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14話 迷宮作成師と2人の管理者

今回はジョーの一人語りが中心です。

 にしてもエリスの所の人材は頭の良い奴ばっかりだな。殆ど自分たちでやっているな。

 マークスゴーレムもすぐになじんだようだし。稟議機能も使いこなせているようで、他の野菜や鶏などの家畜も次々と取り寄せている。すぐに大規模農場になるだろう。


 俺達がエリスの迷宮に来てからすでに数日経っており、いくつかアドバイスしただけでエリス達は自分達のやり方で新しいコアシステムを使いこなしている。その間、俺たちはリンシャルとグリエールを交えてサリーとリリアーナの演出について何度か話合を行い、基本となる骨組みはできたので、そろそろ2人の迷宮を作ってやる事にした。



 という事で、今俺達は南海にいる。達と言っても俺とサリーだけだが、リリアーナは海にトラウマを持ってしまったようでエリスの手伝いをすると言いはっていた。無理強いするつもりもないので、置いてきたのだが、あいつ何を手伝うつもりなんだろう。

 閑話休題。ここ南海とは地球の地図に当てはめるとイラクの南側あたりである。さらに南にはインドから南アフリカに弧を描くように諸島国家群があり、アフリカ寄りは棄種が我が物顔でのさばっている。ただ、この一帯は人間側も棄種側も立ち寄らない海域になっている。理由は3つあり、一つ目は立ち寄れる島が一つも無い事、二つ目は伝説の幻獣が住んでいるとされナワ張りを犯す船は沈没させられるという噂がある事、三つ目は実際にこの海域に入り帰ってきた者が無い事実だ。一つ目は船舶技術がそこまで発展していないこの世界で何かあった時に寄港できる場所がないのは相当なリスクであり、そのリスクを負う価値がない。二つ目はサリーに調べてもらったが大型の海洋生物はいたが幻獣ゴッズクリーチャーの類は居なかった。まあ、大型の海獣ってだけでも十分幻獣の類なのかもしれないが。ちなみにサリーが海の生物にリサーチした結果の為、見落としがあるかも知れなかったので、リースバルド様にも裏を取り幻獣ゴッズクリーチャーはいないとの事だ。三つ目はそもそも生存率が低い航海である事、さらにこの海の中心部に落ちた質量の大きい隕石が重力バランスを乱しており船に計算外の負荷がかかる事により海に投げ出されてしまう事で帰港不可能な航海となってしまうのだ。

 すでに自然発生の迷宮となっているこの海域だが、サリーが管理者となり、俺が手を加える事で近づく事さえできない海洋迷宮《禁海領域》となる。まずやったのは、海流を弄り迷宮核コアに近づかせないようにした。故郷のゲームでよくある海流ダンジョン形式だな。ゲームと違う所は海中の流れも弄っているって事だろう。海流も結構強めなので、故郷の軍艦とか持ってこないと強硬突破は無理だろうな。ここにモンスターたちによる防衛も加わる。そんなこんなで巨大な海洋迷宮が完成した。


----プロフィール--------------------

迷宮名:海王の禁海領域

所有者:ヤヴキ・ジョー

管理者:サリー

所属数:8

形態 :海洋迷宮

階層 :5層(表層・中深層・漸深層・深海層・超深海層)

システム:ヤヴキ式迷宮核<カスタム> ver.20.8.7c 

属性 :海・重

壁強化:なし

MP更新時刻:0時


異世界リンク:あり


ライセンス:00726-105005-423B44


最終アップデート更新日 ・ ・ ・ ・

------------------------------------



 ざっとこんな感じだ。1から作るのは久々だったし、少し気合をいれたった。後悔はしてない。海だけに…。

「伯父貴殿ぉ、それはどうかと思いますよぉ」

 う、うん。ともかくだ。迷宮核は重力を乱している隕石を外殻として利用した。隕石は結構デカかったので他の事にも使えそうだ。ちなみに隕石の真上で1.5倍、周辺でも1.2倍の重力になるようだった。某アニメのように極端な倍率ではないが、それでも周辺の生物を強化するには十分なのは、サリーの後ろにいる巨大生物たちが証明している。

「サリー、どうだ?」

「はい、食料はたくさんありますしぃ、お友達もたくさん出来ましたのでぇ、十分満足ですぅ」

 サリーのオトモダチに目を向ける。ダイオウイカと同じくらいはあると思われるタコ、メガロドンも吃驚の巨大サメ、ちょっとした小島くらいのウミガメ、ワニのような顎をもったクジラなど明らかに強暴な生物たちがサリーになついている。流石は水生生物の頂点に君臨する種族だな。

「そ、そうか。それはよかったな。俺は戻るが何か頼み事とかはなかったか?」

「頼み事はないですけどぉ、伯父貴殿の後ろにある袋はエリス様へのお土産ですかぁ?」

「ん?ああ、あの土地だと海の魚は食えないだろうからな」

「女性へのお土産に食べ物だけでアプローチかけるのはダメですよぉ」

 なんか勘違いしているようだが、確かに食べ物だけだと味気ないな。

「ん?そうか?といってもキレイな貝殻やサンゴとかも無いしな。真珠とかがあればよかったんだが。なにかオススメはないか?」

「では、これとかどうですか?魔導力もたっぷりはいってますしぃ」

 サリーが見せてきたのは綺石きせきという宝石に魔導力が宿ったものだった。故郷ちきゅうで例えるならホープダイヤと言った呪われた宝石とか、八尺瓊勾玉ヤサカニノマガタマの様な神具などが分かりやすいだろうか。

「実用性もあるし、希少性も十分。なによりキレイなアクアマリンだ。サンキューな」

「お安い御用ですぅ。私も調整が終わり次第エリス様の所へ行きますので、転移室の設置をお願いしますねぇ」

「おう、まかせとけ」

「ありがとうございますぅ。じゃ、みんないこっか」

 サリーは大型海洋生物を従えて去って行った。

「遠目でみるとまさしく海王といった所だな」



 という事で、エリスの迷宮に戻ってきた俺は、お土産の海産物を渡して概ね好評だった。ファムは目をキラキラさせていたしな。んで、サリーから見繕ってもらった綺石をエリスに渡した所、グリエールやリンシャルも興味をもったようで、特にリンシャルはしきりに「使える」と連呼していた。どう使うかは任せるので、有効に活用してくれ。

 一息ついた頃にサリーが戻ってきたので今度はリリアーナを連れて魔界の魔王城に突入する。


 魔人族(劣改種)のジジイどもに促され玉座に座らされるリリアーナ。ふむ…ここがリリアーナの定位置なるんだろうな。じゃあ、玉座を外殻として迷宮核コアを組むか…。水晶板タブレットを弄りながら、魔人族の現状を確認する。


――魔人族(劣改種)の長老の談――

 この間もお話した通り、我々は破壊神様のしもべとしてこの地を守ってきたつもりでした。ルーシュフェルド様に地上の堕落した人類に罰を与えると唆され人界へ武力行使をしたのが始まりでした。その時は確かに堕落した人間もいたものですから、我々も戦いに参加したのです。え?ああ、この話はもう5回目でしたか。まあ、なんにせよ。ルーシュフェルド様が逝った後もおごった同朋達が地上を占拠しております。魔界にはめったに戻ってこない為、否戦争派の我々がこの城を管理しているのです。奴等は今まで魔界に閉じ込められていたと主張しておりますからな。魔界に来る事に劣等感を持っているのでしょう。え?この話も3回目でしたか。これは失礼。魔人族以外の魔物達は食料と種族繁栄ができればどこだって問題ないですからな。あの後戻ってきた同朋は捕え、魔物達には協力を呼び掛けております。


要約すると、問題なし計画通りにすすんでいるっと。つか老人は話が長いな…あ、俺も120歳だった。うん、これはこいつの話が長い(こじんさ)って事で…。そういや、こいつ一応長老だから、今後も関わってきそうだな。迷宮核の調整も終わったし、所有者権限でステータスを確認しておこう。


名前:ヒルド・ブブ

種族:魔人族レッサーデ劣改種ィーヴィル長老エルダー

変位元:魔人族ディーヴィル

年齢:114

職業:家令

称号:なし

階位:E---


 劣改種の中でおそらく徳が一番高いやつでもトリプルマイナスか…邪神もろくな事しないな。年もほぼ同年代だったか。というか名前が某蠅の魔王、もしくはモビルタンクじゃねーんだからってすごい名前してるな。

「伯父貴殿。そろそろ掌握はすんでいませんか?」

「ん?ああ、もう終わっているよ」

「それはよかったです。プロフィール確認しますね」



----プロフィール--------------------

迷宮名:魔人王城

所有者:ヤヴキ・ジョー

管理者:リリアーナ

所属数:32

形態 :万魔殿

階層 :地上8層、地下2層

システム:ヤヴキ式迷宮核<カスタム> ver.20.8.7c 

属性 :魔・堅

壁強化:あり

MP更新時刻:0時


異世界リンク:あり


ライセンス:00736-103005-453E84


最終アップデート更新日 ・ ・ ・ ・

------------------------------------


 所属が多いのはリリアーナに従う城勤め劣改種の数がそれだけいるからだ。逆に言うと城の中にまだリリアーナを認めていない奴等もいるって事だ。リリアーナはまずはその辺りから始めないといけないだろうな。

「うう…はやくエリス様の迷宮で羽根を伸ばしたいです」

「そんなエリスの迷宮が居心地よかったのか?」

「あそこは格別ですね。まずは捕えた者を確認しましょう」

 捕えた魔人族のステータスを確認したところ、全員魔人族(スクラ)棄種ップ)だった。

 もちろん、すぐに処分したぞ。最近故郷で流行っているネット小説では、殺しに対して良心の呵責とかの描写があるが、すまん俺は異世界暮らしがもうそろそろ100年になるんだ。それに世界基準でスクラップと認定しているゴミを処分して魂を回収(リサイクル)した方が世の為ってもんだろ?

 それに、リリアーナ(破壊神の眷属の配下)が棄種を生かしておくわけないだろ?

「いちいち私が確認するのも面倒ですね。処刑人に水晶板タブレットを渡しておくのもアリかもしれませんね」

 おーい、仕事熱心なのは良いが、顔が怖くなってるぞー。

なんとか、ギリギリで11月中に2本アップできた。



次回は時代が進みます。そして歴史的事件が巻き起こります

次回!「エリス死す!」

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