Epilogue.....02 〜 Girl 〜
諸事情があって、更新が遅れてしまいました…。
今回はあとがきがすこし長いように感じられます。本編はそれほど長くはないです。
本編とあとがき半々くらいかな?
とりあえずどうぞ〜。
いつもどおりに始まった一日は、今日から変わった。
惰性と絶望に生きてきた家を捨て、数知れぬ想いが宿った思い出の地をあとにする。
人がひしめく駅から、汽車に乗って、呉という始まりの場所を離れた。
全ての始まりだった場所。
その場所が再びスタート地点となった。
車窓から流れる光景は、水平線まで広がる海と、呉の港。かつて軍港として栄えた港には数少ない鉄の塊が見える。それは正しく彼女たちだった。
あの海が、港が、全ての始まりだった。
そこを離れることで、自分は変われるだろうかと思って、それを信じてそこから旅立った。
流れる光景がやがて山々と緑が海を隠し、離れていく。トンネルの中に入れば闇が支配し、その闇から抜け出すと完全に海は見えなくなった。
あとは山々の間を鉄道の上に走るだけだった。
汽笛が鳴る。
思い出の地から離れることを別れ惜しむように。
汽車の汽笛が潮風に乗って彼女たちの耳に届いた。
各々の甲板上で、彼女たちは汽笛が鳴り届く地の果てを見詰めていた。
彼が離れていく音だけが聞こえ、姿は見えない。
出港準備を始める『葛城』の改装された飛行甲板の上で、一人の少女が軍帽を頭から取り、ぶわっと現れた長い黒髪を流した。
風が前髪を掻き分け、葛城の黒い瞳がはっきりと汽笛が聞こえる果てを見詰めていた。
葛城は彼との思い出が深い海を、海から湧き出る彼との思い出を想い返す。
そして静かに踵を揃え、彼女は軍人ならではの敬礼をして見せた。
葛城が敬礼する中、また、汽笛が鳴った。
「行っちゃいましたね……」
ふわふわした長髪が風を全面に受け止めて流れる。雪風はその結晶のような透きとおる瞳で向こうを見詰めていたのだった。
『雪風』自身も、復員輸送のために出港準備の真っ最中だった。かつて敵艦だけでなく、妹までを沈めた砲塔も、武装は全て撤去され、丸裸の状態の『雪風』は、久々の外洋に出るために、緊張も包み込んでいた。
一人だけ生き残ってしまったこと、無事だったことに自棄になっていた。
しかし自分にはやらねばならないことがある。
雪風は武装を外され、兵士たちを乗せるために設けられた広いスペースを見詰め、そう思うのだった。
その瞳は強い決心に満ち溢れ、先日までの絶望に暮れたときとは別人のようになっていた。
―――彼も強く生きる。
―――そして私も強く生きることを誓う。
雪風は振り返り、祈りを込めるように手を合わせた。
「――三笠さん、どうかご無事で。またいつか、お会いしましょう……」
雪風はまたみんなで会う未来を思い浮かべ、嘘のない本当の願いを思っていた。
一通の手紙が、皐月と玖音のもとに届いた。
横浜の旧海軍病院で看護婦の見習いとして働いていた皐月はそのまま進駐軍が管轄する病院に移り、医療の現場での勤務は変わらなかった。
正式に試験を受け、合格して看護婦となり、毎日朝から夜まで働いている。
広島に疎開していた玖音も皐月とともに暮らすようになり、姉に迷惑を掛けないようにと日々心掛け、玖音も自分なりに生きていた。
未だに兄への失望は変わらず、しかし反面兄のことが心配でたまらなかった。
それは姉だってそうだった。
二人で懸命に生きている中、元に戻ったらしい兄が、手紙の中にあった。
手紙の内容を読み終えると、いや、終始ずっとそうだったのだが、姉はニコニコとこれ以上ない久方ぶりの微笑みを浮かべていた。
「菊也ったら……。 相変わらずねぇ… まぁ、変わっていないのが一番良かったけどね」
「…本当に、相変わらず馬鹿兄貴だ」
玖音はいつものように厳しく言い放つが、その口もとは緩まっていた。
たった一人の兄、そして弟でもある彼から届いた手紙には、確かに彼の決意が書き記されていた。
『これからは強く生きる』
二人はもう、心配いらないと思えた。
数日を要して、名古屋を経由して、関東地方に入り、東京に向かう。
「(手紙、届いたかな……)」
旅立つ前に出した姉妹への手紙を思い返す。本当に、二人にはひどいことをしてしまった。
自分は心配してくれる二人になにも返してあげられず、自分の弱さのばかりに傷つけてしまった。
手紙なんかでは謝りきれない。必ず、出会って、頭を下げよう。
馬鹿な弟と兄でごめんなさい、と。
そしてそのときは、伝えた誓いどおりに強くなっている自分を見せよう。
三笠は胸に新たに決意を秘めるのだった。
呉から長旅だったが、三笠は人々で賑わう東京の雑踏を突き進んでいた。
車内で揺られる中、三笠は夢を見た。
また、あのときの声が聞こえた。
それは、あのとき出会った少女の声だった。
―――既に奇跡への道は開いている。あとはあなた次第―――
わかっているさ。
―――途中で獣をかかえた人の子に出会う―――
なんだそりゃ?
―――その子がその先の道を導く者―――
―――私は先に行ってる。追いつくのを待ってるからね―――
目が覚めたとき、既に列車は停まっていた。
噂に聞いていた以上に、東京はひどかった。
全てが廃墟と化し、焼け野原しか残っていない。綺麗さっぱり平面が地平線まで続いており、これが日本の首都だったかと思うと絶句するくらいだ。
米軍の日本本土無差別爆撃は戦況が悪化するにつれて激しさを増し、東京をはじめとした各主要都市は最大目標とされて幾度も大空襲に見舞われた。
途中で通りかかった名古屋もひどいものだったが、東京も負けていなかった。
下町が破壊しつくされ、焼け野原の上には人々の家が所々に建てられているが、どれも粗末なものだった。
戦争の焦燥し切ったような雰囲気が濃く残るも、確かに微かな活気は見られた。
焼け野原から立ち上がり、必死に生きようとする人々の姿は幸運にも多く見られた。
人々が賑わう東京は、たとえ壊滅しようが、賑わいは健在だった。もちろん空襲される前ほどではないが。
特に闇市は必死に生きようとする人が賑わっていた。皆、必死に生きようと知恵を搾り、体力を削り、努力している。
ほのかな匂いが鼻をつくこともあり、ついつい目がそちらに誘われてしまうこともある。
各店舗では様々なものがなんでも売られていた。
一体どこから手に入れたのだろうと疑問に思うもののほうが多かった。
人々は、確かに強く生きようとしていた。
絶望は確かにあるが、希望もたくさんあった。
活気に溢れた人々を見ると、自暴自棄になって絶望に屈していたあの頃の自分が恥ずかしく思えてくる。
「みんな、すごいな……」
そんなことを口にしながら、三笠は闇市の雑踏の中を歩いていた。
見た目はぼろくて古い、しかし寒さから守る厚いコートを羽織り、ポケットに手を突っ込めながら光景に入る店を見て回る。
途中、小さい鍋から溢れんばかりの汁が沸騰し、いい香りがあたりの視線を釘付けにしているところを見つけた。
閉じたフタから溢れんばかりに沸騰する中身から沸き立つ香りが視線を釘付けにする彼らの食欲をそそり、何人も、並ぶように金を払い、お椀に中身をよせてもらって、それを食べる。
それを見て、三笠も生唾を飲み込む。
そして腹の虫が鳴ることによって自分が空腹であることを今更ながら知る。
見た目、ただの汁ばかりのように見えるが、それでも美味しそうな匂いと空腹が欲求を呼び起こした。
サイフを出し、中身を空けるも眉間に皺を寄せるしかなかった。
「……ここで我慢しなきゃ宿代がないな…」
目の前にある食欲(汁物)か、夜を寝て過ごす宿か、苦渋の決断が迫られた。
「むむむ…」
顎に手をやり、ジッと沸騰する良い香りを出す小さい鍋を見詰め、思考を巡らす。
それが、近づくそれを気付かせる反応を鈍らせた。
「―――ッ?」
トンッ……と、軽くなにかが当たる衝撃。
ササッとなにかが自分の前を駆け抜けたような感じ。
そして自分のサイフがいつの間にか忽然となくなっている様子。
ふと視線をめぐらすと、背を向けて走る小さな子供。その走るときに振られる手に握られているのは、片方に何故かクマのぬいぐるみ?そしてもう片方は見覚えのあるサイフ。
思考が追いついた。
「――ッ!? ん、な……ッ! お、俺のサイフ……ッ!!」
気が付くと、自分のさっきまで持っていたサイフを手にしている子供は、雑踏の中に紛れ込んでいく。
「ま、待ちやがれドロボォぉぉぉぉッッ!!」
三笠は雑踏に消えていく子供の背を追って、駆け出した。
障害物だらけの雑踏を駆け抜け、三笠は息を整えるために停止する。
「はぁ、はぁ……。どこ行った…?」
あたりをキョロキョロと見回し、目標を探す。そしてまた地を蹴って走り出した。
雑踏の中をしばらく走っていると、やがてさっきの小さな背が見えた。
「見つけたッ!」
その背がこちらに振り返り、一瞬子供の前面が見えた。薄汚れたクマのぬいぐるみと三笠のサイフを抱えていた。幼い顔立ち、男の子のように見えたが、女の子だった。おかっぱではない、すこし肩にかかったような長髪が揺れた。
丸い瞳が三笠を見ると、また背を向けて一目散に走り去る。
「あ…ッ! ま、待て……ッ!」
三笠はその背をさらに追いかけるために走る。
雑踏を抜け、人々と店で賑わう闇市からすこし離れた、積み重ねられた廃品の影にサッと身を隠す。
顔を出し、慎重にあたりを見回すが、向こうで賑やかになっている闇市からも人一人来ない。
ほっと安堵の息を吐いたとき、背後からぞっとするような悪寒を感じ取った。
咄嗟に振り返ると、そこには荒い息を吐いた三笠が立っていた。
「あれで俺から逃げ切れたと思ったか…? はぁ、はぁ… が、ガキんちょめ…。 くそっ、手間掛けさせやがって…… ぜぇ、あーもう、体力落ちたなぁ……俺…」
一瞬だけ目を大きく見開いて驚愕の表情を浮かべるも、すぐにキッとこちらを強く睨み据えるような瞳になる。
「………」
三笠は目の前の少女を見て、どこか違和感を感じた。
どこかで見たことがあるような少女だった。しかしその少女はもっとこれよりは大人びていたような気がする。髪も、もっと長かった。しかし目の前にいる少女はそれより背も小さく、髪も短い。九歳か十歳ほどの小さな女の子だ。
両手で抱き締めるようにクマのぬいぐるみ(外国製だろうか?)と、一緒にサイフも抱きかかえられている。
こんな女の子が一人でスリをしてまで生きる過酷なものになっているのかと思うと哀れむ気持ちになる。
しかしとりあえず今は、その子から自分のサイフを取り戻すことだ。
三笠が近づくたびに後ずさる少女。
「お願いだ。それを返してもらわないと俺が困るんだ」
「………」
「いい子だから…」
甘かった。その時に優しい言葉などかけず、力ずくで行けば良かったかもしれない。
ある距離まで近寄ると、突然、目の前の少女はニヤリと嫌な笑みを浮かべ、廃品の山から一本の部品を取り出した。
それはなんの変哲もない、ただのガラクタだったが、それが山から抜け取られた瞬間、不気味な音が響いた。
「………へ?」
気付いたときには視界がシャットダウン。
たった一つの小さな支えを失って崩れてきた廃品が雪崩のように三笠に襲い掛かった。凄まじい地鳴りを響かせ、三笠は悲鳴も発することも許されずにあっという間に生き埋めにされた。
ホコリが舞い、晴れたあとのそこは無残に崩れた廃品の山。
三笠の姿はどこにもなかった。
こんな廃品の山に埋もれたら生き埋めどころか死ぬんじゃないというぐらいだった。
しかし少女はそんなこともお構いなしに、廃品の山に近づく。
本当に三笠が埋まっているのかどうか確かめるためだ。
その時、カラリ、と山から一つのガラクタが落ちた。
「――――!!」
ズボッ!!と廃品を突き破って現れたゴーストハンドは瞬く間に少女の小さな腕を掴み、少女を逃がさなかった。クマのぬいぐるみが地に落ちる。そしてゴーストハンドの根本が廃品の山崩壊とともに姿を現した。
「ぶはッ! し、死ぬかと思ったわぁぁぁぁっっっ!!」
廃品に埋もれていたために黒く汚れた部分を見せながら、三笠が少女の腕を掴みながら廃品の中から立ち上がった。
少女は必死に抵抗するも、ガッシリと掴まれた剛腕になす術もなかった。
「伊達に烹炊所で蒸し暑くて重い中、飯作ってたわけじゃないぞゴルァッ!」
三笠の威圧にも、少女は動じない。ただ「チッ」と舌打ちし、ぷいっと顔を逸らしていた。
いざこざが済み、三笠は改めて捕まえた少女と向き合っていた。
「…で、サイフは返してもらうぞ」
少女からサイフを奪い返す。少女は三笠のほうをジッと見詰めたまま動かなかった。
「…ったく。 …なんでこんなことしたんだ」
「………」
クマのぬいるぐみをギュッと抱いた少女は無反応。三笠は溜息を吐いた。
理由なんて聞かなくても大体わかる。……そういう生き方しか、この子にはないのだ。
少女は白い服を着ている。ヒラヒラなスカートも一緒で、裸足は土と泥で汚れていた。よく観察すると少女は白いスカートが付いた服一枚で、肌の所々が土と泥で汚れている。肩にかかる髪と漆黒の瞳は美しさを変えていなかった。
抱きかかえているクマのぬいぐるみは少女の物だろう。薄汚れていてすこしボロボロだが、綺麗に洗えば外国の高級物に見え無くもない。
「お父さんとお母さんはどうした」
「………」
「…お願いだからなにか喋ってくれ」
「………」
何に対しても無反応の少女に、三笠は溜息を吐きつつ頭をぼりぼりと掻く。
何を話しかけても無駄だと判断して、三笠はその場をあとにするために背を向けた。
「今度はスリなんかするんじゃないぞ。 捕まったら今度こそブタ箱行きだぞ。 じゃあな」
三笠は背を向けたまま手を上げ、そのまま少女を残してその場から歩き去った。残された少女はぽつんと立ったまま、やがてタタッと駆け出した。
「………」
闇市から離れ、焼け野原と化した路上を歩く三笠はチラリと背後を一瞥した。
「………」
「………」
さっきからずっとついてくる少女。
こちらがピタリと止まれば、あっちも止まる。
また歩き出せば、あっちも歩調を合わせるように歩き出す。
完全についてきている……。
認めざるを得なかった。
意を決して少女に振り返る。立ち止まって薄汚れたクマのぬいぐるみを抱き締める少女は可愛いもののはずだった。
「……なんでついてくるんだ?」
「………」
「……帰らないのか?」
その時、少女は初めて口を開いた。
「……帰る場所なんてないから」
弱く、か細い声。しかし三笠の耳にはしっかりと届いていた。
「……だからって俺についてくることはないだろ」
「………」
ぎゅっとクマのぬいぐるみを抱き締める少女。無表情のうちの無機質な瞳がなにかを訴えるかのようのこちらをジッと見詰める。
それに屈したかのように、三笠は溜息を吐いてまた歩き出す。
「……勝手にしろよ」
歩き出すと、やはり少女も歩き出した。
沈む日から射しこむ三笠の長い影と少女の影が重なる。
その影は一心同体のように二つとも同じリズムで刻んでいた。
「(まさか俺の動きを合わせることによって遊んでいるのか?)」
だとしたら、そこがやはり子供らしいと思った。
ここで突き放すように、走って逃げたり、怒鳴ったりすればいいのだ。しかし三笠はなにもしなかった。
それに、夢に見た少女の言葉を思い出す。
―――獣を抱えた人の子が、その先の道を導く―――
獣といっても、抱えているのは古くて汚れたクマのぬいぐるみだが。
夢に聞いた言葉、様々な交叉する思いが女の子を突き放すことができなかった。
「(俺って、本当に甘いんだな……)」
自覚しつつ、三笠は路上の先をいつまでも歩いていた。
その後ろを付いてくるように、少女も歩いていた。
三笠は途方に暮れていました。
何故かって?
サイフを失くしたからです。
落としたのかスラれたのかもわかりません。
三笠は困り果てました。
サイフの中身は寝泊りする宿代が入っていました。なけなしのお金です。
終戦直後の貧困時代である日本は、乏しいばかりです。
ですから唯一のお金をなくせば、死ぬのも同然です。
三笠は困り果てました。
「……なんで絵本のナレーション風なんだよ」
三笠が誰かいないものにツッコミましたがこの際無視しましょう。
「はぁ……」
三笠は腰を落とし、ガクリとうな垂れました。
情けない男です。強く生きるとか言っておいて早速挫折寸前です。
「うるさい……」
ついさっきそこにいる女の子にスラれてせっかく取り返したというのに、そのサイフを失くしては意味がありません。
「だからうるさいってのッッ!!」
立ち上がり怒鳴る三笠を、行き交う人々は不審な目で三笠を見て通り過ぎる(ここで通常に戻る)。
三笠は人々の刺さる視線に気付き、咳払いしてから顔をほのかに赤めながらも座り込んだ。
「……さて、どうするかなぁ」
三笠はジッとそばに立つ少女を見詰める。
クマのぬいぐるみを抱きかかえた少女はどこを見ているのか、前だけをジッと見詰めていた。
ある意味一番困るのは、この女の子だが……。
今まで色んな女の子(艦魂だが)を見てきて慣れてはいるが(彼女たちに会うまでは飢えていたのに)、こんな女の子は初めてだった。
まぁ小学生くらいだから、冬月や浜風あたりのようなものだろう。
とりあえず、あの言葉もあるし、もし聞いたとおりなら、おそらくこの女の子はこの先進むべき道に必要なのだ。
本当にそうなのか正直わからないが……。
しかし信じるしかない。
「…なに見てるんだ?」
そう問いかけると、数秒経て、女の子はやっと視線だけをこちらに向かせ、そしてまた前に戻した。仕方なく三笠は視線を追うと、向こうには進駐軍のジープと米兵たちの周りに、子供たちが群がるように集まっていた。
子供たちが手をさし伸ばし、なにやら米兵に呼びかけている。米兵はそれに応えてニコニコと微笑みながらチョコレートやガムを子供たちに配ってあげている。
戯れる子供たちにお菓子を配る米兵と、ジープにももう一人いる。……日本人?それとも日系だろうか。自分と同じ肌をした人間が子供たちを温かい目で見ている。
そして米兵の笑顔を見て、かつての敵国も、自分たちと同じ人間なんだなと三笠は思った。
そして米兵からお菓子を受け取る子供たちは希望に満ち溢れた顔だった。
お菓子をもらえるのだから当然だろう。
「…お前はもらいにいかないのか?」
女の子に声を掛けるが、相変わらず無反応。ただ米兵と戯れる子供たちを見るだけだった。
「そういえば、お前、名前なんていうんだ?」
「………」
「一応知っておかないとこれから呼ぶとき困るだろ。どうせお前付いてくるんだろうし…」
「………」
堅甲というほどの無反応さに三笠は呆れて諦めるが、ぼそりと呟いた女の子の声を聞き逃さなかった。
「今、なんて言った?」
「………」
女の子はゆっくりと三笠のほうを向いて、微かに首を傾げ、小さい唇を動かした。
「……夏加」
「な、つか?」
女の子はコクリと頷いた。
「……夏加」
「そうか」
なんだか距離が近づけたように三笠は思えた。
「夏加か。いい名前だな」
三笠はくしゃくしゃと女の子の頭を撫でてやる。
女の子はそれでも無機質な表情で、相変わらず普通の女の子とは、少なくとも向こうで米兵からお菓子をもらっている子供たちとは違う、女の子はただ撫でられるだけだった。
それでも、すこしは喜んでいるような気がする。
頭を撫でられて喜ばない子供なんていないだろう。
ふと、三笠は神龍のことを思い出す。
――子供じゃなくても、頭を撫でられたら彼女みたいに喜ぶものがいるだろう。
いや、あるいは彼女もまだまだ子供か。
そんなことを言えばまた怒られるだろうけど。
三笠は無意識に、ククッと喉を鳴らして笑っていた。
そんな三笠を女の子――夏加はジッと見詰めていた。
名前を知ることによって、二人の関係は他人ではなくなる。
それが他人から脱するというスタート地点によって、距離が近くなったと感じた。
「俺は三笠。よろしくな」
半々無駄と思って手を差し伸べるが、案の定無反応だった。ただ頷くだけで、再び前のほうに視線を戻した。
三笠は苦笑しつつ、夏加とともに、お菓子をもらった子供たちが走り出して米兵から離れていくところを見ていた。
子供たちがいなくなり、米兵もジープに乗り込もうとする。
そのとき、子供たちがいなくなったのを見計らったかのように、夏加はタタッとジープのもとに駆け出した。
「お、おい…ッ?」
三笠が止める間もなく、夏加はエンジンを入れて走り出そうとしたジープのそばに駆け寄っていった。
お菓子をもらいに行くのだろうか、と三笠は思った。
米兵たちも、近寄ってきた女の子に気付いて、発車することをやめた。さっきまで子供たちにお菓子をあげていた米兵はまた子供がお菓子をもらいにきたのかと思ったのか、女の子から「ギブミーチョコレート」の言葉を待つようにお菓子をポケットから取り出そうとする。
しかし、ジープのそばに立った夏加は、三笠にとっても、米兵たちにとっても、信じられないことを始めた。
「な……ッ!?」
三笠は頭から血の気が引いたのを久しぶりに感じたのだった。
伊勢「伊勢と〜」
日向「日向のぉ」
伊勢・日向「艦魂姉妹ゲストお呼び出しラジオ〜」
――本番組は、北は樺太、南は台湾まで、全国ネットでお送りいたします―――
――大本営・海軍省・大日本帝国海軍支援協会・艦魂同盟の提供で、お送りいたします―――
日向「って、もうすでに私たち二人だけの姉妹のラジオ番組じゃなくなってるわよ……」
伊勢「結局大和さんや榛名たちも来ましたからね」
日向「まぁその元凶は退治しといたから、仕方ないということでこのまま進行するしかないわね」
作者「ぐふぅ……」
伊勢「ちなみに、今回からは戦艦空母陣だけでなく、特別出演として矢矧と雪風にも来てもらったわ。彼女たちは私たちと同じくらい重要なメインキャラだからね」
矢矧「失礼いたします、参謀の皆さん…」
雪風「わ、私なんかまで呼んでもらっていいんでしょうか?」
伊勢「いいのよ、気にしないで。どうせ出すならやっぱりおなじみにメンバーがいいでしょ」
雪風「で、では……。よ、よろしくお願いしますっ」
矢矧「………(ペコリ)」
日向「じゃ、始めましょうか」
伊勢「前回は草薙先生の紀伊から凛さんが来ていただきましたけど、凛さんにはご迷惑をお掛けしましたね…。大和さんが凛さんを拉致って……」
日向「あの後は本当に大変だったわ…。まぁ奪還したころにはあの子、なんだかひどい状態だったけど…」
伊勢「せっかくゲストさんが来ていただいといいますのにねぇ」
大和「仕方あるまい。性衝動というものはどうしても抑えられないものがあるのだよ」
榛名「長官……ッ!」
大和「はっはっはっ」
榛名「開き直らないでください……」
日向「まぁでも、それほどあの子が可愛かったということかしらね…」
伊勢「そうね。大和さんが拉致してしまうくらい、確かに可愛いおかたでしたね」
雪風「へぇ、そんなに可愛いかただったんですか?いいなぁ、私もお会いしたかったです…」
矢矧「私たちは今回からだから、仕方ない…」
龍鳳「凛さんは、初めてお会いしたときは強気で元気、そして活発なヒトでしたけど、中身は全然可愛い普通の女の子に見えましたよ。あ、もちろん外見も可愛かったですけどね」
天城「また来てほしいね〜」
葛城「…同意」
伊勢「また機会があれば、ってことね。作者さん達同士で艦魂同盟を結んでらっしゃるんだもの。きっとまた会えるわよ」
大和「そのときがまた楽しみだな」
全員「………」
日向「今度のゲストは前回の失態がないように、全力で護衛しないとね。…いえ、護衛なんて生温い。死守よ」
伊勢「そうね…。大和さんがいる限り、ゲストさんの貞操が危うい限りです…」
榛名「そのときは私も武人として大和長官に立ち向かう」
葛城「共同戦線」
天城「なんだか面白いことになりそうだねぇ〜」
龍鳳「面白いだけでは済みませんよ……」
雪風「私なんかがお力になるかはどうかはわかりませんけど協力いたします…!」
矢矧「参謀長の側近として、尽力を尽くす」
大和「なんだかひどい言われ様だな…。というか聞こえてるぞ」
伊勢「お気になさらず(ニッコリ)」
大和「…そんな笑顔で言われると本当に気にしなくなってしまいそうになるのは何故だろうか」
榛名「そういえば今度のゲストって誰なんだ?」
日向「誰だっけ、姉さん」
伊勢「ええと……このスケジュール表によると、黒鉄先生の艦魂年代史から、メインヒロインの戦艦『大和』の艦魂、大和さんですね」
日向「……なんだかややこしくなりそうね」
葛城「…同姓同名」
矢矧「仕方ない。同じ戦艦『大和』だから」
天城「もちろんキャラは違うけどねぇ〜」
大和「ほぅ…。向こうの私か。それは会ってみたいものだ」
日向「は…っ! そ、そういえば姉さん…。そのゲストの大和って……」
伊勢「―――! そ、そうだわ…。これは……」
榛名「どうした伊勢。わなわなと震えて」
伊勢「ちょっと皆さん来てください…!」
(大和以外、全員伊勢のもとに集結する)
榛名「いったいどうしたというのだ、伊勢。説明を頼む」
葛城「…冷静に」
天城「日向ちゃんも顔が真っ青だけど……」
日向「迂闊だったわ…」
龍鳳「どうかされたんですか?」
伊勢「今度のゲストさんは、このサイトで全ての始まりといえる、艦魂の第一作品、黒鉄先生の艦魂年代史からのヒロイン、大和さんよ……。これは大変なことだわ」
榛名「だからなにが大変なのだ。それは日本に米大統領が来日するようなことかもしれんが…」
葛城「…というかどの先生がたの艦魂が来ても、それは他国の首相が来日してくるようなものかと思うけど」
日向「今はそんな例えはどうでもいいわ…!」
榛名「だから早く説明しろ…」
伊勢「その大和さん、ここの作者さんが萌え死ぬほどの可愛らしさと、しかもわざわざ本人が足跡を残してくれるような純粋さと偉大さをかねそろえた艦魂よ。あまりの可愛さにこの作品の神龍の参考にもなったんだから」
雪風「そういえばどことなく似てますね」
榛名「だがそれが何の問題……――はッ!ま、まさか…ッ」
天城「どうしたの榛名?」
日向「気付いたようね…」
天城「へ?」
葛城「…なるほど。これは確かに危険」
天城「え?へ?だから何?ねぇ葛城、お姉ちゃんに教えてよ〜」
葛城「もっと早く気付くべきだった…。そして未だに気付かない姉者は馬鹿」
天城「ひ、ひっど〜い!なんでそんなことまで言われなくちゃならないのさ〜!」
龍鳳「……まずいですね」
天城「龍鳳までッ?!え、なんなの?気が付けば雪風ちゃんや矢矧ちゃんも真っ青な顔してるし……。私だけぇぇ〜?!」
伊勢「まぁ、以前までは戦艦と空母は不仲関係といわれて接する時間もあまりなかったですから、天城さんはあまり知らないから気付かないのかもしれませんね」
葛城「…でも私はわかった。龍鳳も気付いている」
天城「やっぱり私だけじゃん!」
榛名「いいか、天城。これは最も危惧するところだぞ」
日向「正解を言うわ」
伊勢「まずポイントは、今度来るゲストさんも可愛いということです」
天城「うん…」
伊勢「つまりですね…」
天城「――――あっ!?」
日向「やっと気付いたようね…」
伊勢「そう…。今度、ゲストとして大和さんがここに現れると、その可愛さのあまり、私たちの大和さんは(やっぱりややこしい)必ずと言っていいほど、襲い掛かるでしょうね。大和さんが大和さんを襲う……あぁ、ややこしいですねッ!とにかく、そういうことです。また、大和さんの魔の手が……いえ、大和さんのカメレオンのように伸びる舌がゲストさんの大和さんに襲い掛かる可能性絶対なのですッ!!」
日向「想像してみなさい。わざわざ足跡を残していただき、しかもウチの神龍とお茶会をしようと言っていただいた彼女よ。しかも彼女はあちらの世界ではとても純粋。しかも彼氏がいるわ。そんな彼女をウチの司令長官が襲い掛かったりなんかしたら……。前の凛については早目に済んだから良かったものの、下手すれば艦魂戦争勃発よ!!」
天城「ひ、ひええええ〜〜〜ッッ!!」
葛城「有事ね…」
日向「戦争になれば圧倒的に兵力はあっちのほうが数十倍の差があるわ!数的に質的にその他色々的に!」
榛名「…いや、そこまではないだろ」
伊勢「そうですよ日向。あまり失礼なことは言わないでください。第一同盟を結んでいるのですから。本当に失礼しました、大和さん、ウチの大和さんは危険人物と言っても過言ではありませんが、私たちが全力でお守りし、大歓迎いたしますので、楽しみに待ってますよ」
日向「…ごめん。ちょっと熱くなりすぎたわ」
天城「ガタガタブルブル」
葛城「…愚姉。いつまで怯えている」
天城「だって葛城!戦争よ、戦争!私、もう戦争は嫌よッ!」
葛城「ああ…。史実(本編)では空襲で敵の攻撃にあい、転覆して哀れも無い姿を曝け出して、果ては日本海軍壊滅の象徴として進駐軍に記録されたトラウマが……」
天城「嫌ぁぁぁぁッッッ!!」
龍鳳「こらこら葛城、あまり自分の姉をイジメちゃいけませんよ」
葛城「…イジメてない」
天城「完璧にイジメてるよ〜〜〜ッッ(涙)」
葛城「…うるさい。黙れ、愚姉」
天城「ガーンッ!」
日向「もういい? ところで、今回は来ないの?ゲスト」
伊勢「もうすぐ来ると思いますけど、どうやら次回のようですね。楽しみにしていた方々、そして黒鉄先生、ごめんなさい。というわけで、次回のゲストさんは艦魂年代史から大和さんが来ていただけます。お楽しみに〜」
日向「来たときには全力で死守しなきゃね…」
大和「…なんだか私の心が妙に傷つくのは何故だろうか」
雪風「ちょ、長官が傷心しています…ッ!」
矢矧「きっと向こうの大和という者が来ればすぐに元気を取り戻す。――そのときには大和護衛に従事」
雪風「また私たちが『大和』を護衛するなんて……というか、そもそも『大和』から『大和』を守るってなんなんでしょうね(苦笑)」
矢矧「あまり深く考えないほうがいい…」
作者「うぅ…ッ。げほ!ごほ!」
雪風「あれっ?!今までいないと思っていたらいたんですか!」
作者「今まで気絶してたんだよ……誰かさんのおかげで」
日向「あぁん?」
作者「ビクッ!」
榛名「情けない…」
作者「き、気を取り直して…。えっと、伊勢と日向、これ」
伊勢「なんですか?ハガキ?」
日向「これをどうしろと?」
作者「いやぁ、せっかくラジオ番組って言ってるんだから、それっぽくしようと……。では、いきましょう!」
〜伊勢と日向(その他艦魂一同)の質問コーナー〜
伊勢「えーと…(苦笑を浮かべながら渡された台本を読む)。……このコーナーはリスナーの皆さんからいただいたハガキに書かれた質問に私たち……(『伊勢と日向が』の部分が『艦魂一同が』に書き換えられてる部分を凝視)が、お答えする新コーナーです」
日向「仕方ないわね…。では、いくわよ(渋々台本を読む)」
榛名「というかリスナーって誰だ?いつハガキなんか来たのだ」
大和「どうせ架空だろ?」
作者「そこ、静かに」
伊勢「えー。では、最初の質問です。ペンネーム、フジツボさんからいただきました。『艦魂の皆さんこんにちは。いつも毎回楽しみに聞かせて(?)もらっています。艦魂の皆さんはみんな女の子ということなので、ぜひお聞きしたいことがあります』」
日向「まぁ、艦魂は確かにみんな女の子ね」
榛名「で、何を聞きたいというのだ?」
伊勢「えーと……『皆さんの3サイズを教えてください』」
バキィィィッッ!!
作者「ぶほぉあああぁぁぁッッッ!!」
日向「あ、あんた…ッ!な、なななに聞いてるのよぉぉッ!!」
作者「違…ッ わ、私じゃない…!」
日向「本当に質問をくれる人がいないんだから必然的にあんたしかいないでしょうがぁぁぁッ!」
作者「う、うるさい!いいから答えろ!ちょうど、実は本当にある艦魂たちのキャラ設定が書かれた原稿にこっそりと表には出されることはなかった3サイズも書いてあるんだから…ッ。それにリスナー(読者)様からのご質問だぞ!」
日向「やっぱりあんたじゃない!ていうかあんたねぇ、そんなことできるわけ…ッ」
大和「まぁいいだろう」
日向「って、えぇぇぇッ?!い、いいのッ!?」
大和「うむ。私は別に構わんぞ」
(自分の豊かな胸を張る大和)
日向「(大和の胸を見詰めながら)……そりゃ私たちの司令長官様はご自分の身体に自信があるからいいけどさ…」
大和「ほう、自信がないから嫌なのかね?」
日向「そ、そういうわけじゃないわよ…ッ!(赤面)」
大和「では多数決で決めよう。皆はどうだ?」
榛名「大和長官がそう言うのなら仕方あるまい…」
日向「榛名ッ?!本気なの?」
伊勢「私も別に構わないわよ」
日向「ええええええッ?!ね、姉さんまでっ?」
葛城「………」
大和「無言は肯定と受け止めるぞ」
天城「あはは〜。面白そうだから私はおっけー」
龍鳳「……え、えっと…皆さんがそう言うなら…」
日向「………」
雪風「(顔真っ赤)」
矢矧「……ぽっ」
大和「では多数決で決定 ―――よしっ(グッ)」
作者「大好き民主主義ッ!!」
日向「あんたは黙ってろぉぉぉぉッッ!!」
作者「ぐはぁッ!!」
大和「よし、では誰から言おうか?ハァハァ…」
榛名「大和長官、鼻血が出ているが…」
龍鳳「大和さん、皆さんのサイズを聞きたいだけなんじゃ…」
葛城「…どう見ても大和長官がトップだと思うけど」
天城「同感〜」
作者「いいから早く言ってください。また文字数がここまでで使いまくりですよ」
葛城「三次元的な発言は自重するべき…」
作者「すまん…。 で、では大和から」
大和「私からか?私はだなぁ」
大和・上から、91・60・87
天城「ボン・キュ・ボンッ!!」
雪風「す、すごいです…。さすが長官……」
大和「はっはっはっ。いやぁ、ダントツでトップだな私」
榛名「さすが世界一の戦艦『大和』の艦魂というところだな」
伊勢「それ、関係あるのかしら?」
日向「………(諦めた顔)」
作者「作中でも豊かな胸だとか表現されてましたが、マジでスタイル抜群というイメージです」
日向「このエロ作者め…」
作者「なんだよー。いいじゃんかよー!結局表のプロフィールに出すことなく没になったけど……ここで公表できてよかったよ」
大和「まぁ訓練を励めば誰でも成長するものさ。人は誰だって成長する。だから気を落とすこともない」
天城「そう言われても普通に自信なくしますな〜…。ショックだ〜」
作者「では続けて榛名!」
榛名「うむ、私か。――って、ええッ?!わ、私か…!」
大和「どうした、言ってみろ。ふふふふふ…」
榛名「大和長官、目が怖いんだが…」
作者「ではどうぞ」
榛名「えっ? ちょ…っ 待っ…!」
榛名・上から、82・57・83
伊勢「あら、榛名。意外と大健闘じゃない」
榛名「うわああぁぁぁぁッッ!わ、私が言う前に何故先に言うんだぁぁぁッッ!!」
作者「だって早くしないと果てしなく長く続いちゃうよ、これ」
榛名「き、貴様……」
作者「ほらほら、さっさと次々」
日向「なんかあんた、ムカツクわね…。馬鹿作者のくせに…」
作者「ひどいなぁ。ほら、早く次いきましょう!」
伊勢・上から、84・58・85
伊勢「あらあら」
榛名「(負けた…)」
日向「そんなに嫌そうな顔じゃないわね…」
雪風「ここまでは結構な方々が続いていますね…」
天城「なんか自信なくすなぁ」
作者「そういう天城は……」
天城・上から、80・57・81
作者「なんだ、いいじゃん」
天城「そうですかね?いや〜、そう言ってくれるならとりあえず安心したよ〜」
日向「ちょっとちょっと!最初からこんなのだと、後に出る人がますます出にくくなるじゃない!」
作者「ほぅ、例えばこんな人とか?」
日向・上から、78・52・79
日向「きゃあああああああッッ!!」
作者「大丈夫、そこまでひどくは……ぶはっ!!」
日向「殺す…ッ!」
作者「ひいいい……っ」
天城「ねぇねぇ、葛城は?」
葛城「………」
葛城、上から、79・50・78
作者「一センチ差で葛城が日向に買ったね。バストが」
日向「………(ガクリ)」
葛城「…私の胸を触っていいのは菊也だけ」
龍鳳「か、葛城…ッ?!」
天城「ふっふーん。やっぱり胸のサイズはお姉ちゃんの勝ちだねぇ〜」
葛城「…殺す」
天城「ええええぇぇぇっっ?!」
作者「ほらほら。ちゃっちゃとやっちゃうよ。あとがきだけで何日かけさせているんだよ…」
葛城「更新が大幅に遅れた理由の一つ…」
龍鳳、上から、82・59・80
天城「おおっ!龍鳳、EかFあたりかなぁと思ってたけど、やっぱりそうだったんだね!」
龍鳳「は、恥ずかしいです…っ」
作者「そのテレ具合も加わるとさらにGJ!」
日向「昇天しろッ!」
作者「ぐはっ!」
葛城「…作者ボコボコ。そんなに蹴られたいの?ドM?」
作者「好きでやられてるわけじゃないやい……」
榛名「早く進めようと言ったのはどいつだ。次は誰だ?」
雪風「あ、私です……(顔を赤くしながら挙手)」
雪風、上から、77・56・79
大和「あぁ……可愛いなぁこいつぅ…」
雪風「や、大和さん…やめてくださ…ッ はう…」
天城「あ、雪風ちゃんが餌食に…」
榛名「長官的にヒットしてしまったんだろ…」
伊勢「最後は、矢矧ね」
矢矧「…よろしくお願いします」
矢矧、上から、75・57・78
天城「つるぺった……――ぶほッ!?(葛城に殴られる)」
葛城「愚姉、慎め…」
天城「だからっていきなりグーはひどいと思う…」
矢矧「………」
大和「…まぁ気にするな。胸のサイズなど気にするものではあるまい。小さい胸が好きな殿方だっているのだからな」
日向「そうよ!小さな胸が好きな男だって……いる、んだか……ら…」
作者「ちなみに某砲術士の証言によると、『えー、…そうですねー。胸が大きい子もいいですけど、…その……自分はあまりそんなに大きいのは…。小さいって言うと失礼かもしれないけど…自分的にはかまいませんよ。胸が小さいのも可愛らしいと思います(音声は変えてあります)』だそうだ」
日向「………」
伊勢「あ、日向の表情が水を得た魚の潤いの如く潤いになったわ」
矢矧「…私は別に気にしていない」
天城「あ、そうなの?」
矢矧「…私は軍人。胸がどうのだと気にしている暇などない。私は女子である前に一人の艦魂であり軍人」
天城「でもやっぱり胸があるほうが何かとないよりはいいよね」
雪風「や、やっぱりそうなんでしょうか…」
天城「大丈夫大丈夫。雪風や日向みたいな子でも需要あるよ」
日向「どういう意味よ……」
伊勢「まぁ、矢矧の言うことも間違ってはいないわね。でも私たちはやっぱり女の子でもあるんだから、こういう女の子しかできないお話も、戦争から離れているときは、たまにはいいかもしれないわね…」
榛名「そうだな…。確かに悪くはない…」
日向「そりゃスタイルに自信ある人はいいかもしれないわよ…」
大和「いやいや、皆の3サイズが聞けて私は大満足だ。もうハァハァだったよ……」
榛名「長官、鼻血鼻血……」
作者「でしょ?いやぁ、私も没にしたものを掘り起こせてよかったと思うよ」
日向「…この貧乏根性丸出し作者め」
作者「なにか聞こえたような気がしたけど聞こえなかったことにしよう。さて、…ん? あ、まだいた」
大和「他の者のサイズか。誰なんだ?」
作者「ここにいる子たちはみんな紹介したけど、まだ最も大事な人がまだだったよ!この作品のメインヒロイン、神龍の3サイズ大公開っ!」
大和「ブッ!!(鼻血噴出)」
雪風「きゃあああ〜?!ちょ、長官〜っ?!」
榛名「き、貴様…ッ!し、神龍のサイズだとっ?ふざけるな!それは誰にも教えるわけにはいかんっ!姉として妹の個人情報を死守するッ!」
伊勢「まぁまぁ榛名、みんな紹介したんだし、神龍のもいいじゃない。榛名だって、本当は知りたいんでしょう?」
榛名「う…っ!ば、馬鹿…!わ、私は別に……」
雪風「参謀長の3サイズですか…。それは私にも興味がありますねっ」
矢矧「側近として参考までに聞いておく必要がある…」
日向「というかみんな意外と知らないのね。私も知らないけどさ(大体知る必要がない)」
天城「神龍ちゃんのバストはどんな感じかな〜?」
龍鳳「注目はそこですか…!」
葛城「………(敵対心)」
作者「では、我らが女神、神龍です!ご期待に添えられるかどうかはわかりませんが、どうぞ〜」
神龍、上から、82・58・83
大和「こ、これは…ッ!」
伊勢「あら、すごいわね神龍」
天城「神龍ちゃん、意外と結構あるじゃ〜ん」
葛城「………」
龍鳳「か、葛城が真っ白に燃え尽きています……」
雪風「さ、さすが参謀長です〜っ」
矢矧「我らの参謀長は我々を決して裏切らなかった」
日向「…何が?」
榛名「し、神龍……お、お前と言う奴は……」
日向「妹の予想以上に成長していたスタイルを知った姉の心境ね、榛名…」
伊勢「ここに神龍がいたらどうなってたんでしょうね」
天城「きっとすっごく照れてあたふたしてたと思うよ〜」
日向「そうなれば真っ先に餌食ね…」
大和「ハァハァ…」
(大和、恥じらいの少女を妄想中……)
榛名「まぁしかし、これまで見ていくと、中々スタイルが良い奴のほうが多いな」
伊勢「逆のほうが多かったらそれはそれで危ない気がしますが……主に作者さんが」
日向「単に作者の趣味というか好みが表れただけじゃないの?うわ、私たちのサイズが馬鹿作者の好みで決められるなんて……やだやだ」
作者「なんか卑猥だからやめてくれる?あまり言わないでくれると助かるんだけどさ」
日向「まぁとりあえず……」
作者「日向さん?何故ご自分の三十六センチ砲が具現されているのかな、かな?」
日向「なんで私のサイズがこんな貧しくしているのよぉぉぉぉッッ!!」
作者「結構気にしてるじゃんか……って、きゃああああああっっ!!」
伊勢「というわけで、今回はここで失礼させていただきます。以後も艦魂ラジオをよろしくね。次回は遂に艦魂年代史から大和さんが登場。黒鉄先生、楽しみにしていてください。いつ更新できるかはわかりませんが……。作者さんは頑張って書いていくつもりですので!では、また次回〜」
日向「撃てぇぇぇッッ!!」
作者「ア―――――――ッ」
ズドオオオオオオオオンッッッ!!!
日向「ふぅ……悪は滅びたわ」
榛名「む?」
伊勢「どうしたの、榛名」
榛名「いや、こんなところにクッキーの箱が……」
伊勢「あら、本当だわ。誰のかしら?」
天城「わ〜い。クッキーだ!」
龍鳳「あ、とても美味しそうですね」
日向「って開けてるし?!こらっ!天城!誰のものかわからないのに勝手に開けないの!」
天城「ぶーっ(・3・)」
葛城「やめろ愚姉。その顔文字は腹が立つ」
雪風「でも本当に美味しそうなクッキーですね……」
矢矧「(コクリ)」
大和「ふむ…。ではちょっと味見してみようか?」
伊勢「いいのかなぁ、これ…」
大和「置いてあるんだ。構わんだろう」
日向「いや、いいの…?」
榛名「ここに無造作に置いていった奴が悪い」
日向「でもちゃんとこの紙に、『絶対食べちゃ駄目です』って書いてあるんだけど…」
天城「はんへはほうね〜(なんでだろうね〜)モグモグ…」
日向「ってもう食べてるしッ!」
大和「よし、では頂こうとしよう」
伊勢「あ、美味しい」
榛名「ふむ、中々の味だな…。ほぅ、様々な種類の味があるんだな」
雪風「おいひいです」
日向「し、仕方ないわね…。じゃあ私も……ぱくっ。あっ…これ、凄く美味しい…」
伊勢「やっぱり誰のかはわからないから、すこしは残しておきましょうね」
大和「うむ。しかしこんなものを食べたのは久しぶりだな…。これは本当に……」
艦魂一同「美味しいッ!」
その頃……
神龍「…はっ!なんかとっても恥ずかしいことを暴露されたような気がしますっ。それと同時に胸がざわつくのは何故でしょう?!(艦魂年代史方面に出張中)」