Epilogue.....01 〜 Snow 〜
講習オワター……ていうかまたまた前話から随分と日にちが経っちゃいました!(汗
更新していない間、艦魂作品に励む先生がたと結束した艦魂同盟に、私なんかも加わせていただいています。どうかよろしくお願いしますねー。
他の作者様の艦魂が書けるかどうか自信ありませんが……頑張りますのでよろしくお願いします!
というわけで、今回からあとがきに黒鉄先生や草薙先生と同じように自分の艦魂と先生がたの艦魂を出していくつもりです。
お二人とは少々違うふうにお送りしたいと思います。
で、今回登場する艦魂は、草薙先生の独立機動艦隊『紀伊』からヒロインの凛が登場します!
黒鉄先生のほうの大和は草薙先生のほうに出演されていますし。
どうぞお楽しみに。
やわらかくてふわふわした彼女の髪が、優しく潮風に撫でられるように靡いていた。
熱い太陽の紫外線から守るようにかぶった麦わら帽子から出た触り心地が良い艶のある髪がさらさらと潮が纏い付く。
潮が纏いついた髪をその雪のような白い手で払う。
靡く髪から見えた彼女の瞳は水晶球のように透きとおったものだった。
蒼い呉の海から風が吹きわたり、彼女は帽子が飛ばされないように、帽子をおさえた。
透きとおった瞳が遠い目で、風が吹きわたる先の水平線を見詰めていた。
その瞳は遠くの、何かを見ているのだろうか。
とても寂しい瞳だった。
かつての明るさと輝きを持っていた純粋な瞳は光を弱め、まるで今にも消えそうな弱い灯火だった。
「……雪風」
背後からの声に、雪風はゆっくりと振り返った。そこには眼鏡の奥にある心配そうな瞳でこちらを見詰める親友、龍鳳がいた。
しかし龍鳳の身体はいたるところに包帯が巻かれ、松葉杖を使って歩いている姿が痛々しい。頭を覆うように巻かれた包帯が負傷した左目までを隠し、顔の半分が包帯に覆われていた。
「龍鳳さん…」
「隣、いいですか?」
雪風は無言で頷くと、龍鳳は慎重に腰を下ろして雪風の隣に座り込んだ。
『雪風』の艦首右舷側に座り、足を空に投げ出す雪風と、分厚い包帯に覆われた足を置く龍鳳。岸壁に係留された『雪風』から見える距離には、同じく岸壁に係留され、大破して修理途中の空母『龍鳳』がその身を佇んでいた。
『龍鳳』は大空襲の際に敵機の攻撃を受け、飛行甲板に爆弾三発が命中して大破した。しかし沈没までには行かず、重傷ではあったが『葛城』と共に生き延びることができた。
艦としての航行は不能になったため、岸壁に係留され、対空砲台となった。その際、高角砲要員と機銃要員以外も下艦された。
対して『雪風』のその身は目立った傷もなく、綺麗な状態だった。特攻作戦からの帰国後、空襲を恐れて『初霜』と共に日本海側に待避していたが、結局は逃げ切れずに米軍機の攻撃を受けてしまう。
しかし僚艦が次々に被爆する中においても、何故か『雪風』だけは一発も命中弾はなかった。
だが、回避行動中に米軍が敷設した機雷に触れてしまうという事態に遭遇してしまうが、なんとこれも『雪風』は危機を脱した。
駆逐艦が触雷すれば、沈没は必至。『雪風』が触雷したとき、乗員たちは最期を覚悟したが、このときに『雪風』が触れた機雷は、回数機雷といって、一度触雷しただけでは信管が働かない(通常の機雷に混ぜて使用する)物だった。
実際その後ろを航行していた僚艦『初霜』は同じ機雷に接触、今度は信管が作動し爆発、轟沈してしまった。
『雪風』は幸運艦の命を再び発揮させたが、『初霜』は沈没。共に特攻から生き残った同志の一人は、あっけなく失ってしまった。
雪風の旧友はさらにいなくなり、僚艦は沈んでも自分だけ生き延びている雪風自身、幸運を通り越して、疫病神呼ばわりされるのも当然だと、雪風は感じていた。
今、隣にいる親友も、空襲で大怪我を負った。しかしまた自分だけ無事だった。
特攻作戦、そして終戦までに周りにいた仲間たちを失い、同じく生き延びている空母の龍鳳と、今では親友の域に達している。かつては戦艦と空母は不仲関係といわれていた。
自分たち駆逐艦も戦艦側の立場だったので、同じことが言えていた。
が、あの神龍や三笠たちとの交流で、戦艦と空母は打ち解けあうことができた。
そして龍鳳とも友情を結べた。
しかし、そんな友人に対して、雪風は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
仲間が傷ついているというのに、自分だけが無事であることが、嫌だった。
辛かった。
何故、仲間ばかり……。
それは自分が傷つくよりずっと苦しいものがあった。
戦時から幸運艦を通り越して、『死神』やら『疫病神』と呼ばれて気にしていたが、今ではもう自分でもそう思えた。
大勢の仲間を失い、姉妹たちを失い、陽炎型姉妹で生き残ったのは、雪風ただ一人だけだった。
「……ッ」
気が付くと、渇き切っていたと思っていた瞳からぽろりと涙の雫がこぼれた。
雪風は慌てて袖で拭い取ろうとするが、既に隣にいた龍鳳は気付いていた。
「雪風、大丈夫…?」
龍鳳が本当に心配そうな瞳で雪風を見詰め、懐から出したハンカチを自分の緑に優しく触れて涙を拭い取ってくれた。
涙を拭い取ってニッコリと微笑んだ龍鳳を見て、雪風は胸が痛むのを感じた。
顔を伏せた雪風を、龍鳳は自分の重傷な身体も構わずに心配する。
そんな、新たな親友の優しさが、とても苦しかった。
「……龍鳳さん、お怪我の容態はいかがですか…?」
「大丈夫ですよ。私自身、まだ修理は終わっていませんが、そんなに苦しいものではありません。最近は痛みも引いてます。まだまだ戦えますよ、まぁ対空砲としてですが……」
「…戦争は終わったんです。もう、私たちが戦う必要はありません……」
「そう、ですね…」
そう、あの悲しすぎた戦争は終わった。
本当に膨大な犠牲を払った。国のため、大切なものを護るため、皆が皆、戦った。姉妹も仲間も、みんながいなくなってしまった。
「でも、戦争が終わっているのなら損傷している艦は修理する必要もなく、いずれ解体されるという運命しかありません」
「…ッ!」
雪風は後悔と悲愴の歪んだ表情をした顔を上げ、目の前にいる龍鳳を見た。
龍鳳はどこも悲しくも後悔もしていないような、ただ悟るような瞳だった。
「ごめんなさい…ッ!」
自分の愚を呪い、震えた声を紡ぐ雪風。そんな雪風を見て、慌てた龍鳳が首を横に振った。
「ううん! 雪風が謝ることなんてないよ…ッ! これは、本当のことなんだから…」
「いいえ。 私は……罪深い女です」
雪風はぎゅっと拳を握り締め、下唇をぐっと噛んだ。
「戦いの中で大勢の仲間と大切な姉妹を失ったというのに、私だけ生き残ってしまった! そしてこうして今も、龍鳳さんに悪い思いをさせてしまっているッ! 私だけ無事だからっておめおめと……」
「雪風、あなたはなにも悪くなんてない。自分を責めることはないんですよ」
龍鳳の優しい言葉も、今の雪風には苦しさを与えるだけだった。
「いえ、私が……私がいけないんです…ッ 私が…ッ」
「雪風…」
雪風はあの特攻作戦から帰ってきたとき、そして初霜が死んだときから、人が変わってしまった。あの時期から雪風は殻に閉じこもり、自分ばかり責めるようになり、自暴自棄になった。しかし龍鳳との交流で、殻の中から脱することはできたものの、自棄になるのはどうしても変えることはできなかった。
雪風の心は、本当に壊れかかってしまっている。
龍鳳はぎゅっと瞳を瞑って、首を激しく横に振った。
そして真剣になった瞳を開いたとき、龍鳳は手を振り上げた。
―――パシン…ッ!―――
渇いた音が、響いた。
雪風がかぶっていた麦わら帽子が、ふわりと舞って、甲板に落ちた。
雪風は頬に熱さを感じて、呆然となった。
目の前には、瞳の緑に涙を溜めた親友がいた。
「いい加減にして、雪風…」
いつも本を愛してやまない、葛城や天城と一緒にいた大人しい龍鳳とは別人のようだった。
「辛いのはわかります。でも、辛いのはあなただけじゃない…」
龍鳳はそっと自分の胸に手を当てた。
「私こそ……昔から日本を護り続けてきた歴戦の空母だっていうのに、結局日本を護ることができなかった! 私は……出撃する機会も与えられず、無様に動けないままに敵の空襲を受けて、こんな大怪我を負った…。 この怪我は、これは私自身の責任と罪…。 これは私自身の所為! 私は……」
「龍鳳さん…」
「う、うぅ…ッ!」
龍鳳は右目だけでぽろぽろと涙をこぼしていた。嗚咽を漏らし、涙がぽたぽたと甲板に染み付く。
「雪風……あなたは生きていて良かったんですよ…。 磯風や浜風、雪風の姉妹さんたちはみんな、あなたが悲しんだり苦しんだりしているところを見たくないはずです…ッ!」
「…じゃあ、あの子たちは生きていちゃ駄目だったんですかッ?! 私だけ生きていて良かったんですか!」
「そういう意味じゃないッ! 生き残ったことが、あなたにとっても良かったと言っているんですッ!」
龍鳳はガッシリと雪風の両肩を掴んだ。包帯が巻かれた両腕がビリビリと電撃が走ったかのように痛みが走ったが、全然構わなかった。
「あなたにはまだやることがあるじゃないですかッ! 生き残ったことで、あなたはまだやれるべきことがあるんでしょうッ! 私なんて、解体を待つ身……。 でも、あなたは違うッ!」
眼前と鼻先にある彼女に詰めるように、叫び続ける。
「あなたはその幸運をこれからも、あなたに乗りこむ彼らのために使うんです! あなたは厄病を運ぶんじゃない。 幸運を運ぶんです! 今も日本から遠く離れた海の向こうで迎えを待っている人たちがいるんです! あなたはその人たちを日本に連れて変える義務を、与えられるのでしょう?! そんな人が、自分を責めてどうするんですかッ! しっかりしてくださいッ!!」
極めて状態が良い『雪風』は武装を外されるも、『葛城』と同じように特別輸送艦として、日本から遠く離れた地で待つ兵士たちを乗せて日本に連れて帰る復員輸送に従事することが決まっていた。
「………」
沈黙。雪風の瞳は前髪に隠れて見えない。
両肩を掴んだ龍鳳はじっと顔を伏せる雪風を見詰めて待つ。
「……龍鳳さん」
「…私たち、親友です。 さんはいらないって言ってるでしょ…?」
「――ごめんなさい、……龍鳳。 そして、ありがとうございます…」
雪風はそっと龍鳳の手から解放される。
そのまま海のほうに顔を向けた雪風は、潮風を浴びて、ふわふわした長髪を靡かせた。
靡いた髪から見えた瞳は、先ほどまで絶望に暮れた瞳ではない、淡い光を宿した瞳だった。
「親友だもん。 謝罪もお礼もいらない…」
「お礼はさせてください。親友として」
そう言って龍鳳のほうに向けた雪風の表情は、かつての優しい姉にあった、やわらかい表情だった。
「龍鳳」
「なに? 雪風」
「…そう、ですよね。 私には、まだやらなくちゃいけないことがあるんですよね…。 私、死んでいった姉妹たちのためにも、龍鳳のぶんまで、この身も心も、朽ち果てるまでずっと日本と日本の皆様のために捧げる気持ちです。 これは、昔から変わらない気持ちです…。 戦争に負けたとか、関係ない。 戦争がなくったって、私の使命は変わりませんから…」
兵器として、艦として、戦うために存在する艦魂だ。
しかし戦争がなくても、自分が兵器であっても、この気持ちは変わらない。
戦うとしても、戦わないとしても、日本のためにという根本は変わることはないのだ。
仲間や姉妹は、戦いに身を投じて、その気持ちを持っていた。
自分自身もそうだった。
そして今、自分は戦って日本のためにするんじゃない。
戦わない方向で日本のためにやるんだ。
これは幸福なことだ。
日本のために戦って死んでいった仲間と姉妹のためにも、生きている自分も、これからもその気持ちを持ってやっていくだけだ。
二人は微笑み合った。
今、目の前にいる親友は、それができない。同じ気持ちを持っているはずなのに、解体という自分の命が消えるときをただ待つだけの身。
そう思うと、悲しい気持ちが沸いてくるが、親友のためにも、雪風はそんな表情をもう二度と見せないようにした。
そして、今までになかった分を引き出すように、笑顔に努めた。
「よーし、頑張りますよー」
すっくと立ち上がる雪風を、龍鳳がニコニコと微笑んで見上げる。
「頑張ってね、雪風」
「龍鳳!」
雪風の白い手が、差し伸べられる。
「私は、――強く生きる! だから、龍鳳も……生きてくださいっ」
これを言うのは、彼女にとっては酷なものかもしれない。
でも、それを聞いた龍鳳は驚いたような表情になって、それから口もとを柔らかく微笑ませた。
「うん。 生きるよ」
龍鳳は満面な笑顔を輝かせ、雪風の差し伸べられた白い手を握った。
そして雪風に支えられながら立ち上がり、松葉杖を持って、自分で自分の体を支える。
そして、向こう側の陸岸とそれに係留された空母『龍鳳』、穏やかな波を見詰めた。
向こう側の陸岸の彼方を見詰めていた雪風が、あるものを見つける。
「あれ…?」
「どうしました、雪風」
「あれ、二曹さん…?」
「えっ…? 三笠様ですか…?」
「うん。 あれ…っ」
雪風が指を差す方向には、対向側としてある陸岸に、一人の人間がいた。それは彼女たちにとって見覚えがある、懐かしい彼だった。
係留される『龍鳳』を見上げてから、彼は岸壁を沿うように、海を見詰めながら歩き出した。そしてこちらに係留される『雪風』を見つける。
「こっち見ました!」
龍鳳がそう叫んだ次の瞬間、雪風は咄嗟に大いに声を張り上げて叫んでいた。
「二曹さぁぁぁ――――――んッッ!!」
普段の雪風とは思えないくらいの大声が木霊し、離れた距離にいた彼に届いたらしく、彼は『雪風』を凝視していた。そして自分たちの存在に気付いたのか、手を振っていた。
それを見て雪風と龍鳳も、嬉しそうに大きく手を振った。
やがて、『雪風』の甲板には三笠と雪風、龍鳳の三人が集まっていた。
「お久しぶりです! 二曹さん」
「ご無沙汰しております、三笠様」
「久しぶり、二人とも。 雪風、龍鳳」
二人の目の前で笑顔を浮かべる三笠。そんな三笠の屈託のない笑顔に二人はドキリと胸を高鳴らせた。
以前会ったときより、すこし背が大きくなっているような気がした。しかし彼の優しい笑顔は変わっていなかった。
「まさか生きていただなんて、嬉しいです!」
「…ありがとな」
「あ…」
二人は気付いた。
『神龍』が独断専行で特攻を続け、途中で敵戦艦部隊と接触。交戦した末に沈没したことは連合艦隊司令部で報告され、極秘裏に封印されたが、艦魂たちの間では司令部から聞いた情報で持ちきりになっていた。
そのとき、随伴艦隊として共にいた雪風たちは、覚悟していたがやはり神龍の死は悲しさ以外に他なかった。
乗組員も全員戦死と聞かされ、救出した『大和』の乗員とは違って、独断専行した『神龍』の乗員は誰一人帰ってくることはなかった。
雪風たちが乗せて帰ってきた、独断専行直前に退艦を望んだ一割の『神龍』の乗員も隔離され、終戦まで外に出られることはなかった。
神龍が散り、そして彼も運命を共にしたと思っていた雪風と龍鳳は、彼が帰ってきたことにこれ以上ない喜びを感じていた。
しかし生き残って帰ってきたのは彼一人。
そして彼女は、いない……。
そんなの、自分とまったく同じではないか…ッ!
「ご、ごめんなさい二曹さん……私…」
「なに謝ってるんだよ」
「え…? うぁ…」
三笠は雪風のふわふわした頭部に手を置いて、滑らかな髪を撫でた。
「に、二曹さん…?」
「謝ることなんてなにもないさ。二人も、生きてて良かったよ…」
同じことを親友に言われたことを思い出す。
「う、あ、やめ、やめてください…」
くしゃくしゃと撫でられることに顔を真っ赤に染める雪風。三笠は笑い、龍鳳もクスクスと微笑んでいた。
「悪い悪い」
「あ…」
ぱっと手を離した三笠を、雪風は名残惜しそうに三笠を見詰めた。
「なんだよ、撫でられたいのか撫でられたくないのかどっちなんだ?」
「あ、いえ…! す、すみません…」
「撫でられたいならいつでも撫でてやるけどさ」
そう言って笑う三笠の笑顔はやはり変わっていない。
目の前の彼は自分とは違う。
大切なヒトを失くして、自分は自棄になっていた。彼にも同じようなことが起きたはずなのに、彼は笑っている。とても、強く生きていた。
「二曹さんは、すごいですね…」
「なにがだ?」
「二曹さんは、強いですね」
雪風のニッコリと微笑んで紡がれた言葉に、三笠は真意に気付くのに数秒の時間を要したが、やがて気付いたように、ふと笑顔を消した。
「俺はまだ全然強くないさ…。 俺だって、最近まで落ちるところまで落ちてたんだからな…」
「二曹さん…」
「三笠様…」
雪風と龍鳳の心配げな瞳が三笠を映す。だが三笠はニッと笑って見せた。
「でも、俺はこれからは神龍のためにも強く生きることを誓ったんだ。 今の俺は全然強くない。 だから、俺はこれからは強く生きる」
そう言って笑う彼が、とても羨ましいと思った。
彼はそう言っているが、自分から見る彼は、すでにこの時点で強いと思った。
でも、雪風は優しく微笑んだ。
「――二曹さんも、精一杯生きてください。私も、これからは強く生きますよ」
先ほどまで自棄になっていた自分が言える権利はない。
でも、雪風も、龍鳳も頷くように微笑み、三笠も頷いていた。
「ああ。雪風も、頑張って生きろよ」
「はいっ」
「龍鳳も。 怪我、お大事にな……。最後まで、生きるんだぞ」
「わかってますよ、三笠様。 三笠様も、いつまでも……」
「それと二曹さん。さっきの答えなんですが、えっと……、正直どちらかというと撫でられたいです」
「ははっ。 じゃあ…」
雪風の頭に向かって伸びる三笠の手を、雪風が制した。
「いえ…。でも、二曹さんが撫でる相手は私ではありません。私なんかを撫でたりし続けると、参謀長に怒られちゃいます…」
そう言って頬を朱色に染めながらえへへと笑う雪風は、以前の雪風と同じ、変わらない表情だった。
三笠はフッと微笑んで、手を下げた。
「そっか…」
「参謀長はヤキモチ焼きですから」
「それも聞いたら怒ると思いますよ」
雪風に龍鳳が突っ込む。
「それもそうだな」
三笠が同意するように笑った。
三人は、笑いあう。まるであのときの、昔のように。
彼女がそばにいてくれていると信じる三笠は、そばで本当にそれを聞いて彼女がぷんぷんと怒っている姿が目に浮かんだ。
しばらく三人で何気ない話を交わし、懐かしい雰囲気を感じながら一時を味わう。
日が沈み始め、海と湾岸がオレンジ色に染まり始めた頃、三笠がふと呟くように言った。
「実はさ……」
「なんですか? 二曹さん」
「そういえば、二曹さんはよしてくれよ。俺はもう二等兵曹でもないし、そもそも軍人じゃない」
「そ、そうですね。 えーと……、じゃあ…」
雪風は顔を真っ赤に染めながら、震える声で言った。
「えっと……うっ…み、三笠さん……」
「おう」
彼の名前を初めて口に出した雪風は胸が熱くなるのを感じて、顔をぼんっと今にも噴火しそうなほど真っ赤に染め上げた。
「はわわ…ッッ」
ふらふらっと倒れる雪風を、咄嗟に三笠が身を前に乗り出して支える。
「お、おい! どうした、雪風ッ!」
「きゅう〜……」
三笠は首を傾げつつも雪風が気が付くまで支え続け、龍鳳はニコニコと微笑んでいた。
時間も経たないうちに、すぐに雪風は気が付いた。
「う、う〜ん……?」
「気が付いたか、雪風」
「に、二曹さ……じゃなくて…―――えっ?」
雪風は自分が三笠に支えられていることに気付いて、再び顔を真っ赤に染める。
「ふわああああッッ! ご、ごごごめんなさいいぃぃッ!!」
バッ!と離れる雪風から、ぽつんと残された三笠は暗い雰囲気を降臨させた。
「そんなに強く嫌がられると、落ち込むな……」
「あっ! い、いえ! 別に嫌っているわけじゃないんですッ! ただビックリしただけで…」
ばたばたと両手を上下に振る雪風を見て、三笠は可笑しそうに吹いた。
「そっか。良かった」
「あう…っ」
三笠の笑顔に、雪風はまた汗が吹き出るほどに顔を赤く染める。
絶望に落ちていた彼女とは別人のような、元に戻った(むしろそれ以上?)雪風を見て、龍鳳は本当に嬉しそうに微笑み続けていた。
「それで、三笠様。なにか言いかけていませんでしたか?」
龍鳳が話の節を戻す。
「あ、うん。 実はさ、俺、―――呉を出て行くんだ」
「「え?」」
それを聞いた雪風と龍鳳はぽかんとなった。
「いつまでも閉じこもってる場合にはいかないからな。 俺は――神龍や雪風たちの思い出がある呉から旅立つことによって、これからは強く生きることに決めたんだ。 俺は一人で生きなければならない」
「そう、ですか…」
「それは寂しくなりますね」
「当分会えないけどさ、確か雪風も復員輸送に出るんだろ? 頑張れよ」
「はいっ」
雪風は三笠が呉から出て行くという話を聞いて寂しげな表情を見せていたが、一変して変わらない微笑みを浮かべて頷いた。
「龍鳳も、元気でな」
「はい。三笠様もお元気で…」
「今日は呉を出て行く前に、一度港を見たかったんだ。ここには、色々な思い出があるからな……」
「そうですね…」
三人は、オレンジ色に染まる呉の港を見詰めた。
ここには本当に色々な思い出が宿っていた。そして今、ここで見ている夕日の光景も、その思い出に同じものが含まれている。
彼女と見たことがある光景。
この軍港だった港は、彼女たちでいっぱいだった。そんな彼女たちと過ごした日々は忘れられない。
初めて出会い、初めて他の戦艦に乗り込んだり、月が綺麗な夜空の下で決闘したり、空母に行ったり、空襲にあったりもしたけど、嬉しいこと大変なこと悲しいこと辛いこと、様々なことがあったけど、彼女たちと、そして愛しい彼女と過ごした日常は変わらなく、思い出として残っている。
あのときと比べて随分と寂しくなった。だがこうして見ている光景は変わっていない。
この、思い出が溢れる場所を、スタート地点とする。
ここから旅立つ。
そしてこれからは強く生きる。
それが自分の誓い。
三笠は潮の香りを吸い込み、ゆっくりと決意に込めた瞳に彼女たちとの思い出の地を映した。
「いつ、行かれるんですか…?」
雪風の問いに、三笠は答える。
「明日には行くよ。 もう準備は済ませてあるから。 今日はさっき言ったように、最後に目に焼き付けたかっただけさ。 それと、お前たちにも会いたかったしな…」
三笠の優しげな微笑みを見て、雪風は瞳の奥底からこみ上げてくる熱いものを感じたが、それをぐっと抑えた。
そして抑えた表に、輝く光を放った。
「三笠さん、お元気で。 お見送りできないのは真に残念ですが……――三笠さんのこれからが幸に恵まれていることを願います」
「雪風…」
「体調にだけはお気をつけください。私は、いつまでも三笠様の帰りを待っていますよ」
「龍鳳…」
三笠は目の前の二人の少女を、戦友を、仲間を、とても切に思えてきた。
温かい気持ちが心を満たし、三笠は力強く頷いた。
「ああ。 ありがとう、二人とも」
三笠は二人に、開いた手を差し出した。
「握手を。 お別れだけど、また会えることを願って。 俺たちは、友達だ」
「――はいっ」
「はい」
三笠はそれぞれ、雪風と、龍鳳と、しっかりと握手した。
友情の証がそれぞれの心に強く刻まれた瞬間だった。
日は沈む。彼と彼女たちの思い出の一部である光景は、やはりいつものように彼女たちが眠る海の水平線へと沈もうとしていた。
そして夜が来て、明日が来て、新しい朝が始まれば、一日が始まる。
その一日を強く生きるために、三笠は旅立つ―――
伊勢「伊勢と〜」
日向「日向のぉ」
伊勢・日向「艦魂姉妹ゲストお呼び出しラジオ〜」
ドンドンパフパフ(紙吹雪も舞います)
――本番組は、北は樺太、南は台湾まで、全国ネットでお送りいたします―――
――大本営・海軍省・大日本帝国海軍支援協会・艦魂同盟の提供で、お送りいたします―――
日向「――って、なにこれ」
伊勢「なにって、私たち姉妹が主催のラジオ番組よ〜」
日向「はぁ?」
伊勢「この企画は、黒鉄先生・草薙先生・零戦先生など、艦魂作品に関係する作者様がたが集った艦魂同盟のもとによってつくられたのよ。あ、それとほかにも火星明楽先生というかたも参加されたわ。このかたは歴史作家としては年上で、艦魂作品としては初の女性作家で、しかも作品の中身は護衛艦といった現代の艦魂みたい。他の艦魂にはない要素に期待が膨らむ作品と作者様ね!ぜひ推奨させていただくわ。もちろん黒鉄先生や草薙先生、零戦先生など、他の艦魂作品もね。そしてこの企画は各作品のあとがきに他の先生がたの艦魂を登場させて、自分の作品の艦魂と面白おかしく対面させてみようといったものよ」
日向「そんな無茶な提案、誰がしたんだか……」
伊勢「元々はこの作品の作者さんがちょっと言ってみたことだったんだけど、それを草薙先生も同意して、本格的に始動したプロジェクトなのよ。もちろん同意してくれた草薙先生や同じく了承した黒鉄先生には本当に感謝しています。最初に言った人が先生がたに遅れての開始で申し訳ありませんが、これからは自分も精一杯頑張りますのでどうぞよろしくお願いします、ということよ」
日向「そんなの姉さんが言わなくても…。で、作者は?」
伊勢「もうすぐ来るはずよ」
日向「そういえば、聞きたいんだけど、何故にラジオ番組?姉さん知ってる?」
伊勢「まぁ作者さんがお二人とはちょっと違うことをやってみたいなという思いで、ラジオ番組になったんだけどね」
日向「本当にちょっとね……。ていうかどっちにしろ大して変わらないと思うけど。ただラジオ番組って言ってるだけじゃない。ラジオ番組にする必要もないわ。他の先生がたと同じようにすればいいのに。あと、最初の『北は樺太(以下略)』の部分、パクってない?」
伊勢「まぁまぁ日向、それを聞いたら作者さん、首吊るかもしれないわよ?」
日向「そうね。ただでさえマイナス思考で自分の過ちを深くマイナス方面に考えて自棄になる駄目人間だからね」
作者「………」
日向「――きゃあッ?! い、いつからいたのよ!」
(作者、日向の後ろにいました)
日向「あんた、後ろにいたなんて全然気付かなかったわ…」
作者「はは…っ。昔からよく言われます……」
日向「影薄いのね」
作者「………」
(机の上に乗って上から吊るされた輪に顔を入れる作者)
伊勢「落ち着いてください作者さん!(慌てて止める伊勢)」
作者「は、離してくれ…ッ!ただでさえあんなボロクソに言われて、さらに影薄いとか追い討ちかけられて……私はもう死ぬしかぁぁぁッッ!!」
日向「あんた、本編では強く生きるだとか書いておいて簡単に死ぬなんて言うなぁぁぁッッ!!」
作者「ゲフンッ!」
(日向の蹴りで吹き飛ばされる作者)
日向「あ、本当に死んだ?」
伊勢「日向…! だ、大丈夫ですか?」
作者「いい蹴りだったぜ…」
伊勢「どこかで聞いたことがあるようなセリフですがこの際無視しましょう。立てますか?」
作者「ありがと…。やっぱり伊勢は優しいなぁ…」
伊勢「ふふ、そんなことありませんよ」
作者「本当、何故姉妹なのにこんなに性格が反対なのか……ぶほぉッ?!」
(ツインテールを揺らした日向に踏み潰される作者)
日向「誰のせいよ、だ・れ・の〜」
作者「ごめんなさい……」
伊勢「日向、初回から「第00回・虐待」ってしないでよ」
日向「虐待じゃないわよ。しつけよ、しつけ」
作者「自分の生んだキャラにしつけされる私って…。ていうか二ノ宮の気持ちがわかるなぁ」
日向「なにか言った?(ニッコリ)」
(殺せそうな笑顔)
作者「ひぃッ!」
伊勢「はいはい、ここまで。時間余りないんだから、いきますよ」
(立て直して、再び)
伊勢「それでは始まりました、伊勢と日向の艦魂姉妹ゲストお呼び出しラジオ〜。ちなみに地上放送もネット配信もしておりませんのでご了承ください」
日向「つーかネーミングセンスがおかしいし、ラジオなにかも怪しいし…」
作者「なに言ってるんだ、ここにマイクがあるじゃないか。そしてここは某収録場のつもりだ」
日向「つもり…?」
伊勢「それより作者さん、榛名や葛城さんたちがいる中で私たち姉妹を選んでくれて、ありがとうございます」
日向「神龍たちが出撃して以降、出番なくなったからね…。しかも今終戦でしょ?私たち、死んでるし…。何の過程もまともに書かれず……」
作者「まぁ伊勢や榛名たちの最期の話は、外伝として本作が終了したあとに書くつもりだよ。いつになるのかわからないけどね…」
日向「もう似たような話を黒鉄先生が書いてるじゃない…。外伝とか、あの先生、いっぱい書いてるし」
作者「いやぁ、どれも素晴らしいですよね。外伝でも一つ一つの作品がそれぞれ一つの物語として完璧に書かれていますから。私もいくつかの外伝を読ませていただいましたよ。で、他の艦魂の話も書いて見たいと思っていたので、黒鉄先生の外伝みたいに、私も参考にして外伝みたいなものを書こうかと…」
伊勢「そういえば草薙先生も『桜』という外伝を書いていらっしゃいますよね」
日向「ああ、『紀伊』の外伝でしょ?あんなスケールが大きい作品を書かれて、さらに外伝を同時進行よ?すごいわよね〜」
作者「本当、すごいと思うよ。私には真似できない。実際、連載途中で止まっている別の作品があるし…」
日向「艦魂に構ってばかりで放置されているかわいそうな作品があったわね、そういえば」
作者「うん。まぁそっちの作品は正直見なくていいです…。いつか消そうかなとも考えてるし。要は挫折ですはい…」
日向「情けないわね…。他の先生がたを見習いなさいよ!あんた、艦魂作品を書く作者陣の中ではランクに表すと最下位よ最下位!」
作者「薄々自覚してます…」
伊勢「なんか作者さんを罵る番組に変わりつつありますが、早くゲストさんを登場させませんか?ここまで来て結構文字数使いまくってますよ?」
作者「そうですね。では伊勢、お願いします」
伊勢「はい。では今回のゲスト、独立機動艦隊『紀伊』―連合艦隊大勝利!から、メインヒロインの紀伊こと凛さんです!どうぞ〜」
凛「いつまで待たせるのよぉぉぉッッ!!」
日向「きゃ!?な、なにこいつ!」
作者「このかたが紀伊こと凛さんです」
凛「この番組(?)、グダグダすぎよ!いつまでゲストを待たせるのよ!ラジオ舐めてるんじゃない?」
日向「仕方ないじゃない。私たちは伊○院光のような面白さをラジオに流すことはできないのよ」
作者「なんか危なかったよ今…」
日向「気にしないで」
伊勢「じゃあ…えっと、凛さんでよろしいですか?」
凛「ええ、いいわよ」
伊勢「では凛さん、リスナー(読者)の皆さんに自己紹介をお願いします」
凛「初めましてかしら。私は『紀伊』の艦魂。真名は凛っていうの。よろしくね」
作者「さっきまで黒鉄先生の『艦魂年代史〜ドキッ☆恋する乙女は大艦巨砲主義〜』のほうに行ってたんだ。わざわざここまで来てくれてありがとう。ごめんね」
凛「謝ることはないわ。同盟国はたとえ遠く離れていようが、連携は大切だもの。かつての日本が敗れた歴史の日本とドイツは潜水艦で必死に連絡路を作っていたけど、やっぱりたとえ地球の裏側まで離れていたって同盟国は大切な仲間よ。…そう、まさか別の歴史では仲間だったドイツと、戦うことになるなんてね…」
伊勢・日向「え?」
凛「あ、なんでもないわ!こっちの話」
作者「………」
日向「ねぇ、あっちの話っていうけどなんなの?(コソッ)」
作者「あっちの話では、日本が滅びた未来から日本を救うために昭和の時代にタイムスリップしてきた独立機動艦隊の機動戦艦なんだよ(コソコソッ)」
日向「マジ…ッ?――って、え?日本滅びるの?!」
作者「声が大きい!まぁ、小説を読めばわかるよ。ぜひ読んでくれ」
凛「聞こえてるわよ」
作者・日向「あっ!」
凛「…まぁいいけどね。そうよ、私は未来の日本が滅びの道に進まないために戦ってる。でも、色々と予想以上に大変なことになっちゃって。ま、この世界ではそんなの無関係だから、気にしないで」
日向「…ごめんなさい」
凛「謝らないで。なにも気にしてないから」
伊勢「――はいはい、話を戻しましょう。ええと、凛さんは私たちと同じ艦魂ですよね?」
凛「ええ。あなたたちと同じ艦魂よ。まぁ、あなたたちとはちょっと違うけどね」
伊勢「へぇ、どんなところがですか?」
作者「凛さんは草薙先生の小説、独立機動艦隊『紀伊』に登場する艦魂だよ。あ、草薙先生にはお世話になってます。今度お歳暮を送らせていただきます。もちろん黒鉄先生がたにも。と、話を戻して、草薙先生の艦魂には真名という別名が存在していて、先生のアイデア力の賜物でもあるね」
日向「途中で無茶が聞こえたような気がしたけど聞かなかったことにするわ…。でもあんたに聞いてないわ」
作者「いや、あまり喋らせるのも悪いと思って…。あと正直あまりキャラを引き出す自信ないので書…」
日向「なんか言ったぁ?(ニッコリ)」
作者「ごめんなさいなにもありません」
凛「ちょっとそこの人間」
作者「あ、私?」
凛「あんた、もしかして伊東とかいう人間ね。伊藤という文字を私の作者が間違えた…」
作者「はい、伊東椋です。以後よろしくお願いします。草薙先生にもよろしくお伝えください」
凛「それより、あんた…」
作者「はい?」
凛「私を真名で呼んでいい男は恭介だけよぉぉぉッッ!!」
作者「ぶほぁぁッッ!?」
(吹っ飛んで壁にたたきつけられる作者)
日向「本当、蹴られてばっかねぇ」
作者「ごべんなはい……紀伊さん…」
伊勢「凛さんごめんなさい! ウチの作者さんが大変なご迷惑を…。それにしても恭介さんって誰なんですか?」
凛「う…ッ」
日向「何よ顔赤く染めちゃって。恋人?好きな人?」
凛「な…ななな…ッ! きょ、恭介はただの司令長官! べ、別になんでもないんだからッ!!」
(ぷいっと真っ赤に染めた顔を背ける凛)
日向「ベタねぇ…。見ていて可愛いわね」
作者「お前も似た者同士だと思うんだが…」
伊勢「確かに凛さんと日向って似ている気がしますね」
日向「そうかしら…。まぁとりあえず私も自己紹介しておこうか。私は伊勢型戦艦二番艦『日向』の艦魂、日向よ。よろしくね」
伊勢「私は姉の一番艦『伊勢』の艦魂、伊勢よ」
凛「(び、美人…ッ!)」←(ドキッ!)
伊勢「どうしたの?」
凛「な、なんでもないわ!」
伊勢「?」
凛「(いいな…私もあんな美人になったら、恭介……―――って、私は何を考えているのッ?!)」
日向「なに赤くなってるの?」
凛「な、なんでもないわッ!なんでもない!」
日向「さっきからこんなのばかりね…」
凛「そ、それより気になるんだけど…!」
作者「はい、なんですか?」
凛「艦魂はこれだけ?私がさっきまでいたところはいっぱい艦魂はいたけど」
日向「これは選ばれた私たちだけのラジオ番組(?)なのよ。だから他の連中は――」
葛城「…参上」
榛名「抜け駆けは許さんぞ、二人とも」
天城「あはは〜。久々に天城ちゃん登場〜!」
大和「ふむ」
龍鳳「初めまして、凛さん」
日向「えええッ?!ちょ、ちょっとあんたたちどうして…ッ! ば、馬鹿作者ぁぁぁッ!!」
作者「うわっ?!な、なに!?」
日向「私たち姉妹の番組(?)じゃないのこれっ!?」
作者「…せっかく紀伊さんをお招きするのにこれだけじゃ失礼だからやっぱり全員(戦艦と空母)登場させることに…」
日向「あ、あんたねぇ〜……」
榛名「よせ、日向。一応作者だぞ、作者。あまり作者を敵に回さないほうがいいぞ?作者が手を止めれば私たちは存在しなくなるんだからな」
日向「それは事実上無理だと思うけどね。そんなことすれば読んでくださる読者様がたや先生がたを裏切ることになるんだから」
と、いうことで戦艦と空母オールキャラ登場。
天城「それでも少ないけどね〜」
龍鳳「仕方ありません…。始まりが昭和二十年の春。このときにはすでに生き残った艦艇は少なかったですから」
作者「キャラが少ないおかげでキャラ構成とか書くほうとしては楽……ぐはッ!!」
日向「殺すわよ?」
作者「ごめんなさいまじごめんなさい」
大和「きみが凛くんか……。ほぅ…なかなか可愛いではないか。どれ、お姉さんが可愛がってあげよう…ハァハァ……」
葛城「…大和長官、『男でも女でも可愛いものなら愛でるモード』発動」
凛「な、なにこいつ?!大和!?ウチの撫子とは大違いじゃなぁぁい!!いやああああ!!(大和に捕縛)」
大和「ハァハァ…」
榛名「大和長官、自重お願いします…」
(榛名、大和から凛を解放)
凛「はぁはぁ…酷い目にあったわ…。でも大和にも色々いるのね…。ウチの撫子はそこの伊勢っていう艦魂と同じように美人で大和撫子なのに、確かにこっちの大和も美人だけど……全然違うわ…」
日向「そっちはいいわね…。こっちの司令長官はこんな変態だから…」
大和「やるときはやるぞ。はっはっはっ」
伊勢「そちらの大和さんはどんなかたなんですか?」
凛「うん。私の知っている大和は真名を撫子といってね。とっても性格が良くて綺麗なのよ。それでね…」
大和「ピキーンッ!(目が光る)」
凛「きゃああああああッッ!!?」
日向「あぁッ?! 大和長官が凛を「お持ち帰りぃぃぃ!!」って叫びつつ行っちゃった!」
葛城「そのネタの幅は狭く限られているのでやめたほうがいい…」
榛名「追うぞッ!」
伊勢「大和さーん!それはお持ち帰りできませぇぇぇんッッ!!」
ドタバタドタバタ!(艦魂一同追いかけて行ってしまう)
作者「なんか一人残されちゃった…。ていうかこんな終わり方でごめんなさい!さらに異常に長いよあとがき!ラジオにする必要も途中でなくなったし!こんなふうに進むの…か?とにかくこれからもこんな人間と作品で申し訳ないんですが宜しくお願いしまぁぁす!」
作者「うーん……なんかウチの大和、黒鉄先生の大和を会わせたらこれもまた大変なことになりそうだな…(汗)」