ダンジョン制覇!
やることは決まった。
それは「ダンジョンの経験値トラップ化」だ。
でもそれをするにはダンジョンを1度攻略して最下層まで潜らなくちゃいけない。
しかし! 正直私一人じゃ突破できるわけがない!
だったら仲間を呼ぼう!
『ねぇヒバナ』
『なーに?』
『今って暇?』
『暇だけど、今度はなにすんの?』
『ダンジョン攻略』
『そりゃまたどうして』
『ダンジョンマスターになるため?』
『なぜに疑問形? まぁいいよ、面白そうだし』
『ん、ありがと』
『それじゃあ今からそっち行くね』
『了解』
よし、これで協力者は手に入った。
それじゃあダンジョン攻略と参りましょうか!
「それでトーカちゃん」
「なに?」
「どのダンジョンに行くの?」
そう、このゲームにはダンジョンや迷宮、遺跡などのフィールドがとてもたくさん存在している。
だからぶっちゃけ……。
「そこまで考えてなかった」
「トーカちゃんっていつもしっかりしてるけどたま~に抜けてるとこあるよね」
「うっさい」
「まぁ経験値が欲しいなら小型で大量に湧くのがいいよね、効率的にも手間的にも」
「うん」
「だったらここなんてどう?」
「どれどれ?」
「人口の多い街からも近くていろんなプレイヤーが入ってきてエネミーも結構多目に湧くし比較的小型」
なんと!? とっても今の私向けじゃあないですか!
「いいじゃんそこ!」
「じゃあ決定だね。早速攻略しよう」
「おー!」
「トーカちゃん、ダンジョンマスターの部屋の前に到達だよ」
「ん、了解」
以外とあっという間だったね、まぁこれもヒバナの圧倒的殲滅力のおかげだけど。
もうすっごかったよ、戦闘モードに入ったヒバナは。
視界に入ったエネミーに一瞬で肉薄して即撃破。ほぼ私の出番はなかったな~。
だって戦闘時間2秒もなかったもん。
でもパーティーだから経験値は私にも入るんだけどね。
うまうまである。
「ここのダンジョンマスターってどんな奴?」
「えっとね、でっかいトロールみたいな奴で、柔らかいんだけどとにかくHPが多くて火力が高い」
「なるほど、結構めんどくさそうだね」
「うん、すっごく面倒くさい」
ちょっとぐらいは私も活躍したいな~。
「ねぇ、そのボス私一人でやらせてくんない?」
「別にいいけど、危なくなったらすぐに手助けするからね」
「わかった、ありがとね」
「頑張って~」
それではボス戦、参りましょうか!
「デカすぎんだろ……」
確かにそのボスは大きいトロールだったんだけど、ちょっと大きすぎない!?
全長10mはありそうなんですけど!
まぁいいや、それなら罠も仕掛けやすい。
扉を開けたらまずは半径2mぐらいの超巨大トラバサミを仕掛ける。
そのちょっと後ろに踏んだら強力な麻痺毒を塗りたくった矢を大量に発射する罠を仕掛けてとりあえず準備完了。
まずはトロールに壊死榴弾を投げつけてヘイトを溜める。
そしたらトロールは愚直にもまっすぐこちらに突進してきた。
知能が低いと楽でいいね、トラバサミに引っ掛かって跳び跳ねてるトロールをみてそう思った。
よし、罠にはまって上手く痺れてくれたね。
そしたらまず腹をかっさばいてそのなかに大量の手榴弾を突っ込む。
デカネードも幾つか入れたから流石にこれで死ぬはず。
「ヒバナー、フロアの端まで逃げてー」
「わかったー」
ヒバナへの警告もしたし私も離れよう。
後もうちょっとで爆発だね、3、2、1、0!
ドォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!
空高く炎の柱が上がった。
うひゃー、すっごい火力、完全にオーバーキルねこれは。
「デカネードって、こんなバカみたいな火力だったっけ・・・・・・」
なんかヒバナが呟いてるから説明してあげよっかな。
「あのデカネード、手作りだからね、そりゃああれぐらいの火力は出るよ」
「へ? あれって作れるの?」
「そそ、すっごい頑張ったんだからね? 手榴弾を手作りするの」
といってもまだ普通のやつと素材が変わっただけで作り方は変わらないプラズマ式だけだけどね。
「でも手作りだからってあそこまでの火力はでないんじゃ」
「それもスキルのおかげ」
「まさか○○作成に乗らないからゴミスキルと言われてる精密作業系のスキル?」
「そそ、精密作業で+15%、2次スキルの神の手で+45%。合計+60%だからね」
「うへー、恐ろしや恐ろしや」
「しかも使ってる素材も普通のやつじゃなくて特上だから」
素材の差だけでも大体1.5倍はあるんじゃない?
「うわこわ」
こうして私は、ダンジョンを攻略した。
ふふん、罠師だって悪くないでしょ?




