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ゆいこのトライアングルレッスン

ゆいこのトライアングルレッスンM〜図書館〜

作者: 佐藤そら
掲載日:2026/02/16

第385回『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』にて、田村睦心さん演じるむっくん登場の『ゆいこのトライアングルレッスンM』に投稿し、下野さん、巽さん、そして田村さんに実際に演じて頂いた作品です!!


下野さんが、気持ちが入りすぎた大人のひろしはラジオのアーカイブでお聴きください!


花魁転生編、プラネタリウムデート編、パティシエ編、ゆいこ誕生日編と続き、まさかの5回目の採用!


こちらは、原文のままです。

今回も本当にありがとうございました!!


勝手ながら、今回もトライアングルレッスンウィークを開催!

今日から5日間、スピンオフを含む5作品を投稿をします。

 その日、わたしは図書館に行っていた。

 いつもなら、すぐにミステリ小説を手に取るのだが、この日は気になっていた恋愛小説に手を伸ばした。


「あっ、すみません……って、むっくん!?」


 同時に同じ本に手を伸ばした相手は、まさかのむっくんだった。


「ゆいこ姉ちゃん……!」


「図書館、来てたんだ!?」


「まぁ、調べたいこととかあったから……」


「え? でも、この本……」


「これは、ゆいこ姉ちゃんが読みなよ。俺は別に読みたくねぇーよ」


 荒々しくそう言うと、むっくんは座っていた座席に戻った。

 机には何冊もの本があり、勉強しに来ていたようだった。


「あれっ? この栞……!」


 本の間に挟まれていたのは、以前わたしがむっくんにあげた、手作りの押し花の栞だった。


「まだ使ってくれてたんだね?」


「別に、新しいの買うのが面倒だから使ってるだけだけど?」


 むっくんは、そっけなく答えた。


 わたしは、むっくんの隣で小説を読み始めた。

 むっくんも、こんな恋愛小説のような恋に興味があるのだろうか?



 少し経った頃、急に雨が降り出した。


「えー! 傘持ってきてないのにぃ!」


 その時、近くで雷が落ちた。


「きゃーー!!」


 わたしの悲鳴と共に、図書館は暗くなった。


「おい! あんま、くっつくなよ!」


「だっ、だってぇ……」


 停電した図書館に雷鳴が轟く。


「相変わらず、怖がりだな」


「もう! 怖いものは怖いでしょ!」


「ったく、明るくなるまで、そばにいてやるから」


 わたしは、むっくんのぬくもりに包まれながら、その時を待った。

 しばらくして、図書館は明るさを取り戻した。



 すると、そこに、ずぶ濡れのひろしがやって来た。


「ゆいこ!」


「ひろし!?」


「ゆいこ、傘持ってないと思って……」


「わざわざ、来てくれたの!?」


 ひろしの目線が、わたしからむっくんに移るのが分かった。


「ああ、たまたま、むっくんも来てたみたいで……」


「そうか……」



 わたしは、何冊か本を借り、図書館を出た。

 その頃には、雨はほとんどやんでいた。


「重いだろ、持ってやるよ」


「え、いいの?」


「困った時は、頼れよな」


 むっくんは、そう言うとわたしの本を持ってくれた。


「勉強は捗った?」


「ゆいこ姉ちゃんが隣にいたから、集中できなかった」


「へっ!?」


「次のテストの成績悪かったら、姉ちゃんのせいだからな!」


「えーっ!?」


「俺のお迎えは、必要なかったか……」


 ひろしがボソッと独り言のようにこぼした。


「そ、そんなことないよ!……ちょっと、怒ってる?」


「いや、もう少しゆいこが困ってたらよかったなって、思っただけ」


「へっ?」


「その本、返す時は俺も誘え。俺も借りたい本あるから」


「うん。今日はありがと」


 雨上がりの街は、なんだかキラキラして見えた。

トライアングルレッスンウィーク!

感想もお待ちしております!!

明日もお楽しみに!!!

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― 新着の感想 ―
5回目の採用おめでとうございます。 下野さん演じるひろしの大人感がたまらなかったですね。
押し花の栞が、ゆいことむっくんの関係性に深みをもたらしている。
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