ALT杯 結果発表その1
「お、トーカちゃん! こっちやこっち!」
ヒバナとのお話を終えた後、早速噴水広場に戻ってきた私は、ロンちゃんに声を掛けられた。
「およ? ヒバナちゃんはいっしょやあらへんの?」
「あ、うん、ヒバナは今部屋で震えてる」
「? まあえっか」
いいんだ、ロンちゃん案外フランクだよね。
「いや~しかし、トーカちゃんすごいなあ、近づいたら勝ちやと思っとったらなんと返り討ち! えらいびっくりしたわ」
「そ、そう? ありがと」
素直な賞賛っていうのはどこかこそばゆくて、少し嬉しかった。
「お、照れとる照れとる、かわいいなぁ」
「もう、茶化さないでよ」
まったく、ヒバナにもロンちゃんを見習ってほしいもんだね。
「ささ、もうすぐ結果発表始まるで、いっしょにみよ!」
「いいの? ありがと」
それから数分後、ロンちゃんと駄弁ったり他の人といたカゲロウさんと目が合って気まずくなったりそれをロンちゃんに追及されたりしてると、アルティちゃんアルティちゃんが光の粒子を纏いながら降臨した。
「みなさ~ん、盛り上がってますかーーー!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
「それでは早速、ALT杯、結果発表始めますよ!!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
「今回の結果発表は、たくさんの部門でランキングが用意されています、しかし、前回と違って1位だけのものもありますがすべての部門を発表したいと思います!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
「なんか今回のアルティちゃんやけにテンション高いね」
「いっつもテンション高いやんあのこ、普段とそんな変わらへんように思うけどな~」
「ふっふっふ、私からしたらまるわかりなんですよ、だっていつもよりエクスクラメーションマークが多いもん」
「えくす……なんて?」
ふ、勉強不足だな~ロンちゃん。
「エクスクラメーションマーク、ビックリマークのことだよ」
「ほえ~、物知り博士やな~トーカちゃん」
「まあね」
これをするためだけに英単語より優先して覚えたんだよ。
「さぁまずは普通のやつです! 長く生き残った人が勝ち!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
「何位から発表しよっかな~……よし、7位から発表します!!」
「「「うおおおお?」」」
「これまたえらい微妙な場所から始めるなぁ」
ほんとそれ、せめて8位までなら「ベスト8」なんて言葉もあるぐらいだしキレがいいのに。
「まずは第7位! 生産職なのにその強さはなんだ! マッドでキュートなサイエンスを操り、その他大勢の皆さんをおおいに苦しめた......クーシャさんです!!!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
「うーん、もうちょっといきたかったんだけどね」
いやその他大勢って......運営的にいっていいのそれ
「どんどん行きます第6位! 双剣を巧みに操る彼......彼女? まぁどっちでもいいや! すっかりトップ組の仲間入りですね! シンさんです!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
「ボク、そんな順位高かったんだ......えへへ、ちょっと嬉しいかも」
あれが天使か。
はにかむ師匠は超キュート! もう彼女でいいんじゃない?
「ほう、あれが弟子ちゃんの師匠ね......」
いやしらすも師匠じゃん。
「......かわいい」
うん、それには激しく同意。
「続きまして第5位! 彼がいなきゃこんなにマップは広がらなかったかもです! 攻略組の最高峰、ハバキリさんです!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
「ははっ、みんなのおかげさ、ありがとう」
なにあのイケメン、なんかハラタツ。
その甘いルックスで数多の女性を落としてきたのかもしんないけど、これだけは言える。
カゲロウさんの方が100倍カッコいいんだよぶわぁか!
「次は第4位! なんか微妙だぞ第4位! 銅メダルには届かないし、5位みたいにキリがいいわけでもない。そんな微妙な第4位に輝いたのは......」
もうやめたげて! 4位の人がかわいそうでしょ!?
「どうしてお前がここにいる! ホントにサーチ&デストロイしたんでしょうねこの男、THE・世紀末! ヒャッハ~さんです!!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
「ようお前ら! 俺様のお出ましだぜえ!!」
「「「ヒャッハーーーーー!!!!!!」」」
うわぁ......超世紀末......
ピンクのモヒカンに棘のついた肩パット、そしてマシンガン。
うわぁ......超世紀末......
てかなにヒャッハ~って、なんでちょっとかわいさを強調してるの?
「さぁいよいよベスト3の発表です! 第3位は......またお前か! この3位大好きさんめ! カゲロウさんです!!!」
「「「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」
「また3位か......はぁ」
うん、あれはちょっとひどかったと思ってる。
校舎破壊からの「空に消えてった打ち上げ花火」作戦、あれをかわせるヒバナが頭おかしいだけ。
「もうすぐラストだ第2位! 最近人気&実力急増中の超新星! 噂ではまだ初めて2ヶ月たってないのにもうファンクラブができてるらしいですよ!? 罠師のトーカさんです!!」
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」
「へ!? ファンクラブ!? 嘘でしょ!?」
急いでそれらしきものを検索する。
......ホントにあった。
「うぅ、なんかはずい......」
「まぁまぁええやん、それだけトーカちゃんがかわいいっちゅうことなんやから」
「にゃっはっは、私だってファンクラブなんて星の数ほどあったよ」
なにそれ自慢?
そりゃああの若さで筆頭錬金術師にまでなって、しかもかわいいんだからファンクラブぐらいできるだろうね。
「さぁさぁついに第1位! もはやこのゲームの顔とまでいえるぐらい超有名プレイヤー! ヒバ......あれ? いない? まいっか。ヒバナさんです!」
「「「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」
ヒバナってか花火が今マナーモードだからね、仕方ない。
ヒバナ「キマイラ怖い冬華ちゃん恐いゾンビ怖いグール怖い冬華ちゃん恐い冬華ちゃん恐い冬華ちゃん恐い」ガタガタガタガタガタガタガタガタ




