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特訓

「えーと、じゃあ現段階でどれぐらいできるかを見るね?」

「ん、了解」

私達は、街の中にある初心者用ダンジョンにきている。

ここには、普通のフィールドで出てくるエネミーが、攻撃力1になって出てくる代わりに、ドロップと経験値が0に設定されている。

だからここでまずは私の技量を見ようってわけ。ちなみに武器は「ひのきのぼう」×2で、耐久力が無限だから案外便利。

お、早速ウルフ発見!

「それじゃ行ってきます」

「うん、頑張ってね」

笑顔の眩しい師匠に見送られていざ出陣!

まずはウルフのタゲをとるためにそこら辺に落ちてる石を投げつける。

私レベルは高いけどDEX以外全く振ってないからダメージはほぼゼロ、でもタゲは取れた。

ウルフが飛びかかってくる、それを半身になってよけ……れなかった。

微妙に見切りが甘く、右腕にウルフがガジガジ噛みついてる。

でも攻撃力は1だから全然痛くない、だからもう片方のひのきのぼうで殴りかかる。

よし、離れてくれたね、そのまま高めにジャンプして距離をとろうとするウルフをすぐに追いかけて着地狩り。

真上に吹っ飛んでったから、1本捨ててもう片方を両手持ちにして振りかぶる。

バッタートーカ、振りかぶって~……あ、これピッチャーじゃん、まあとにかくフルスイング。

またすっ飛んでくウルフ、その体がポリゴンになって消滅していった。

トーカは ウルフを たおした!

「……普通に凄いんだけど、双剣の戦い方じゃないよね……」

「あー、やっぱり?」

「まぁ、そういう戦い方もあるのかもしれないけど、ボクには教えられないかな」

「今のどちらかというと片手剣っぽかったもんね」

「うん、それじゃあまずはお手本を見せるね?」

「よろしくお願いします師匠!」

そういってシンちゃ……シン君はウルフのところにとことこ歩いていった。

あ、石ころ投げた。やっぱりこのゲームでも石投げてタゲ取るのが楽なんだ。

ウルフの飛びかかりをいなしつつ背後に回り込んで1瞬の内に何10回もの斬撃を打ち込み、ウルフはポリゴンになって消滅した。

「すっご!」

「あ、ありがとうございます」

その攻防は本当に一瞬の出来事だった、けど……

「私、あんなスピードだせない……」

「あ……そういえばトーカさん罠師だったね……」

「ごめんなさい……」

せっかくこんなに凄い師匠がいるのに、それをほとんど活かせないなんて。

「ううん、別にトーカさんが謝ることじゃないよ」

「そう?」

「もちろん」

いい子だな~……

「そしたら……攻撃の上手ないなしとパリィを中心に練習していこっか」

「はい!」


「はぁっ!」

よし、上手く敵の攻撃をパリィできた。そのまま敵の懐に潜り込んで敵に斬撃を放つ。

すると、ダメージエフェクトを煌めかせた後、敵のスケルトンはポリゴンになって消滅した。

「うん、だいぶうまくなってきたね」

「ん、ありがと」

「それじゃ今度は実際に剣を使ってやっていこう」

「はーい」

それでは錬金術をとくとご覧あれ!

「変換!」

私がふぁさーっと撒き散らした砂が、どんどん刀の形に収束していく。

シャキーン、と華麗なポーズをとると同時に、砂が完全に刀になった。

「なにこれ! 凄い!!」

「ふっふっふ、そうでしょうそうでしょう」

シン君の目が少年のように輝いている。

・・・・・・シン君「ように」じゃなくて少年そのものじゃん、まぁそうじゃない可能性もあるけど。

実際この剣、だいぶ強い自信がある。

なぜならまずあらゆる数値がDEX依存な「変換」にだから、DEXに極振りしている私が作る物はだいぶ強力になる。しかもこれは「○○作成」を使用していないので、神の手などがフルで乗る。

つまり元の性能プラス(150%{神技士}+150%{機械神のネックレス}+45%{神の手}+30%{精密作業})=375%となる。

・・・・・・なにそれつっよ! 元の性能の約5倍って・・・・・・。

まぁとにかく、それぐらい強いのだ!

「それじゃ行ってきます」

「うん、頑張ってね」

さぁ、目指すはあの時倒したトロール! あれを接近戦で倒す!

目当ての獲物はすぐに見つかった。

それでは、いざ尋常に勝負!

まずは同じように変換で作った苦無、その後ろに普通の手榴弾をくくりつけて投げる、狙い通りトロールの背中に当たった。

「さぁ、かかってきな」

トロールは雄叫びを上げながらこん棒で殴りかかってきた。

攻撃が単調だから見極めやすく、刀の腹でそっと押すだけでこん棒は地面を叩いた。

よし、狙い通り! そのままトロールに肉薄し、数度切りつけたらまた距離をとる。

これを数度繰り返すと、トロールのHPバーがレッドゾーンに突入した。

こん棒をめちゃくちゃに振り回しながらこちらに突撃してくる。

確かにそうすれば、格段にいなしにくくなるけど、私はこれを待っていた。

今までの力一杯降ってたのと違い今はほとんど腕だけで振っているためさっきの攻撃より軽く、パリィができる。

右上から迫ってきたこん棒をパリィし、トロールがよろめく。

その隙にまた切りつける。今回は多少無茶して相手が体制を立て直しても攻撃の手を緩めない。

トロールが私を叩き潰そうとこん棒を振り上げたその時、トロールのHPバーはゼロになった。

「いやったーー!!!」

「おめでとうトーカさん!!」

しばらく勝利の余韻に浸っておこう。


「そしたら次で最後の指導です」

「はーい」

もう最後か~、なんだかんだで1週間もかかっちゃったけど、結構あっという間だったなー。

「最後は・・・・・・ボクとの模擬戦だよ!」

「へ?」

うーん、最後に師匠と戦うってよくあるパターンだけど、そういうのって師匠スッゴい強いんだよね~。

まぁ廃ネトゲプレイヤーとして、負けるわけにはいかないよね!!

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