悪魔ちゃんの物語 前編
私、彩。悪魔です。
今、頭おかしいって思った?ねぇ、思った?
悪魔だからってひかないでね。なりたくてなったわけじゃないんだよ。
物心ついたぐらいには、もう悪魔だったんだ。
悪魔ってね、人間じゃないんだよ。もう死んじゃってるんだよ。
物心つく前に死んじゃった人ってね、魂が天国にも地獄にも送ってもらえないの。
だから、天使か悪魔の仕事をするしかないんだよ。
昔から、女の子は悪魔、男の子は天使って決まってたみたいで、私は悪魔になっちゃったんだ。
悪人の魂を地獄に送る仕事をしてる。
私たちは、今は人間だった頃の記憶は無いんだけど、いつか思い出す時がくるんだって。
物心ついてないのにどうやって思い出すんだろー、とかも思うけどね。
まあ、とにかく、思い出す時がくるらしくて、そのときがきたら、魂を洗ってもらえて、生まれ変わることができるんだって。
その時がくるまでは、働かなきゃいけないの。ずっとだよ。
でもね、月に1回だけ、休みの日があるんだ。いつもは空で仕事してるんだけど、その日だけは地上に行けるんだよ。
天使も悪魔と同じ日が休みだから、その日は男子に会える日でもあるの。
ちょうど明日が今月の休みの日だから、今日の仕事が終わってからは、私と同い年の悪魔の女の子たちは明日の話でもちっきり。
「やったー!やっと明日すー君に会えるっ!」
そう言ったのは舞花ちゃん。
「もー、本当長いよね、1ヶ月!ゆう君元気かなぁ。」
これは鈴ちゃん。
「早くみー君に会いたい···········」
桜ちゃん。
物心つく前に死んだとは言え、もうみんな成長してて、女子になってる。
かくいう私も、会うのが楽しみな男子がいなくもないんだけどね。
秋君っていうんだけど、一緒にいると落ち着くんだ。
明日が楽しみで、ワクワクしながらねむりについた。
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