっさりフラれた。