リベンジ……?
さぁ、やってまいりました「終わりを告げた理想郷」!
前回は油断と慢心であえなくやぶれさってしまったけど、もう油断しない。
神罰はいまのうちにいくつか腰に吊るしておき、刀も作っておく。
それではリベンジ、いってみよう!
私が屋根の上を歩いていると、早速キマイラを発見。
うーん、普通にここからプラズマ式で爆破してもいいんだけど……
それだと他のエネミーに気づかれるかもしれないんだよな~。
てことで今回はこれを使います、テッテテー、無音榴弾~。
これは文字通り、爆音がでない手榴弾。しかも爆発のライトエフェクトすらでないっていうね。
なんとも暗殺者向け爆弾、しかもお値段3万Gと大変リーズナブル。
これを2,3個落とす。
おお、ホントに音がないし爆炎も見えない、スゴい!!
よしよし、キマイラは急にダメージが入ったからびっくりしてるみたい。
ここで屋根から飛び降りて一気に切りつけ首を落とす。
キマイラは私の存在に気付くことなく絶命した。
うん、この戦法いいね! このダンジョンではこれを多用していこう。
そんなこんなで道中のエネミーを倒しながら少しずつ進んでいくと、すっごいあからさまな落とし穴があった。
どうあからさまかっていうと、道のすみっこのだれも踏みそうにないところに落ち葉が敷いてあったのだ。まわり石畳なのに、しかもここらへんに木無いのに。
これは……むしろ気になる。まぁここにすんでた子供のイタズラって可能性もあるけど……。
ま、デスペナもないんだし、一回落ちてみよっと。
躊躇なく落ち葉を踏むと、やっぱり落とし穴になってた。でもスロープになってて、これだと底までいっても死ななそう。
お、終わりが見えてきた。
底に着くと、目の前には大きな鋼鉄っぽいなにかの扉があった。
え~……まさかここが錬金術師の隠れ家? こう、いっちゃわるいけど……バカなの?
「よっと。……およ? ひっさしぶりに生きた人間がいる」
「うひゃっ!」
な、何! と思って振り返ってみると、女の人がいた。
び、びっくりした~……。
「よくここがわかったね、あんなに巧妙に隠してあったのに……それとも偶然?」
こ、この人……。
「あれで隠せてると……思ってたんですか……?」
「なにおうっ!? あれのどこが完璧じゃなかったていうのさ、さぁ、言ってみてよ!」
「え~と、まず……」
罠師としてあれはちょっと見過ごせないので、しばらく半お説教みたいな感じで喋り続けた。
「うー、ひぐっ、生きててごめんなさい……」
ま、まさか泣くとは……なんか申し訳なくなってくた。
「ご、ごめんね? ほら、私が悪かったから泣き止んで? アメ、いる?」
「ええい! 私を子供扱いするなー!」
泣き止んだと思ったら急に睨まれた!?
「私は100年の時を生きた天才美少女錬金術師、デージーちゃんよ!!!」
「うわぁ……」
なんか色々と残念な人だな~。
「100年生きたなら少女じゃないんじゃ……」
「うるさいっ! 16歳で不老不死になったから少女であってるの!!」
「あ、はい」
ふーん……え、じゃあもしかしなくても……
「あなたがこの国でもっとも優れた錬金術師なの?」
「そ、まぁどうせまだ生きてる錬金術師は私1人だから私以外ありえないんだけどね」
「え、じゃあホントはそんなすごくない?」
「そんなわけないじゃない、この国アルカミスタが栄えてたころでも私が筆頭錬金術師だったわよ」
あー、私の描いてたカッコいい錬金術師像がガラガラと音をたてて崩れていく……。
「ところであなた、ここに来たってことは錬金術師よね?」
「うん、そうだけど」
「それじゃあ私の弟子になりに来たってことよね!」
「へ?」
「大丈夫、弟子は年中受付中だからもちろんOKよ」
「え、ちょ、あの」
「安心して、もちろん私が持っている知識や道具、余すことなく全部教えてあげる!」
「はぁ、もういいですそれで」
弟子を卒業したと思ってたらまた弟子になった件。
まぁ錬金術が学べるってのは大歓迎なんだけどね。
「さ、それじゃ私の工房を案内するよ、クローズセサミシーヅ!」
そういうと、目の前の扉が何もしてないのに開いていった。
「ねぇ」
「ん? なにかね弟子ちゃん」
「その言葉の意味分かっていってる?」
「うんにゃ、なんかカッコいいから」
「あ、そう」
クローズセサミシーヅ、つまりClose sesame seeds。意味は「閉じろゴマ」だ。
なんかこう……この人本当にスゴい錬金術師なのかな? 段々心配になってきた。
デージー、花言葉は「美人」「無邪気」です。
あれ? おかしいな、最初はカゲロウさんみたいにカッコいい男の人の予定だったんだけどな・・・・・・。
どうしてこうなった




