僕がもし恋をしたのなら
自分で言うのもなんですが、男にも女にもモテる。
そんな僕の悲しくも美しい初恋の話です。
美しい…なんて、ただの甘えなのかもしれません。
フィクションだと思いながらお読みください。
僕はもう初恋なんてとっくに終わったかと思っていました。
ですがそれは違いました。
僕はある日、付き合いました。ある人と。
向こうは遊びだったのかもしれないし、僕も軽いノリだったのだと思います。
SNSアプリを通してだったし、物理的にも遠距離でした。
毎日のように連絡を取り合ったり、メールの文末にハートが付くような会話はしていなかったし、時々くるメッセージに、ふふ、と笑いあうような、そんな関係でした。
初めのうちは。
メッセージを交わすうちに、いつの間にか、好きになっていたのでした。彼のことが。
きっかけもなく、ある日気付いたのです。
自覚するのは早かったのではないでしょうか。
しかし恋は盲目。段々と自分に自信がなくなり、毎日のように涙しました。
そしてある日、僕はこう言いました。
「僕さ、重いし、面倒くさいし人間なんだけど、君のことが好きで、好きで、だから君には幸せになって欲しいし、だから相手は僕で良かったのかなって、」
すると彼は、
「俺はお前の事が好きだよ。重いっていうのは、それだけ愛されてる証拠なんだよ、」
その言葉だけで十分でした。
嬉しかった。本当に。
この人が初恋の相手で良かった、そう思いました。
1ヶ月の記念日。
彼は憶えていてくれた様でした。
僕は幸せでした。
これからもこんな日々が続くんだろうな。
遠距離だけど、心と心は繋がってるんだな、そう思いました。
しかしそう思っていたのは僕だけだったようです。
ある日、彼に「別れよう」と言われました。
僕は何故だか分かりませんでした。
どうやら新しい彼氏が出来たようでした。
「他のやつを好きになった奴に、もう興味は無い」
そう思っても、体は正直です、涙が溢れました。
ただ、ただ僕は、「今日がエイプリルフールだったら良かったのに」と言って僕は逃げ出すことしかできませんでした。
泣きました。目が腫れてもまだ。
「男の涙は減るものだ」と良く言いますが、減るのなら早く失くなってしまえばいいと思いました。
ただこれだけははっきりと言えます。
僕は、 彼を本当に愛していました。
僕の初恋は終わりました。
それからと言うもの、僕は荒れた、のではないでしょうか。
誰とでも寢るような男になりました。
とても短い恋でした。
とても素敵な恋でした。
とても悲しい恋でした。
そんな短い恋でも、僕は恋について、少しだけ、理解できたような気がします。
そして、僕は気づいたのです。
物語は、 必ずしもハッピーエンドで終わるものではない事を。
The mysterious end continues from now on.
どうでしたか。
人それぞれの解釈の仕方があると思いますが、そこに介入する権利は僕にはありません。
ただ、12ヶ月、1年たった今でも、これだけは言えます。
まだ、彼を愛しています。