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十話 霊夢に怒られるのが嫌だから

 「全く…何でこんなことに…」


 現在どこかの空。一紀と文が並んで進んでいた。


 「で、私がいっしょについてきたところで意味ないと思うんだけど」

 「そうか?一応霊夢とは顔見知りだよな?」

 「まぁ、一応ね。……あ、あれよ」


 文が指差した先は山。どうやらそこが妖怪の山らしい。


 「じゃあ私についてきなさい。……途中ではぐれて天狗たちにボコされても知らないわ」

 「分かった」


 おとなしく後ろをついていく一紀。と、


 「ちょっと文殿。何やっているのですか」

 「げ」


 突然進んでいる方向から声をかけられた文。森の中でよくは見えなかったが、たしかに誰かが来ていた。一紀の体がそう反応している。そして出てきた。白髪の女の子が。


 「……えと、文、これお前の言っている…つか、同じである天狗だよな」

 「あんな天狗といっしょにしないで」

 「いや、天狗というより……犬だろ」

 「なっ!!!」


 突然誰かが飛び出してきて、一紀に斬りかかってくる。一紀は体をのけぞらせて回避し、距離を離す。


 「ったく!いきなり何すんだよ!!」

 「それはこちらの台詞だ!!犬とはなんだ!!私は白狼天狗だ!!!」

 「白狼…天狗?えっと、文は?」

 「……鴉天狗」

 「天狗にもいろいろあるんだな……」


 一紀が一人で感心する。そんな一紀をよそに、白狼天狗は文を見た。


 「なぜこんな人間を連れてくるの?あなたはいつもいつも……」

 「あーはいはい分かっているわよ。でも今は緊急」

 「ふざけないで。例外だと認めたらだめに決まっている」

 「ふざけていないわよ。だいたいアンタは………」

 「あ、あの……お二人さん?」


 この状況にある意味焦った一紀が二人に割り込む。二人は睨みつけたが一紀は交互に二人を見ていった。


 「いや、天狗だから、鴉だとか、白狼だとか、そんなの関係ないけどあんまり喧嘩は……」

 「してないっ!!!だいたい文殿が勝手にあなたを連れてきたから!!!」

 「してないっ!!!だいたい椛が勝手に言いたい放題言うからよ!!!」


 一紀が落ち着かせようとしたが、二人同時に怒鳴られ、一紀はすごすごと下がる。と、目的を思い出したかのように二人から離れつつ直感で守矢神社へ向かおうとしたが…


 「こらー!!勝手に入るな!!」

 「……ですよね。すみません」


 椛に怒られてすぐに止まった一紀。……非常に居づらい一紀で今すぐ目的を済ませたかったが、行こうとしたらこうなり、戻ったら戻ったで霊夢にボコられる。確実に。もはやどっちにもトゲ壁が存在していた。ため息をついて、観念したかのように一紀は椛を見た。


 「……どうしたらいいんだよ。俺はとっとと目的を済ませたいんだ。悪いけど、ここで足踏みしてる暇はない」

 「だったらすぐに戻ることをおすすめする」

 「即答かよ。……しゃあねぇ」


 一紀は一旦降下し、地面へと足をつける。椛もそれに応じるかのように地面へと足をつけた。


 「構えな。……一定以上の上昇は禁止。んで相手に降参させたらそいつの勝ち。……弾幕ごっこじゃないけど、別にいいよな」

 「ふむ…。どうやら腕が立つ模様。ならば少し相手をしよう」

 「んじゃ、文。お前にこの勝負の行方を見守ってもらうぞ」

 「しょうがないわね」


 一紀が上空にいる文に呼びかけて、そして一紀のいつもの体勢に移る。椛も構えた。


 「悪いけど、霊夢に怒られるのは嫌なんでね。俺が勝って進ませてもらうぜ」

椛のしゃべり方は完全に自分妄想です。

こ、こればかりは勘弁してくださいっ!!!

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