表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/15

七話β いろんな意味での騒動~視点・一紀~

 「アリス!」


 俺と魔理沙はアリスという子の家の近くまで来た。……しかしすごいな。いつの間にか飛べるようにはなっているみたいだし。少し便利になったかな。

 それにしても霊夢はいないな。中なのか?


 「アリス?霊夢?いるかー?」


 何故か気の抜ける声で呼びかける魔理沙。え、心配じゃないのかよ。訊ねようとした俺だったけど、それよりも速く…


 「…くっ!!」


 魔理沙が扉を開けて中に入る。俺もあわてて中を見る。中からお茶の匂いがして…


 「って!!?何やってんだよお前ら!?」


 ………あー。見事なまでに二人がお茶飲んでいるな。一人は霊夢。もう一人は魔理沙が言っていたアリスって子だろう。

 …なんか知らないけど、俺はあまり驚かなかった。まるで予想していたかのように。実際、霊夢のことだからな。でも若干助けに来てほしかったんだぜ?

 言いたかったけど、こんな女の子三人の中に俺が入るのもなんか気が引けるからそのまま俺は魔理沙たちから後ろを向いて座って空を見上げた。見事なまでの晴天だ。あの戦いが嘘だったかのような。


 「ん?」


 あれ、なんでだろ、幻覚か?誰かがこっちに向かってきているようだ。そして…いきなりやってきた。


 「どわっ!!?」


 速い!?あれだけ遠くにいたってのに!?


 「……あ、どうもこんにちは。毎度おなじみ射命丸文です」

 「………これは自己紹介どうも」


 俺も立ち上がって挨拶する。やっぱり女の子だ。どうしてだ?今まで博麗神社とさっきのところしか見てないとはいえ、女の子しか見てない気がする。


 「あ、もしかしてあなた噂の記憶喪失の?」

 「…早いな噂伝わるの」

 「風の噂ですよ」


 風の噂って……。誰が吹いたんだよ。昨日だったら霊夢の他に萃香しかいないぞ。萃香はそんなことしないと思うから、本当に一体誰だよ。突っ込みたい気持ちを抑えた。


 「ところで偽物騒動があったそうですが…何か知ってますか?」

 「まぁそりゃあ…」


少年説明中…………


 「ほほう?あなたの力で形勢逆転、そして泥棒さんがトドメを?」

 「……あ、え?魔理沙が泥棒?」


 とりあえず俺の力、今までの事を教えて、まるでそれと引き換えに魔理沙が泥棒ということが明らかに。

 いや、たしかに服装が黒っぽいけど、泥棒じゃないだろ?俺はそれを尋ねると…


 「どうやら紅魔館から本をよく取ってきてるようで。本人は『借りてく』と言ってますがね」

 「………えと、つまり……」


 いや、多分忘れているだけだろうな…。後で魔理沙の家に行こうかな。場所分からないけど。と、


 「あ、一紀。それに…」

 「あやや。これはこれは泥棒さん」


 魔理沙が俺の事を心配してくれたのか、やってきてくれた。なんか悪かったかな。と、文が続きを言う。


 「聞きましたよ。あなたの偽物。そしてあなたが直々においしいところで成敗したそうで」

 「へへへ……ほめても何も出ないぜ?」


 ほめてねぇから。ありゃ皮肉だ。でもまぁ、たしかに魔理沙がやってくれたのは事実だ。俺はあえて突っ込まないでおいた。


 「ところで一紀さんの力を見せてくださりませんか?」

 「あ、そういやそうだな」


 俺は思い出したかのように魔理沙に手を差し伸べる。魔理沙も得意げに手をつなぐ。


 「【共同心身】」


 …………あれ。できない。おかしいな。

 いや、そもそもこの力がなんなのかが分からない。何でだろ?


 「……あやや?」


 文もとぼけた声を出した。いや、まぁそりゃそうだろうな。嘘つかれたと思われたから。どうしようか。俺は魔理沙の手を握りながら考えた。と、


 「何やってんの魔理沙ー。って、うっわ。何でアンタがいるの」

 「あやや。これはこれは博麗の巫女」


 そんな俺の考えをやぶるかのように霊夢がやってきた。どうやら文とも知り合いらしい。あとは金髪の子、アリスも来た。


 「て、なんで一紀と魔理沙が手をつないでんのよ」


 あー。そういや説明してないや。俺が言おうとしたが、先に魔理沙が言った。


 「あ、それは私から言うぜ」


少女説明中…………


 「つまり一紀の力を使うために?」

 「まぁそうだな」


 何で魔理沙が答えているんだろう。まぁいいか。俺はあまり説明上手じゃないと思うから。


 「じゃあつまり戦えば分かるんですね!!」

 「「へ??」」


 ちょ、オイ待てよ。いきなりなんだってんだよ文は。確かに俺の力が分かったのは戦った時だ。だからって戦闘中にポンポン出るとは思えない。


 「分かりました!では私が戦いましょう!あ、あと巫女さんか人形師さんのどちらかいっしょにどうですか?」


 なんでだよ!?俺が意見言うより早く文が勝手に話を進める。何なんだよ文は。意外と血の気が盛んなのかよ?ゴジャゴジャしている頭の中。そんなことは気づかずに霊夢とアリスが…


 「私は面倒よ。アリスがやりなさいよ」

 「いいわよ。さっき新しく人形を開発したからね。折角だから試そうかと思うの」


 いやいやいや。マジで待てよ。俺の意見無視かよ。それに人形?アリスは人形使いらしいのか?……でもこれじゃあ俺まで巻き込まれそうだ。思いっきり嫌。って言おうと思ったが、


 「よっし!じゃあやるか一紀!!」

 「まじでか!?」


 いやまじでやめろよ!?俺は……


 「ほらほら!やるぜ!」


 魔理沙に押され、文とアリスも俺達に対抗するかのように立った。


 「さぁさぁ!手加減してあげるから本気でかかってきなさい!」

 「弾幕はブレイン。教えてあげるわ」


 ……ヤバイ。二人ともやる気だ。しかも隣の魔理沙もやる気だ。……あー。こりゃ拒否権はないな……。


 「おおっし!!行くぜ!弾幕はパワーだぜ!!!」

 「………どうしてこんなことになるんだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ