ゆいこのトライアングルレッスンM〜図書館〜
第385回『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』にて、田村睦心さん演じるむっくん登場の『ゆいこのトライアングルレッスンM』に投稿し、下野さん、巽さん、そして田村さんに実際に演じて頂いた作品です!!
下野さんが、気持ちが入りすぎた大人のひろしはラジオのアーカイブでお聴きください!
花魁転生編、プラネタリウムデート編、パティシエ編、ゆいこ誕生日編と続き、まさかの5回目の採用!
こちらは、原文のままです。
今回も本当にありがとうございました!!
勝手ながら、今回もトライアングルレッスンウィークを開催!
今日から5日間、スピンオフを含む5作品を投稿をします。
その日、わたしは図書館に行っていた。
いつもなら、すぐにミステリ小説を手に取るのだが、この日は気になっていた恋愛小説に手を伸ばした。
「あっ、すみません……って、むっくん!?」
同時に同じ本に手を伸ばした相手は、まさかのむっくんだった。
「ゆいこ姉ちゃん……!」
「図書館、来てたんだ!?」
「まぁ、調べたいこととかあったから……」
「え? でも、この本……」
「これは、ゆいこ姉ちゃんが読みなよ。俺は別に読みたくねぇーよ」
荒々しくそう言うと、むっくんは座っていた座席に戻った。
机には何冊もの本があり、勉強しに来ていたようだった。
「あれっ? この栞……!」
本の間に挟まれていたのは、以前わたしがむっくんにあげた、手作りの押し花の栞だった。
「まだ使ってくれてたんだね?」
「別に、新しいの買うのが面倒だから使ってるだけだけど?」
むっくんは、そっけなく答えた。
わたしは、むっくんの隣で小説を読み始めた。
むっくんも、こんな恋愛小説のような恋に興味があるのだろうか?
少し経った頃、急に雨が降り出した。
「えー! 傘持ってきてないのにぃ!」
その時、近くで雷が落ちた。
「きゃーー!!」
わたしの悲鳴と共に、図書館は暗くなった。
「おい! あんま、くっつくなよ!」
「だっ、だってぇ……」
停電した図書館に雷鳴が轟く。
「相変わらず、怖がりだな」
「もう! 怖いものは怖いでしょ!」
「ったく、明るくなるまで、そばにいてやるから」
わたしは、むっくんのぬくもりに包まれながら、その時を待った。
しばらくして、図書館は明るさを取り戻した。
すると、そこに、ずぶ濡れのひろしがやって来た。
「ゆいこ!」
「ひろし!?」
「ゆいこ、傘持ってないと思って……」
「わざわざ、来てくれたの!?」
ひろしの目線が、わたしからむっくんに移るのが分かった。
「ああ、たまたま、むっくんも来てたみたいで……」
「そうか……」
わたしは、何冊か本を借り、図書館を出た。
その頃には、雨はほとんどやんでいた。
「重いだろ、持ってやるよ」
「え、いいの?」
「困った時は、頼れよな」
むっくんは、そう言うとわたしの本を持ってくれた。
「勉強は捗った?」
「ゆいこ姉ちゃんが隣にいたから、集中できなかった」
「へっ!?」
「次のテストの成績悪かったら、姉ちゃんのせいだからな!」
「えーっ!?」
「俺のお迎えは、必要なかったか……」
ひろしがボソッと独り言のようにこぼした。
「そ、そんなことないよ!……ちょっと、怒ってる?」
「いや、もう少しゆいこが困ってたらよかったなって、思っただけ」
「へっ?」
「その本、返す時は俺も誘え。俺も借りたい本あるから」
「うん。今日はありがと」
雨上がりの街は、なんだかキラキラして見えた。
トライアングルレッスンウィーク!
感想もお待ちしております!!
明日もお楽しみに!!!




