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面会


「おじさん、おじさんってば」


「ん、ああ……」


「どうしたの? ぼーっとして」


「寝不足かな。昨日遅くまで映画観てたから」


「映画! どんなの」


「きっと君が知らない奴だ。インデペンデント系の」


「あー、じゃあ知らないや。私、ベタな奴が好きなんだ。興行収入ナンバーワン、全米が泣いた! みたいな」


「ははっ、昔よくあったな。そういうの」


「特にね、犬が出てくる奴。あれ、えっと、タイトルは……」


「愛しのマリリン」


「何それ、違うよ。百一匹わんちゃん」


「あれ、本当に百一匹いるのか」


「さあ? 知らない」


「数えてやれよ。犬、好きなんだろ」


「うん、ここから出たらやってみる。ねえ、頼んだの持ってきてくれた」


「それなんだが」


「うんうん」


「ここで買ったものしか持ち込めない決まりらしいんだ。だからできない」


「どうして……?」


「すまない」


「ねえ、謝らないでよ、私怒ってるわけじゃなくて、どうしてかって訊いてるのよ」


「……」


「どうして会えないのよ! ポコに会いたい。ポコと会わせて。会わせてよ!」


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