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愛の試練

バレンタイン、それは主に女子が男子にチョコをあげるイベント。

最近は友チョコやらホモチョコやらが流行ってるらしいけどまぁやっぱりメインは女子から男子だ。

そしてこの時期になると、男子はチョコに飢え始める。

そこで私は考えました。

……これ、使えんじゃね? と。

と、いうわけでいつものダンジョンで期間限定ステージ、『愛の試練』を開催することにした。

このダンジョンの報酬は「手作りチョコ&1日デート権」。

正直2個目の方はいらなくない? と思ったんだけどしらすが絶対入れた方がいいっていうから仕方なく入れた。

まぁ1日ぐらいなら別にいいでしょ。まずクリアさせる気はないし。

さてと、どれぐらいの経験値が稼げるかな?


≪ヒバナ視点≫

私は今、使命に燃えている。この試練を突破してその先の楽園(エデン)を掴むという使命に……!

「くっそ! 4班で3人死んだ! あと2人しかいねぇ!」

「安心しろ、こっちはもう俺だけだ」

「ぐぬぬ……トーカちゃんめ、えげつない罠しかけちゃってもう……」

時間は数十分前に遡る。


その日は特にやることも決まってなかったから、私はのんびりとレベリングをしていた。

すると「わなわなパニック公式ツイ〇ッター」に書き込みが入った。

あ、わなわなパニックってのはトーカちゃんお手製ダンジョンの名前ね。命名は私。

『バレンタイン期間限定ステージ「愛の試練」開催!!

クリア者には私からの手作りチョコと1日デート権を差し上げます(☆≧∀≦)ノシ

ではでは皆さん、どんどん挑戦してくださいね(◍•ᗜ•́)✧』

「!?」

こんなのいくっきゃないじゃん!! うっへっへっへ~、チョコとデートは頂いた!!

まぁチョコはリアルでも貰えるんだけどねー! しかもそれが美味しいのなんのって。

話が逸れたね、それじゃレッツゴー!


わなわなパニックに到着すると、入り口の右側に立て看板とわかりやすいドアが置いてあって、そこにはこう書いてあった。

『緊急ステージ「愛の試練はこちらから参加できます! 参加費500G」』

あ、お金取るんだ。まぁ500Gぐらいはした金だしいくらでも挑戦できるってことだね!

……なんとなくトーカちゃんの術中に嵌ってる気がするけど気にしない。

私はヒバナ、愛のためなら多少の出費は辞さない所存でございます!!

「では……いざ尋常に、勝ばぁぁぁぁぁ!?」

掛け声とともにババンと扉を開けると、扉の先から音もなく矢が飛んできて、私の顔面に5本程突き刺さった。

「うぅ、イテテ……」

それにびっくりして数歩後ろに下がると……

カチッ

「ん?」

何やら不穏な音が聞こえたよーな気が……わかってたけど、トーカちゃんえげつないなぁ。

次の瞬間、上から手榴弾が降ってきて私の体を粉々にした。


「あー死んだ死んだ」

まぁ何回死ぬことになろうが構わない! 気を取り直して再チャレンジ!


さっきはたしか扉を開けた途端矢が飛んできたから……

「はい!」

扉を開けると同時に下にしゃがみ回避! ふっふっふ、同じ轍は踏まないよ?

前回はダンジョンに入る前に死んじゃったからね、今度こそちゃんとしよう。

よしっ! と気合を入れて、私はデートへの第1歩を……

「さ、改めていざ尋常に……勝ばぁぁぁぁぁ!?」

踏み出せなかった。

扉をくぐり地に足をつけようとした瞬間真下の地面が消え去り、私の体は深い落とし穴へと落ちて行った。


死亡2回目! まだまだ元気だよ!

今度こそしっかり注意してレッツゴー!


…………もう、何回目になるのかな……

落とし穴に落ち、鉄球でつぶされ、ぬいぐるみに溶かされ、爆弾で死に、ぬいぐるみに溶かされ、ぬいぐるみに溶かされた。

嘘、私ぬいぐるみに弱すぎ……!

本来のわなわなパニック唯一のクリア者であるロンちゃんによると、ここの難易度は最深部の真ん中ぐらいらしい。

そのロンちゃんでも最深部は5分の1進めるだけでも数週間かかるらしいからその難しさはいわずもがなでしょ?

そのため、私たち「トーカちゃんのチョコ貰い隊」は攻略者全員で協力し、パターンの解明を急ぐことを提案した。

それに反対する人は1人もいなかったから、今は5人で1班を作って攻略に臨んでる状態。

ちなみにそれでも最終的には早い者勝ちということで結論が出て、みんなで解析したデータをもとに最初にクリアした人がその報酬をすべて貰うということになった。

私の班はロンちゃんをリーダーとした素早さ重視のパーティー。

ここが多分進捗度では1位だと思う。あとどれぐらいあるのかはわからないけど、もう少しだといいなぁ。


やっほーみんな☆ まさかの2日目突入だよ!

いや~何回も言ってるけどトーカちゃんマジえげつない。

昨日は11時半ぐらいまでやった後、学校がある私が落ちると言ったら他の皆も落ちることになって終わった。

進んだ距離は500mぐらい。後どれくらいあるのかな……

さて、それじゃあ今日も元気にやっていこうか!! そう思い今日最初のチャレンジをしようと扉を開けたところ、扉の先から音もなく矢が飛んできて、私の顔面に5本程突き刺さった。

「うぅ、イテテ……」

ビックリして少し後ろに……ヤバイ! これ忘れてた!

「っ!」

なんとか踏みとどまり、後ろのスイッチを押すことを回避できた。

「ふぅ、危なかった~……」

幸いほかの皆は覚えていたらしく、私のようにはならなかった。

うぅ、ちょっと恥ずかしい……

少し赤くなりながら扉を抜けると、突然真下の地面が消え去り、私の体は深い落とし穴へと落ちて行った。

「忘れてたぁぁぁぁぁぁ!!!」

はぁ、私ってば馬鹿だなー……


「ごめんごめん、一回寝たら完全に頭から離れちゃってた」

「いやいや、しゃーないって。次からきーつけや」

「わかりましたです! ロン隊長!!」

心を入れ替え、今日の迷宮攻略スタート!!


≪トーカ視点≫

私は今、マスタールームで挑戦者達の様子を上から眺めている。

ふっふっふ、今日もカモが釣れる釣れる。

ていうか一番頑張ってるのがヒバナなのが意外。

別にヒバナってか花火だったらチョコもデートも普通にしてあげるのに。

……訂正。デートはしないね、うん。私にそっちの趣味はないし。

閑話休題。

今のトップは件のヒバナ達かな。

500mちょいってことはもう半分突破されたんだ……やるじゃん。

正直半分行くのに3日はかかると思ってたんだけど……ちょっと悔しい。

でもこっからはさらに鬼畜になるよ?

なんてったって後300mからは私が能動的に動かすからね。

挑戦者たちの動きに合わせて自分で罠を作動させるからパターンも作れないしよりイヤらしい場所に罠を飛ばせる。

ちなみに私が落ちてるときはしらすが作動させる予定。もしくはアルティちゃん。

アルティちゃんに今回のことを話したら

「トーカさんとデート? そんなの私がしたいぐらいなのに皆さんズルいですよ!」

って言われて、だったらと協力を頼んでみたら条件付きでOKを貰った。

彼女曰く、

「あ、だったらもし開催期間内に突破者が現れなかったら1日私の恋人(おもちゃ)になってくださいよ!」

とのこと。

……何やら不穏なルビが振られてる気がしたけどきっと気のせいだよね。気のせいだと信じたい。

さてと、期間はホワイトデーまで。このダンジョンを突破する人は現れるかな?

いきなりですがここでアンケートを行います!

それは……このダンジョンの突破者です!

1.ヒバナ

2.ロンちゃん

3.アルティ(突破者ナシ)

4.モブ

とりあえずはこんなところです。

他にも案がある人はそれでもかまいません。随時選択肢に追加していきます。

カゲロウさん? いやあの人スナイパーですし突破できるわけないじゃないですかヤダー。


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