表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白神ハジメは戻りたい。  作者: 記角麒麟
4/6

メリー・ハーワイヤードは居座りたい。その3

 さて、朝食も作った事だし、食べるとするか。


 ──ドンドンドン!


 しかし、それにしてもうるさい。

 俺は静かにご飯が食べたいというのに、朝からいったいなんなんだ?


 ──ドンドンドン!


 ──ドンドンドン!


 よし、もう我慢の限界だ。ちょっと文句を言ってこよう。


 ──ドンドンドンドンドンドンドン!


 ──ドン!


「うるっせぇよ!さっさと帰れ!」


 俺は先程から連打されるドアを蹴り抜いた。


 激しい金属音が木霊して、俺の足は悲鳴をあげる。


「お願いします!お願いします!何でもするから家に入れてください!」


 ん?何でも?

 何でもか……。


「本当に、何でもするんですか?」


「(コクコクコク)」


 まるでロックでも歌っているかのごとく高速で首肯を繰り返す彼女を見て、俺はそれならばと先程思い付いた事を実行することにした。


















 数時間後。


「えっと、こうかな、ハジメ?」


「はい、よく似合ってますよ、小明あかりさん」


 とりあえず彼女は異世界の人間だというせっていだったので、朝食を済ませた後にメリーというとなんだが外国人ぽいので、日本人名に改名してあげることにした。


 因みに小明という名前は、彼女の名前(メリー)が、マーシー(Mercy)の短縮形で、それがメリー(merry)(陽気な)とスペルが同じだったから、そこから派生させたのだ。


 漢字は、騒々しいその性格が、少しでも収まるようにと仄かな願いを込めて小という時を使ったわけだが……。


「えへへ、ありがとう!」


 俺の目の前には、薄い青色をベースにした衣装に身を包んだメリー・ハーワイヤードこと、早瀬小明がはしゃいでいた。


 ハーワイヤードだけに。


「どういたしまして」


 その衣服は、あの汚れてしまったローブ一着しか持っていないという彼女のために、わざわざ俺が買ってやったものだ。

 無論、俺のこの今の姿で過ごすための服を購入するついでに買ったものなのだが。


 俺は頬に苦笑いを浮かべると、世辞に対する返事にそう返した。


(はは……。痛い出費だなぁ、こりゃ……)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ