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ALT杯決勝 その5

天井を落とすことに成功したから私たちの周りに緋緋色金製の壁を出現させる。

これも事前に仕込んでおいたもので、緋緋色金は純度の高いルビーみたいな色だから外を見ることもできる。

ちなみに天井にはジャストこのサイズで穴を開けてあるからこれのせいでロンちゃんを押しつぶせないなんてことはない。

わっ! ロンちゃんが小銃の弾丸をこっちにバラまいてきた。

「なっ! それ何製やの!? 傷一つつかないとか硬すぎるやろ!?」

「ふっふっふ、当然でしょ? 伝説の金属なんだから」

あ、しらすのばか。ネタバラシしないでよね、まあ言ったところでどうこうできるもんじゃないとは思うけど。

天井はジリジリと落ちているため、まだロンちゃんに時間的猶予は残されている。

「さぁロンちゃん! どう切り抜ける?」

あ、ちなみにもう3人とも離れてる。流石にずっとくっついてるわけにはいかないからね、残念。

「いや普通に扉開けていけばええやろ」

そういっててくてくと扉に向かって歩いていき、開けようとする。が……

「ん? 開かへんねんけど」

そりゃあ対策するよ。

原理は簡単、あの扉をオリハルコン製に造り替えておき、変換を使いボタン一つでただの1枚板になるようにセットするだけ。

「改めて聞くけど、どう抜ける?」

「ぐぬぬ……しゃあないか」

お、策が決まったみたい。

ぐっとクラウチングスタートの構えをし……

「たーーーーーー!!」

飛んだーーーーーー!!!!

いつもの窓からロンちゃんが飛び降りた!?

ここ7階だよ! 正気!?

でも空中なら身動きが取れないから好都合!

「カゲロウさん、ゴー!」

「あぁ」

防壁を解除してからカゲロウさんに突撃指令をだし、私も一緒に窓際へ行く。

下を覗き込むと、落下中のロンちゃんが見えた。

よし! これならカゲロウさんの狙撃で倒せ……!?

今にもカゲロウさんに撃ち殺されんとしているのに、ロンちゃんは笑っていた。

「カゲロウさん! 下がって!!」

「っ!? わかった!」

イヤな予感がしたため、即座にカゲロウさんを下げる。

すると、先ほどまでカゲロウさんがいた場所に、数多の銃弾が上から放たれた。

「上!?」

「う~ん、今ので殺れたと思ったんやけど……勘がいいなぁ自分」

銃弾で穿たれた場所にロンちゃんが「シュタッ」って感じで着地した。

ヤバイ、なんかラスボスっぽいよあの子。

「 あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!『奴が目の前で飛び降りたと思ったら いつのまにか上にいた』な……何を言っているのかわからねーと思うが 私も奴が何をしたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった……催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ………」

……やっぱり絶対しらすは現実世界のネタに精通してると思う。本人は違うとかいってるけどね。


しらすのせいでなんか空気が変になったけど、気を取り直していこう。

だってぶっちゃけしらすの言ってる通りだし。

「ふふーん、理由知りたい? どうやったか知りたくあらへん? 自分」

「ま、まぁ気になる」

だってそれこそ千変万化でももってないとワープなんてそうそうできないし。

「おっしえな~い♪」

イラッ。

「ええい、カゲロウさん、やっておしまい!」

「期待にこたえたいところだが、すまん、正直この距離でロンが相手だと俺ではどうしようもない……」

そういって「俺の実力不足だ……」と謝るカゲロウさん。

やだなにこのイケメン、自分弱いっていってるのにすっごいカッコいい。

「ふふーん、さぁトーカちゃん、どう切り抜ける?」

放った言葉はさっき私が言ったセリフ。

ぐぬぬ、意趣返しのつもりか!

でもぶっちゃけだいぶキツイのも事実。

さて、どうするか……非常に困った。

「……な~んてね」

「っ! んなっ!?」

千変万化を使って背後に転移、同時に例の「??????」で刀を一本創り、袈裟切りにする。

ロンちゃんは右腕を盾にし、一瞬でも時間を作ろうとするが、なんの抵抗もなく腕を切り裂き、そのまま胴体を狙う。

しかしロンちゃんはすでに逃げ始めていて刀は背中を薄く切るにとどまる。しかしその後の爆発で残った左腕も千切れた。

「はぁ、はぁ……ホンマ反則やろ、それ」

荒い息をしながら、ロンちゃんがそうこぼす。

ちなみにタネを簡単に解説するとこうだ。

千変万化は相手が自分を見てなければ一瞬で転移ができる。

だからロンちゃんが瞬きして一瞬私が視界から外れるまでひたすらスキル使用を念じ続け、転移したら即座に反応し斬りかかるってわけ。

「残念だったねロンちゃん、また形勢逆転だよ」

「まだ……終わってへん!」

口にナイフを咥え、突撃してくる。

そのナイフはやけに毒々しい色をしていて、あれを喰らったら絶対状態異常になるってわかる。

「はっや……!」

当然そのスピードについていくことはできない。

でも分かってれば反応出きる!

そう思っていたら、ナイフで斬りかかってくるとみせかけて蹴りを放ってきた。

その蹴りもアホみたいに速く、到底見てからじゃ対応できそうにない。

だからそれをあえて受け、その衝撃で後方に跳ぶ。

そして着地と同時に懐死榴弾をいくつか転がし牽制する。

爆炎と煙で何も見えなくなるから、ここでピンを抜いたデカネードにそっくりなレプリカを置く。

そこで煙が晴れ、ロンちゃんが偽デカネードを見つけて絶句してる。

「うっそやろ!?」

視線が私から離れデカネードに移る。つまり……

「私の勝ち」

背後に転移し斬りかかる。

今回はすでに刀を創っているため、前回よりもタイムロスが少なく、ロンちゃんに致命傷を与えることができた。

「く……おみごと、やな」

そんな言葉とともに、ロンちゃんがポリゴンになって四散した。

勝った! 第3部完!!

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