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六話 絆を持ちて打ち砕け

 「………」


 沈黙が走る。今は一紀と偽魔理沙のみ。魔理沙はどうやら一紀の中にいるらしい。

 一紀は今は自分のやった能力に少し戸惑ってはいた。一体どんなメリットが、デメリットがあるのか。そんなことは分からない。


 「行くぜ」


 でも今はどうでもいい。魔理沙の力を使って勝つだけだった。地面に落ちていた箒を一紀は取り、だがすぐに弾幕を発射する。偽魔理沙も応戦するかのように弾幕を展開する。

 弾幕同士がぶつかる。すぐに一紀は箒に飛び乗って、水の上に浮かんでいる板に乗るかのように足を乗せ、そのまま上空へと向かう。


 「瞬間『突発的なインストール』」


 飛びつつ、一紀は一声だけ発して目をつぶる。そして目を開け、偽魔理沙がいる方向へ手をかざす。


 『「ルミナリーショット!!」』


 一紀と魔理沙の声がかぶさる。一紀の指からマジックミサイルが発射され、小爆発を起こす。当たってはいないと一紀は勘で悟った。実際その通りであり、上空へと、箒にまたがった偽魔理沙が現れる。


 「へへ…正直見くびってたぜ」

 「……」


 こいつは本当に一体何がしたいんだ?一紀は偽魔理沙を見ながらそう思う。でも口には言わない。答えはどうせ同じで、もしくははぐらかすのだろう。


 「じゃあ少し本気を出すぜ!遅れるなよ!」


 偽魔理沙の周囲から無数の弾幕が展開され、様々な方向へと発射される。一紀も箒にまたがって身を低くしつつ弾幕の合間と合間をかいくぐっていく。

 恐らく反撃をしようとした時点で、今の一紀では到底できはしない。直撃して落とされるのがオチだ。その一紀の思考を読み取ったのか、魔理沙が呼びかけた。


 『一紀!私のスペルを使えるよな?だったら今言うやつを宣伝してくれ!』

 「了解だ!」


 一紀は手をかざし、一枚のカードを具現化させた。そして宣伝する。


 『「儀符【オーレリーズサン】!!」』


 宣伝と同時に一紀の周りに球体型のビットが展開され、そのビットは偽魔理沙の方向へと自動的に撃ちこまれた。


 「うおっ…」


 偽魔理沙も撃たれた弾を避けようとして、弾幕を止めてしまう。その隙が死角と化した。そこを一紀は見逃さず、全力で突撃する


 「魔理沙!決めるならここしかない!!」

 『おう!分かったぜ!』

 『「【サングレイザー】!!!」』


 懐までもぐりこみ、一紀は箒で偽魔理沙を打ち上げ、さらに魔法を最大限まで活用し、ジェットの如くスピードで追撃をかける。そして―――。


 「【共同解除】!!」


 一紀が叫んで、箒から飛び降りて、魔理沙だけが勢いが乗っている箒に乗ったまま、道具を構える。


 「こいつでトドメだぜ…!!」

 「………」


 観念したかのように偽魔理沙は目をつぶる。まるで未練がないように。


 「魔砲【ファイナルマスタースパーク】ーーー!!!!」


 道具の最大火力で魔法をぶっぱなし、偽魔理沙ごと地面へと撃ちつける。爆発が起こる。魔理沙は上空で、その場所を見た。地面がえぐれた跡があるが、他は何もない。あるとすれば今までいた証拠のように上がっている黒い煙のみ。


 「…っと!そうだ!一紀は!?」

 「おう。ここだここ」


 と、魔理沙の肩を叩きながら一紀は言った。魔理沙はほっとしたような表情で一紀を見た。少し怪我はしているが、特に無事のようだった。


 「んじゃあ行こうぜ。アリスんところへ」

 「………あの、魔理沙?」

 「何だよ?」


 魔理沙は笑いながら一紀を見つつ言った。何故か一紀は早く気づいてほしいといった表情になっていた。


 「ん?私の顔になにかついているのか?」

 「………………なんでもない」

 「そか。じゃあ急ごうぜ!」


 そのまま魔理沙は、少しスピードを抑えめに、でも急ぐようにアリスの家の方向へと向かう。と、いきなり止まった魔理沙。一紀の方向へ向き直る。


 「なんでお前浮いているんだ!?」

 「気づくの遅すぎるぞオイ!?」


 そう。何故か一紀は空中に浮いていた。しかも飛翔もできるようで、言いながら魔理沙へと近づいた。


 「あ!もしかして一紀!お前死んだんだろ!」

 「死んでねぇよ!!ちゃんと触れるだろ!!」


 二人の漫才が始まった。が、すぐに魔理沙は進もうとしていた方向へ振り向く。


 「今はどうでもいいか。急ごうぜ!」

 「あ、おう!」

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