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ジジとアカネ  作者: 紫苑
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第一章:偶然?それとも運命?

月曜日の朝、東京の地下鉄はいつも通り混雑していた。


「…またかよ。人が多すぎるっての。」


ジジはため息をつきながら、吊り革を握っていた。会社に向かう途中、眠気と戦いながらも、心の中ではいつも通りの一日が始まる…はずだった。


だが、次の駅で——


ガタンッ


電車が止まり、ドアが開いた。その瞬間、彼の目に飛び込んできたのは——


スーツ姿の女性。艶やかな黒髪に、透き通るような白い肌。そして、真紅の瞳。


「……なにこの美人。」


思わず見とれてしまうジジ。彼女は無言で彼の隣に座ると、バッグを膝に乗せたままスマートに背筋を伸ばした。


「……これが、恋ってやつか?」


心の声が漏れそうになったその時、彼女がスッとこちらを向いた。


「……顔に何かついてる?」


鋭い視線。冷たい声。なのに、妙に心地よい。


「け、結婚しよう。」


——なに言ってんだ、俺。


一瞬の沈黙。


「……断る。」


バッサリ。ジジの心にナイフが突き刺さる。


(gg…)


目的の駅に着くと、ジジは項垂れながら降りた。だが、後ろから同じく彼女が降りてきた。


(え…?偶然?)


そのまま歩き始めると、なぜか彼女も同じ方向へ。


(道、間違えたか?)


だが、ビルが見えてくるにつれて、ある違和感が現実になる。


彼女が、会社の正門を通り抜けた——まるで当然のように。


(……ウソだろ。)


オフィスに入ってから、上司の一言がとどめを刺す。


「今日から新しい社員が入るぞ。紹介しよう、アカネさんだ。」


あの赤い瞳が、今度は冷静にこちらを見据えていた。


「……よろしくお願いします。」


(よりによって、会社の同僚!?)


ジジの運命の日々が、ここに始まった——。

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