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3話 聖女の復活

遅くなりました。


4/23 重大なミスを発見したので訂正しました

 ジョー殿が我らが神を呼んできた。

 私達からするとそれだけでも畏れ多いのだが、話が進まないので正直助かる。


「エリス。話は聞いた通りです。では、私の眷属となって再び地上へ赴きなさい。他の皆も後で送ります。ジョー殿もよろしいですね」


「はい、先の条件でよろしくお願いします」


 神は頷くと私は頭を垂れたまま光に包まれた。



 光が晴れると、体が重い。

 つい先ほどまで若反っていたのだからしょうがない。

 死ぬ前に横たわっていたベットから老体の我が身を起し、フォルトの棺を見る。

 70年にも渡り抑えてきた呪いは無くなっており、神の言葉を信じてないわけではないが、自分の目で確認できた事に感謝した。

 いずれ、フォルトの亡骸はキチンとした墓を作らなければならないな。


「到着っと、えーっとエリスだよな」と後ろの方から声がした。


「ああ、ジョー殿。死ぬ前の私の姿だ。ふふふ…また左腕を失ってしまったな」


「……まあ、悲観する事はないさ。神の眷属となったんだ。すぐに気にならなくなる」


 本当に気にした様子が無いジョー殿の方へ振り返る。

 天界にいた時と同じように見た目はリンと同い年くらい、グリムと同じ黒髪……あれ?角度によっては茶髪に見える。

 ああ、これは魔導力マナが見えているのだな。


「ん?どうかしたか」


「いや、魔導力が見えるのでな。新鮮な感覚なんだ」


「おお、早速か。それは神の眷属の権能のひとつだ。目から変化してきたが、やがて全体に変化が来る。さっきの話だが、魂が右手を覚えてたんだ。なんとかなる。」


 ジョー殿は周りを見回し言葉をつづける。


「他の奴らもじきに来るさ。その前にやるべき事をやっておこう」


 やるべき事?そういえば、そっち系(ダンジョン作り)の事については何も聞いていなかったな。袋から球体状の物質(素材は不明、鈍色で艶もない)を取り出した。


「これがさっき言っていたコアだ。早速だが、登録するぞ『管理者登録マスターレジステーション』」


 ジョー殿の魔法(?)で球体と私の体が魔導力で繋がった。

 なんだコレは?

 私の動揺をよそに、ジョー殿は水晶板を取り出しその板に光で表示された文字(この世界の文字ではない)をいじりながら『迷宮核活性(アクティベーション)』と唱えた。

 すると核が大いなる魔導力と繋がったのが感じられた。


「これで繋がりは構築できた。俺はもう少し作業しているから、エリスは自由にしていてくれ。ああ、外には出ないでくれな」


「ああ、わかった」


 私は部屋を出て、死ぬ前まで日課にしていた皆の墓の手入れを行う。

 ここは外からでも出這入り自由にしている区画で、親族や英霊の加護を求める者が訪れていた場所だ。

 私の母も生前は通ってきてくれた。イジェスの墓の前で泣き、私の左腕の事も心配してくれていたのを覚えている。

 ああ、だから魂が覚えていたのだろうな。

 母の事を思い出しながら左腕があった箇所に目を移す。

「!!!」

 魔導力に包まれ、いや……魔導力が左腕の形をしているのか。

 魔導力は私が使っていた巫力や生命活動に必要な生命力とジョー殿は言っていた。

 私はある確信をもってある回復魔法を使う。

回帰甦生リザレクション

 左肩の辺りから力がみなぎる。

 肩口が熱い…「ぐぅっ…」激痛を伴って私の左腕は復活した。

 しかし、今の姿からしたら妙に若々しい左腕になってしまった。

 一息ついてから両腕を使い手入れを終わらせた。



 そもそもこの場所に来たのは日課だったからだけでは無い。

 皆が来るとしたらここだと思ったからだ。

 魂との対話をする時もここでしていたから間違いないだろう。

 やがて、私の思惑通り墓の前に人型の魔導力が集まってきた。

 集まりきった所で再び私は『回帰甦生リザレクション』を全員に使った。

 形ある魔導力は痛みにのたうちまわるようにあばれまわり、落ち着いた頃段々と皆の姿がハッキリしてきた。

「・・・・・ぁぁぁぁぁああああああ痛ってえええええぇ」


と声を上げたのは意外にもジンだった。


「珍しいなジンが声を上げるとは」


「声を上げれるだけマシだと思ってくれ。イジェス以外をちゃんと見てみろよ」


 イジェスは額に汗が出ているもののいつもの表情だ。他の面々は……ああ、なるほど。


「すまない、まさか放心するほどの痛みとは思わなかった」


「いや、この痛みが現世に出れる対価なら安いもんだ」


 やがて、グリム、リン、ファムも放心状態から回復しゆっくりと歩いたり、簡単な動作をしてみたりと自分の体の動きを確かめた。



 ガチャガチャガチャと奥から音がして

「む…開かない。おーいエリス開けてくれ」


 とジョー殿から呼びかけられた。


「ああ、すまない。今開ける」


 私と英雄候補だけが開ける事が出来るようにしていた扉を開き、ジョー殿を向かい入れる。


「あ、むしろ俺達が別の部屋に移動した方がよかったんじゃねーか?」


 ジンのいう通り確かにここだと(最近はほとんどいないが)参拝者がくる事もある。

 改めて部屋を英雄候補と話をする部屋へ移動した。


「それで、ジョー殿。なにか用だったのではないか?」


 部屋の構造を眺めていたジョー殿に声をかけ促す。


「ああ、そうだった。さっきまでやってた作業が一段落ついたし、全員集まったみたいだから説明しようと思ってな」


 そういうと先ほど核と言っていた球体を取り出した。


「さっき、エリスには見せたが、これは迷宮核という物だ。ただの球体にみえるだろうが、これは外装で本物はこれだ」


 と言って球体の中から(どうやったかわからないが)羽根を取り出した。

 なぜだか知らないがそれを見ると本能的に不安感を覚える。

 ジョー殿は全員に見せた後羽根を球体の中に入れた。


「今、これはエリスの魂と存在を共有し、リースバルド様の力と同期をしている。さっきの羽根に少しでも傷がつくとエリスは死に迷宮も崩れ去る。まあ迷宮はまだ手を付けてないから今は関係ないけどさ」


 ちょっと待ってくれ、さっきの不安感は魂と同等存在をむき出しでさらけ出した事による感覚か!なんて事をするんだ、傷がついたらどうするつもりだ。


「まあ、俺には『迷宮絶対保護』のスキルがあるから割と無茶できるんだが、真似するなよ」


「真似しようにも怖くて出来るわけがなかろう」


「悪かったよ。まあ魂と繋がってるから直接的に核の能力を実行する事ができる。しかも、力はリースバルド様と同期しているから、リースバルド様ができる事なら何でもできる。しかし、情報量が半端じゃないから、俺の方で手を入れている。こっちでは馴染みが無いだろうが、俺が住んでる世界ではシステム魔法と言われている。エリス、目次表示メニューオープンと念じてみ」


 メニューオープン?


--------M E N U------


・迷宮


・人材


・取引


・設定


-----------------------


 なんか出てきたな。

もうちょっと長く書くするつもりだったんですが、この後はジョーの方が説明しやすそうだったので一旦切りました。

なので、次回のジョーパートも短めの予定です

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