万年Fランクの隻眼冒険者　～未熟な駆け出しパーティーは、彼が神殺しの英雄であることを知らない～

――その風貌は熟練の冒険者。だがその実態は万年Fランク。
そんな噂が流れるのは王都最大規模のギルド――メイアースが所有するギルドハウスの酒場。

噂の冒険者は、酒場の端でただ静かに酒を飲んでいた。

彼が次の酒に手をつけた時だった。ギルドハウスの扉を豪快に開ける音が鳴り響く。
ボロボロになった駆け出しパーティー〈レドフィアラ〉が騒がしく喚き散らしながら帰還したのだ。
いつもクエスト依頼を失敗することで、有名になっていた彼らは冒険者達にいつも笑われていた。

酒場に座った彼らを一人の冒険者が嘲笑うように煽る。

「またクエストを失敗したのか？　さすがポンコツパーティー。お前らの隣に座ってる万年Fランクと同類の落ちこぼれだな」

今日もこのギルドハウスの酒場は騒がしい。
だが、ここにいる誰も彼の正体を知らない――彼が神を殺した英雄であることを。

本作は「小説家になろう」「カクヨム」の両方で投稿しています。
一応午後七時に毎日投稿を予定してます。